NVIDIA、仮想現実ゲームに参入―SteamでFunhouseシリーズを無料公開

今日(米国時間7/14)、 NVIDIAはゲーム・パブリッシャーでもあると判明した。ただしNVIDIA独特のいささかもってまわったやり方ではあるが。NVIDAはゲームのダウンロード・サイトのSteamからFunhouseというシリーズ名で7種類のミニゲームを公開した(最終的には10種類になるという)。FunhouseのゲームはSteamからダウンロード可能な他のゲームと同様、本物のゲームだが、本来チップ・メーカーであるNVIDAのゲーム・テクノロジーをデモする場でもあるようだ。

もちろんこのミニシリーズがつまらないゲームだというのではない。カーニバルの演し物的な他のミニゲーム同様、十分に面白い。VRのもぐらが叩けるし、道化師の頭の上の風船をある種の水鉄砲で破裂させたり、サッカーボールで安物の皿を割ることもできる。カーニバルで時間を過ごしたことがあれば感じはわかるだろう。

ただし、今回重要となるのはこうしたゲームを可能にしているNVIDIAのテクノロジーだ。FunhouseはNVIDIAの最初の内製ゲームだ。ゲーム・チップのメーカーの巨大企業メーカーは6人の専従社員からなるLightSpeed Studiosを通じて当面このデモ路線を続けるという。

この春、NVIDAは ヘッドセットで快適な拡張現実体験を可能にするSDKとしてVRWorksの提供を開始した。最初のデモは水中の情景だったが、NVIDIAはもっと現実に近いリアルなデモ・ゲームを披露することにしたようだ。

mole_boxing_4_1467835652

TechCrunchのインタビューに答えて、Funhouseのプロダクト・マネージャー Victoria D. Regeは「NVIDIAはいつもデモを作って最新のテクノロジーを普及させる努力をしてきた。われわれのデモ・ゲームには新しいテクノロジーの機能、開発ツール、その他ゲームを可能にする要素がすべて利用され、それらのショーケースとなっている。こうしたソフトとハードは協調して用いられることによってゲームにさらに高いリアリティーをもたらす」と述べた。

たとえばミニ・ゲームに登場するアーチェリーにはFlowテクノロジーが用いられ、矢の先端で燃える炎や矢が的に当たったときに飛び散る火の粉をリアルに表現している。
モグラたたきゲームではHairWorksが叩かれるもぐらの毛を巧みに再現する。Regeは「〔これらは〕むやみにスポットライトを独り占めることなしにゲーム内でVRWorksテクノロジーがどうつかわれるかを示すすてきなショーケースになっている」と述べた。

「NVIDIA VR Funhouseはもともとテクノロジーのショーケースとしてスタートした。実際に作ってみるとプレイしてもとても楽しいゲームになっていることが分かった。実際プレイし始めるとなかなか止められない。これなら他のゲーム・ファンも楽しめるかもしれないと考えて、単なるデモから本当にプレイできるゲームのシリーズが生まれた」とRegeは言う。

Clown_Painter_3_1467835201

現在、Funhouseシリーズのゲームは無料でSteamから入手できる。無料でプレイできるよくできたVRゲームなどはそうあるものではないからゲーム・ファンはダウンロードしてみる価値があると思う。またNVIDIAの最新テクノロジーで正確にいってどういうこうとが可能になるのか知りたいと思っているデベロッパーにも理想的だ。デベロッパーといえば、この夏、NVIDIAはデベロッパー向けの無料のFunhouseを公開するという。

5月に公開されたNVIDIAのゲーム内でスクリーンショットを撮るソフト、Anselも注目すべきツールだ。これは高解像度で全周360度のスクリーンショットを撮影でき、カスタマイズも可能で、VRヘッドセットで再生できる。手近にVRヘッドセットがあれば、単なるスクリーンショットよりはるかにリアルで不思議な魅力をたたえた映像を楽しめる。これが動き出したらどうなるのだろうと想像させるところはいわばVR版の「嵐の前の静けさ」だ。

今朝、Ansel機能は新しいドライバーと共に Mirror’s Edge Catalystで公開された。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。