Nvidiaが5Gの波に乗るべく新たな提携とソフトウェア開発ツールキットを発表

Nvidiaは米国ロサンゼルスで行われている今年のMobile World Congress(モバイルワールドコングレス)で、将来のソフトウェアベースの5Gネットワークは同社のチップセットが主役になると売り込んだ。

一連の新しいソフトウェア開発ツールの提供したほか、米国時間10月21日に発表されたネットワーキングのためのEricsson(エリクソン)、クラウドコンピューティングのためのMicrosoft(マイクロソフト)、Kubernetesの専門知識のためのRed Hat(レッドハット)と提携した。Nividiaは通信会社に対して、同社のチップセットは5Gネットワークで可能になるさまざまな新サービスを実現するための最適な基盤になると語った。

5Gアンテナを効果的に使うためにはかなりの数を遍在させる必要があるので、先陣を切ることはチップメーカーにとって非常に重要だ。それを支えるのが、5Gネットワークの「ネットスライシング」(通信会社がセッション毎に容量を増減できる機能)を通信会社が効果的に活用するためのソフトウェア開発ツールキットを提供することがだ。

NvidiaのCEO Jensen Huang(ジェンセン・ファン)氏はコンベンション前の機長講演で、同社のチップセットと新しいソフトウェアを5Gネットワークに組み込むことで、通信会社は新たなサービスを動的に追加することができるようになると語った。同社はCUDA Virtual Network FunctionとCUDA Basebandという2種類のソフトウェア開発キットを開発した。

また、Nvidiaが以前発表したEGXスタックの上で実行されるAerialソフトウェア開発キットは、Kubernetesの新しいコンテナ化ソフトウェア開発パラダイムとともに動作する。

NvidiaのEriccsonとの「協業」はもうひとつの新たな試みだ。Ericssonと組むことによって、Nvidiaは無線エリアネットワークアーキテクチャーをバーチャル化して、低価格、スケーラブルでエネルギー効率のよいネットワークング技術を構築しようとしている。

「Nvidiaとの提携によって、我々は無線アクセスネットワーク全体をバーチャル化する代替ツールを提供するつもりだ」とEricssonの執行副社長でネットワーク責任者のFredrik Jejdling(フレドリク・ジェドリング)氏が語った。

もう1社のパートナーはマイクロソフトで、クラウドサービスのAzureと、Nvidiaのハードウェア、EGZXやビデオ分析ツールのMetropolisとこれまで以上に密に統合する。

「コンピューティングがあらゆる場所に組み込まれている世界では、クラウドからエッジまでカバーする分散コンピューティング基盤が必要になる」とMicrosoftのCEOであるSatya Nadella(サティア・ラデラ)氏が声明で語った。Nvidiaはエッジコンピューティングをマイクロソフトはクラウドサービスを提供する。

クラウドサービスとの密な連携は、自社ネットワーキングサービスを補完するハードウェア会社を探している通信会社に、Nvidiaのハードウェアとソフトウェアツールをアピールするひとつの方法だ。Nividiaのチップセットがデベロッパード相性がいいことを強調することも必要だ。

それを遂行するために、同社はさらにRedHatと組み、新しく発表したNvidia Aerialソフトウェア開発キットを通じて、データセンターや通信基盤のKubernetes採用が加速されることを期待している。

「業界は益々5Gを推進し『スマート・エブリシング』の革命は始まっている。何十億というセンサーとデバイスが世界中に散らばり、新しいアプリケーションとサービスの可能性を生み出している」とファン氏は言った。「我々ばRed Hatと共同で、クラウドネイティブでスケーラビリティーに優れた高性能なGPUコンピューティング・インフラストラクチャーを構築している。NVIDIA EGX Edge Supercomputing Platformを使うことで、スマートフォン革命と同じく、新時代のアプリケーションが次々と出てくるだろう」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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