今日(米国時間12/2)IDCが発表した予測によると、世界のPC市場は、2013年の台数ベースでの売上が前年比10.1%減少する。これは同社のこの前の予測減少率9.7%よりもやや高い。
今年を異常な急落と見たIDCは、2014年の減少幅を3.8%と小さく見積もっている。しかもIDCの予測ではそれが、このところ続いた下降カーブの底であり、長期的にはその後やや回復する、と見ている。そして、PCの1年の売上が3億台切ることはない、と同社は予言している。
これは、これからWindows 8.xを消費者や企業に売っていかなければならないMicrosoftにとっては、朗報だ。新しいオペレーティングシステムを載せたPCが売れれば、Windows Storeからダウンロードされるアプリケーションも増え、今Windowsに関して様子見をしているようなデベロッパたちも、腰を上げるはずである。
またIDCによると、携帯~スマートフォンは今後も仕事のメインの道具にはなりにくいので、PCの総使用時間は将来もあまり減らない。ただしオペレーティングシステムのアップデート意欲はこれまでより落ち込むので、WindowsのリフォームをねらっているMicrosoftにとっては困ったことになる。
年間販売台数が3億ぐらいに落ち着くとすると、それは月間では2500万、四半期では7500万だ。ちなみに2012年にはPCの売上台数が3億5000万近かった。IDCの予測では3億という安定期に入るのは早くて2017年だが、PC市場のマーケットリーダーであるMicrosoft、Intel、Dellなどにとっても、それが事業調整のためのベースとなる。
いろんな意味でポストPCであることは確かでも、とくに途上国市場では今後もPCの売上が急進していくため、市場は全体としては安定する。
これまでは(ぼくも含めて!)多くの人が、PC市場は下降がひたすら続き、最後には干上がってしまう、と予想していた。しかし、そうではなさそうだ。底は、ゼロではなく3億台であり、PC市場の大きなエコシステムはほぼ維持されるのだ。
それは主に、消費者市場の落ち込みを企業のPC需要が一部埋め合わす、という形だ。IDCの予測では、2013年は企業向けが5%の減少、これに対し消費者向けは15%の減少だ。だからこそ今企業の世界では、Windows 8.xではなくて、XPから7へのアップデートが増え、それがエコシステムの安定を支えている。
Windows 8.xは消費者だけでなく企業の需要もねらっている。後者がもしも今後、8.xに関してポジティブになれば、PC市場はより早く回復するだろう。ただし今年は、12月がどれだけ良くても、PC全体としては黒星の年だ。
PCは死なない。あまり話題にならなくなり、人気も薄れ、落ち着いていくだけだ。
画像クレジット: Flickr
[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))