好む、好まざるにかかわらず、Microsoft(マイクロソフト) のPowerPointは企業の世界ではいたるところに使われているツールだ。ここ数年、マイクロソフトは同社のAI資源を投入し、PowerPointで見栄えのいいスライドを作るための機能を提供してきた。米国時間6月18日に同社は、その機能をさらに強化すべく、いくつかの新機能を公開する。最高にデザインされたプレゼンテーションであっても、発表者が話し下手では強いインパクトは与えられるない。そのためのスキルを身につけるためには多くの練習が必要だが、本日発表された新しいAiツール「Presenter Coach for PowerPoint」は、ユーザーがコンピューター相手にプレゼンテーションの練習をすると、フィードバックを返してくれる。
マイクロソフトのAIはユーザーのジョークがウケるかどうかはもちろん教えてくれないが、たとえば発表のペースについてリアルタイムにフィードバックを返したり、差別のない表現を使っていないか、「えー」「あー」などの言葉をどれだけ使っているかなどを教えたりする。さらにこのツールは、スライドを読むだけ、というプレゼンテーションにおける最大の罪を犯さないように監視する。
リハーサルセッションが終わると、PowerPointは発表パフォーマンスの概要を示し、スキルを改善するためにのポイントを教えてくれる。
本機能はまずウェブ版のPowerPointに、その後Office 365のデスクトップ版に導入される。
ビジュアルデザインに関しては、ユーザーがプレゼンテーションを作成する際に写真、スタイル、色などを推奨するデザイナー・テーマ・アイデアなどの新機能が追加された。この機能はWindows、Mac、およびウェブのOffice 365加入者が今すぐ利用できる。
大企業に勤めている人は、会社やブランドで決められたスタイルを使わなくてはならないことが多いだろう。「Designer for branded」テンプレートを使ってブランドのガイドラインやロゴを定義しておけば、PowerPointが新しいデザインを推奨するときにデザインアイデアがそれを考慮に入れる。この機能はWindows 10およびMacのOffice 365 Iniders加入者向けに本日から提供される。
マイクロソフトはバニティーメトリクス(虚栄の評価指標)の発表も忘れてはいない。同社はユーザーがPowerPointデザイナー機能を使って、2016年の提供開始以来10億枚のスライドを作成して保持していると発表した(作ってもさまざまな理由で捨てられたものもたくさんあったに違いない)。願わくばこれが、ここ数年世界からまずいプレゼンテーションが減ったという意味であってほしいものだが、今日コーチング機能が加わったことで、これからはまずいプレゼンテーションを「聞く」ことも減るのかもしれない。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook )