Red Hatが米国時間1月7日、コンテナのセキュリティを管理するStackRoxを買収したことを発表した。買収価額は公表されていない。
エンタープライズLinuxで従来からよく知られているRed Hatは、最近ではクラウドへの移行に取り組んでいた。IBMはそんな同社を2018年に340億ドル(約3兆5340億円)という巨額で買収し、CEOのArvind Krishna(アルビンド・クリシュナ)氏の下でハイブリッドクラウドへの移行(未訳記事)に専念することになった。
今回のStackRoxの買収はRed HatのコンテナプラットフォームであるOpenShift向けだが、同社によると、AWSやAzure、Google Cloud Platformなど、他のプラットフォーム上のStackRoxの使用もサポートを続ける。この方針は、マルチクラウドでハイブリッドな環境をサポートするIBMの戦略と合っている。
Red Hatの社長兼最高経営責任者(CEO)のPaul Cormier(ポール・コーミエ)氏によると、両社は協調的に仕事ができるという。「Red HatはStackRoxのKubernetesネイティブな能力をOpenShiftの多層的なセキュリティに加え、プロダクト化されたオープンイノベーションをすべての企業に導入する弊社のミッションをさらに前進させる。それはさまざまな規模のITに共通するオープンなハイブリッドクラウドで行われる」とコーミエ氏は声明で述べている。
StackRoxのCEOであるKamal Shah(カマル・シャー)氏は同社のブログで買収を発表するとともに、同社が2年前にKubernetesに賭けたことは正解だった、と述べている。つまり「2年半あまり前に私たちは、Kubernetesだけにフォーカスする戦略を選び、すべてのプロダクトをKubernetesネイティブにしていった。今日ではそれが当たり前だが、当時は違った。視野を2020年に早送りすると、Kubernetesはクラウドネイティブなアプリケーションとハイブリッドクラウド環境のデファクトのオペレーティングシステムとして他を圧している」とシャー氏は書いている。
買収はシャー氏にとって、Red HatやIBMの力を借りて会社を早く成長させ、ロードマップを早める方法だ。買収される小さな企業のCEOの決まり文句だが、重要なのはそんな大きな企業の中で明確な存在感を常に維持することだ。
StackRoxの買収は、Kubernetes界隈でよく見てきた整理統合の一環であり、特にそれが目立つのがセキュリティの分野だ。たとえばPalo Alto Networksは競合他社のTwistLock(未訳記事)を2019年に4億1000万ドル(約426億1000万円)で買収した。同じく競合他社のAqua Securityは、1億3000万ドル(約135億1000万円)を調達して独立を維持している。
Crunchbaseのデータによると、StackRoxは2014年に創業してこれまで6500万ドル(約67億6000万円)あまりを調達している。投資家はMenlo Ventures、RedpointそしてSequoia Capitalだ。今回の買収は、規制当局の認可が下りて完了するのが今四半期内と思われる。
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カテゴリー:セキュリティ
タグ:Red Hat、買収
画像クレジット:Ron Miller
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)