昨年の夏に開催されたWWDCでAppleはiOSとMacの開発が行える新しいプログラミング言語、Swiftを発表し、世界中を驚かせた。
このプログラミング言語にはAppleらしさがある。ウェブ開発における他のプログラミング言語のように、簡潔で理解しやすいシンタックスを採用し、以前からAppleが採用しているObjective-Cより分かりやすくなっている。
この言語は、Appleのコンパイラの専門家により開発され、既存のコードやCocoaライブラリとの互換性を保ちつつ、処理がいくつかの指標において速くなっている。
「誰でも素晴らしいアプリを作れる」とAppleはSwiftに銘打っている ものの、いくらかのガイドラインがなければ、iOSやMacのアプリを初心者が作り始めるのは難しい。
そのため、Appleと開発者のコミュニティーは、Swiftのレッスンを提供するために多くの努力を費やしてきた。Swiftが発表された同じ週には、Swiftに対応したXcodeをリリースし、Swiftのシンタックスについて書かれた詳細な本もリリースした。また、詳細な更新情報や実践的な内容を盛り込んだブログも始めた。有名なスタンフォード大学のiOS開発の授業もObjective-CからSwiftへと変更された。
しかしコードの世界に飛び込もうとする全くの初心者にとってはそれでもこれらの教材のハードルは高い。Swiftyはどうだろうか。iPhoneやiPadで使えるこのアプリでは、インタラクティブなチュートリアルでSwiftの基本的な構造を順を追って学ぶことができる。
Swiftyには200以上のチュートリアルがあり、変数やデータセットの基本からオブジェクト指向のプログラミングの重要ポイントまで学ぶことができる。iPhoneのキーボードは明らかにコードを書くのには向いていない。(特に初心者にとっては。)そこで、アプリを作ったJohannes Bergerは、実際にコードを書いているように感じる、インタラクティブなクイズ形式のインターフェイスを取り入れた。
Swiftyの各チュートリアルには、1から3行程度の新しいコンセプト、あるいは前に出てきたコンセプトで重要なポイントについての説明がある。その下には、途中まで書かれたコードがあり、重要なname(名前)、type(型)、value(値)が抜けている。タップすると、いくつかの選択肢が表示される。正しい選択肢をタップすると、コードが実行され、どのような結果が得られるかを確認することができる。正しい選択肢は1つとは限らず、違う選択肢でも動くものもあり、それらを選んだ場合に得られる結果を比較することができる。
画面の下のボタンでコードを実行させることができるが、得られる結果は準備されているものであるので、実際にはアプリ内でコードを書いているわけではない。しかし、この形式で学んでいくことで、Swiftに慣れ、Swiftで機能やクラスのコードを書くときの命名規則やスタイルが分かる。私のSwiftでの経験とプログラミング一般の経験からでは評価するのは難しいが、このアプリを1、2時間ほど使えば、XcodeのPlaygroundで簡単なテキストベースのプロジェクトを楽しむことができるだろう。
Swiftyを誰でも簡単に使えるようにするのに、相当な努力が費やされたのが分かる。全てのレッスンを学ぶには2.99米ドルかかるが、通勤時間にでもSwiftに慣れたいと思うなら試してみると良いだろう。最初の13のチュートリアルは無料で受けられるので、アプリが自分に合うか分からない、あるいはそもそもこの言語を学べるかどうか分からない、と悩んでいる方でも一回試してみると良いだろう。
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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ facebook)