近年のApple史上最もがっかりした事件は、iOS 6の独自マップ採用だった。人々は路頭に迷い、そもそもなぜAppleはiOSからGoogleを排除する決断をしたのかと首をかしげた。その後Googleは独自のiOS版を公開し、すばらしい反響を受けている。
今日の2013年Q1決算報告会見で、Tim Cookはこの製品に対するAppleの立場をこう説明した。「われわれは、当社の極めて高い目標に達するまで改善を続ける」。
全面的な謝罪に致る前、Appleはこれが独自マップのごく初期段階であり、まだ始まったばかりであると、再三口にした。
9月中に、Cookはようやくこの件について謝罪し、こう語った。
お客様へ
Appleは、お客様に最高の体験をお届けする、世界で最高レベルの製品を作ることに取り組み続けています。しかし、先週提供を開始した新しいマップは、自分たちに課したその基準に達することができませんでした。お客様にご迷惑をおかけてしていることに対し、心よりお詫び申し上げます。現在私たちは、マップをより良いものにするために最善を尽くしています。
私たちがマップの提供を始めたのは、iOSの最初のバージョンをリリースした時です。その後、時が経つにつれ、ルート案内、音声の統合、Flyover、ベクターベースの地図といった機能を持つ、より優れたマップをお届けしたいと考えるようになりました。そのためには、新しいバージョンのマップを一から作る必要がありました。
Appleの新しいマップを利用しているiOSデバイスの数はすでに1億台を超えており、その数は毎日増え続けています。新しいマップを搭載したiOSデバイスのユーザーが検索した場所は、わずか一週間あまりで約5億にのぼりました。より多くのお客様にご利用いただくほど、マップはより良いものになります。皆様からお寄せいただいたフィードバックに対し、心よりお礼申し上げます。
私たちがマップの改良に取り組んでいる間、皆様にはApp Storeから「地図マピオン」、「地図 Yahoo!ロコ」などの地図アプリケーションをダウンロードしていただけます。Googleマップのウェブサイトにアクセスして、そのアイコンをホーム画面に作成し、マップを使うこともできます。
Appleは、自分たちの製品を世界で最高のものにすることを常に目指しています。皆様がそのことをAppleに期待していることも、私たちは理解しています。私たちはマップがこの極めて高い水準に達するまで、絶えず努力を続けていきます。
Tim Cook
Apple CEO(最高経営責任者)
[Apple日本語版サイトより]
今日の発言は、上の声明を一部繰り返すものだった。
Cookは、アナリストの質問を受けて現状に触れ、「継続的改善」を約束した。
これまでマップにいくつかの改善を施してきたが、今年を通じてさらに改善を続けていく。われわれは、当社の極めて高い目標に達するまで改善を続ける。
これはもう願うしかない。今でも約束の時間を守りたい人たちはいるのだから。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi)