Volvoとの提携で、Uberが2016年末までにピッツバーグの公道で自動運転車によるオンデマンド配車サービスを提供する。さらに、この提携はVolvoが2021年に市場投入を目指す自家用またはタクシー用の自動運転車の開発に弾みをつけるとWall Street Journalは報じている。両社は総額3億ドルをほぼ折半で投資する見通しで、今後はVolvo社のSUV「XC90」プラットフォームをベースとした自動運転車の生産を目指す。
今回の提携は、ドライバーを必要としない配車サービスの提供開始を目指すライバル企業のGoogleやFordに対してUberが優勢になるのを助けることになるが、この計画に投資し、参加することでVolvoが手に入れるものも明らかだ。Uberの自動運転車チームは、Googleの自動運転車プロジェクトの前リーダー、Twitterのエンジニアリング部門の前VP、さらにはカーネギーメロン大学ロボット工学部の多くの研究者から成り、そこで蓄積されたノウハウはVolvoにとって非常に有用になる。
Volvoの自動運転車の展望は、ドライバーが同乗しながらも完全な自動運転機能を備えた車だ。投資される資金は、障害物検出や衝突回避のためのセンサーを含むハードウェアの開発、さらなる研究とソフトウェアの開発に使われる。また、Volvoはこの提携の成果である自動運転車の公道テストを中国、イギリスおよびスウェーデンで実施したい考えだ。
今回の提携は、両社が自動運転技術を追求していく上で、他の企業とのパートナーシップを締結する余地を残している。また社員はそれぞれの会社での業務を継続、両社が社員を共有する予定はないとReutersは報じている。
今週初めに、Fordはタクシー向けの自動運転車を2021年までに発売すると発表したばかりだ。どうやら2021年は、自動運転車にとって重要な一年になりそうだ。
[原文へ]
(翻訳:Maki Itoi)