インドのスタートアップがWhatsAppのユーザー数を利用したビジネスを開発している。WhatsAppはインドで最も人気があるアプリで、国内に4億人以上のユーザーを抱える。
創業7カ月のDigi-Prex(ディジ・プレックス)はハイデラバードで慢性疾患患者向けのオンライン処方薬局を開いた。患者は処方箋をWhatsAppでDigi-Prexに送信し、Digi-Prexは定期的に薬を患者に送付する。
Digi-Prexのサービスは配達だけではない。薬が必要となる時期を患者自身が管理しやすくしたり、薬による改善が見られるかどうかをDigi-Prexがチェックする。ハイデラバードでこれまで数千人の顧客を集めたと、Digi-Prexの創業者であるSamarth Sindhi(サマース・シンディ)氏はインタビューでTechCrunchに語った。
Digi-Prexは有力ベンチャーキャピタル数社が参加したシードラウンドをクローズした。インドのスタートアップにとって最大のシードラウンドの1つとなった。
Khosla Ventures、Vedanta Capital、Y Combinator、Quiet Capital、SV Angelから550万ドル(約5億9000万円)を調達した。Tinderの創業者であるJustin Mateen(ジャスティン・マティーン)氏もラウンドに参加した、とシンディ氏は述べた。
「オンラインで顧客を獲得するのではなく、医師や薬局と協力して顧客にサービスを提供している」とシンディ氏は言う。彼は米ブラウン大学の卒業生であり、インドに戻る前に米国の医療会社で働いたことがある。Digi-Prexは医師や薬局と利益を一部シェアするが、より重要なのは医師や薬局と組むことにより遠隔地の顧客にサービスを提供できるため、顧客の居住地を問わず全ての患者が潜在的な顧客になる点であるという。
Digi-Prexは医薬品販売業者と直接提携しているため低コストで配達できる。一方店頭では割引価格で顧客に薬を販売する。
シードラウンドの資金でインドの10都市に事業を拡大し、患者にとってより使いやすいビジネスモデルを模索するとシンディ氏は説明する。患者が優れた医師へアクセスしたり病気に関するより多くの情報を得られるようなサービスにも取り組んでいる。
Digi-PrexがWhatsAppを配送プラットフォームとして使用していることに驚きはない。「インドに戻ったとき、テキストメッセージを誰も使っていないことに感動した。みんなWhatsAppを使っていた」と彼は言う。
インドで最も人気のあるWhatsAppは、国内で次々にビジネスに利用されている。例えばY Combinatorが支援するVahan(バハン)は、WhatsAppで労働者が物流会社の仕事を見つける支援をしている。
画像クレジット:Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)