ツイッターが「TweetDeck」のリニューアルをテスト、将来のサブスクリプション化を目指す

Twitter(ツイッター)社は現地時間7月21日、Twitterのパワーユーザー向けの(でもあまり注目されていなかった)、同社のソーシャルメディアダッシュボード「TweetDeck」の新機能のテストを開始すると発表した。Twitterは将来的にTweetDeckを新しいサブスクリプションサービスにする可能性がある。TwitterのプロダクトリーダーであるKayvon Beykpour(ケイヴォン・ベイポー)氏のツイートによると、TweetDeckのリニューアル版には、完全なツイート作成画面、新しい高度な検索機能、新しいカラムタイプ、カラムを見栄えよくワークスペースにまとめる新しい方法が含まれるという。

ベイポー氏は2021年初め、The Vergeのインタビューの中で、TweetDeckをオーバーホールする計画を予告していた。ベイポー氏は、Twitterが「最近TweetDeckにあまり情熱を注いでいなかった」ことを認めた上で、近々TweetDeckをリニューアルすると述べ、それを「ゼロからのかなり大きなオーバーホール」と表現していた。

今回のアップデートではいくつかの注目すべき変更が行われ、その約束が果たされるようだ。

Twitterは、TechCrunchの取材に応じ、たとえばTweetDeckの新しいツイート作成画面では、これまでのように写真やビデオだけでなく、GIFやアンケート、絵文字をツイートに追加したり、スケジュールされたツイートを投稿したりできるようになると回答している。スレッドを作成したり、画像にタグを付けたりすることもできるようになるという。

また、既存の豊富なカラムオプションに加え「プロフィール」「トピック」「検索」「イベント」「モーメント」「ブックマーク」などの新しいカラムも利用できるようになる。残念ながら「アクティビティ」「フォロワー」「いいね」、送信トレイなどのカラムタイプは犠牲になったようで、削除されている。

新しい高度な検索機能では、ブールクエリ(論理演算子を使ったクエリ)を使用できる。また、1つ目のカラムにトップツイートと最新ツイートのどちらを表示するかを選択できるようになる。

新たに追加される機能の中でも特に優れた新機能が「デッキ」だ。デッキでは、複数のカラムを別々のワークスペースにまとめることができるので、テーマや関心事に応じたワークスペースを作りたいユーザーには便利だろう。ソーシャルメディアの管理者であれば、さまざまな顧客に関連するツイートを把握するのに使えるかもしれない。

このような利点が追加されるにもかかわらず、新しいTweetDeckにアクセスしたテスターの反応は、それほど肯定的なものではない。特に、「アクティビティ」カラム(フォローしているユーザーがツイートをお気に入りに登録したり、他のユーザーをフォローしたりすると表示される)や、「メッセージ」カラムがなくなったことに不満が出ている。

また、タイムラインのデフォルトが新着ツイートではなくトップツイートになったことや、ダイレクトメッセージ用のカラムを作成できないこと、コレクションがなくなったことに不満を持つ人もいる。カラムのサイズを変更するのが難しく複数のアカウントで使用する方法がわからないという意見、下部のスクロールバーや、画像をオフにする機能が必要だという意見もあった。あるユーザーは「これは新しいTweetDeckではない。Twitterを複数カラムにしただけだ」とツイートしている。

さらに悪いことに、TweetDeckがアップデートについて投稿したツイートでは、ユーザーが慣れ親しんできたアプリとはまったく異なるものが示されていた。幅の広いカラムと、非常に大きな写真画像がスペースを占めていたのだ。これでは、多くのTweetDeckユーザーが好む、TweetDeckの高い情報密度を台無しにする変更のように見えてしまう。

しかし、Twitterの従業員で、ニュースパートナーとして働いているEric Zuckerman(エリック・ザッカーマン)氏のツイートは、幅の狭いカラム、小さな画像、小さなフォントなど、ユーザーが慣れ親しんだ現行バージョンによく似た、より安心感のあるスクリーンショットで新しいTweetDeckを紹介している。

Twitterが投稿したツイートは「Twitter.comで見ることができるものをさらに取り入れた」TweetDeckのバージョンアップ、と宣伝していたが、これには多くのTweetDeckユーザーが困惑し、不安を感じたようだ。TweetDeckを使っているのは、TweetDeckがTwitterのウェブアプリのような外観、操作性ではなく、Twitterが導入している多くの追加機能がないからだと指摘するユーザーもいる。

TwitterのエンジニアであるAngelo Tomasco(アンジェロ・トマスコ)氏は、今回の変更はTweetDeckを「よりTwitterらしく」するためだけのものではなく、TweetDeckを安心安全にアップデートして、開発者がTwitterとの差を縮めるために費やす時間を削減し、新機能の開発やユーザーからのフィードバックに対応する時間を持てるように、インフラを共通化するためのものであることを明らかにした。

ユーザーがどのような意見であっても、少なくとも、7月21日にテスターに届いたTweetDeckのバージョンが最終製品でないことは保証されている。

Twitterによると、この新バージョンは、まず米国、カナダ、オーストラリアの無作為に選ばれた少人数のグループに展開される(もちろん、興味があるなら、アプリの研究者であるJane Manchun Wong[ジェーン・マンチュン・ウォン]氏が、新バージョンを試してみる方法をすでに見つけている)。

Twitterは、今回の変更に関するユーザーからのフィードバックに耳を傾け、対応するとしている。

実際、Twitterはそうする必要がある。というのも、Twitterによれば、このテストは、TweetDeckを将来的にサブスクリプションサービスの一部にする方法の調査を目的としているからだ。

Twitterの広報担当者によると「今回のテストでは、当社のサブスクリプションサービスの中で、TweetDeckの強化版が将来的にどのようになるのかを検討するためのフィードバックを集めたいと考えています」「このテストから得られた情報は、後日詳しくお伝えします」とのことだ。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:TwitterSNSサブスクリプションTweetDeck

画像クレジット:Twitter

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(文:Sarah Perez、翻訳:Dragonfly)

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TechCrunch Japan

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