有名企業も利用する検索APIスタートアップAlgoliaがユニコーンの仲間入り

Algoliaが資金調達後の評価額22億5000万ドル(約2479億5000万円)のシリーズDで1億5000万ドル(約165億3000万円)を調達した。2019年10月のシリーズCと比較すると、評価額は4倍以上だ。これで同社は評価額が10億ドル(約1100億円)を超えるユニコーンとなった。

AlgoliaはSearch-as-a-Service製品で知られている。この製品を使うと、開発者フレンドリーなAPIでアプリやウェブサイトにリアルタイム検索を統合できる。Algoliaを利用した検索機能は、MacでSpotlightを使っているような感覚だ。文字を入力するにつれて検索結果が読み込まれ、ほんの数ミリ秒で表示される。

同社の顧客は1万社を超え、その中にはSlack、Stripe、Medium、Zendesk、Lacosteなどの有名企業もある。現在Algoliaは年間1兆5000億件の検索クエリを処理している。ゼロの並びで見たい人のために書いておくと「1,500,000,000,000件」だ。

今回の資金調達ラウンドはLone Pine Capitalが主導し、Fidelity Management & Research Company LLC、STEADFAST Capital Ventures、Glynn Capital、Twilioも参加した。他に、これまでに投資していたAccel、Salesforce Ventures、DAG、Owl Rock、World Innovation Labも追加で支援した。

Algoliaは売上の数字を公表していないが、年間経常収益は前年比180%で成長しているという。

AlgoliaのCEOであるBernadette Nixon(バーナデット・ニクソン)氏は発表の中で次のように述べている。「これからはAPIファーストの時代です。このことはAPIエコノミーにおけるTwilio、Stripe、Algoliaなどの成長を見れば明らかです。我々のこれまでの、そして今後も続く成功は、PLG(Product-Led Growth)戦略で開発者にしっかりと集中していることが大きな要因です。これにより開発者はWebサイトやアプリに検索を組み込み、最も関連性が高くダイナミックなデジタルエクスペリエンスを創出できます。我々は今後もAlgolia Recommend and Predict(おすすめと予測)で検索を超えてさらに拡大し、熱意を持ってお客様の問題を解決していきます」。

Algoliaは検索APIだけでなく他にもリアルタイムのAPIを提供している。例えばeコマースサイトでAlgolia Recommendを利用するとリアルタイムでおすすめ製品を提示できる。これは同社が製品を多角化しようとする戦略の一環だ。

特に同社は、訪問者の意図を分析して何かを買おうとしているかどうか予測しようとしている。企業はその情報を利用してコンテンツを動的に更新し、プッシュ通知を送り、キャンペーンを表示できる。

フランスで創業したAlgoliaはここ数年で目覚ましく成長し、現在は大企業に特化して堅実に経営している。2020年には共同創業者のNicolas Dessaigne(ニコラ・デセーニュ)氏がCEOを退いて取締役になった

同社はここ1年半で多くの経営陣を迎え入れている。元Dropboxで最高収益責任者のMichelle Adams(ミシェル・アダムス)氏、元Alfrescoで最高財務責任者のCarlton Baab(カールトン・バーブ)氏、元Capgeminiで最高事業開発責任者のPiyush Patel(ピヤシュ・パテル)氏、元Alteryxで最高顧客責任者のJim Schattin(ジム・シャティン)氏、元SalesforceおよびAdobeで最高マーケティング責任者のJason McClelland(ジェイソン・マクレランド)氏、元Twilioで最高製品責任者のBharat Guruprakash(バーラット・グルプラカシュ)氏だ。

ご覧の通り才能あふれる人物揃いで、Algoliaはクールなテクノロジーを開発して買収を目指すのではなく息の長い企業になろうとしていることがうかがえる。この先IPOの話を聞いても驚きではないだろう。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Algolia検索APIユニコーン企業資金調達

画像クレジット:Algolia

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(文:Romain Dillet、翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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