UberがNY市のタクシーと提携、ドライバー不足と運賃高騰対策で

ディスラプトできないなら、仲間になる?かつてタクシーシステムをなくす勢いだったUber(ウーバー)は、ニューヨーク市の全タクシーをアプリに載せることで合意した。今春以降、ニューヨーク市の利用者はUberのアプリから直接タクシーを呼ぶことができるようになり、同社のドライバー不足と運賃の高騰に対処する一助となる。

Uberの広報担当者のConor Ferguson(コナー・ファーガソン)氏は、電子メールでTechCrunchに次のように語った。「タクシー業界との提携は世界中で異なっており、今後5年間に目を向けるとき、タクシーとUberが別々に存在する世界はないと強く信じています。両者にとって得るものが多すぎるのです。タクシーは、私たちが新しい市場を開拓するのに役立ちます。実際、香港やトルコといった場所では、今や当社の主要な商品になっています」。

この提携は、Uberのソフトウェアと、CMTやCurbといった会社の既存のタクシーソフトウェアを統合することで機能する。ウォールストリート・ジャーナル紙の報道によると、Uberを利用したタクシーの運賃は一般的なUber Xとほぼ同じになる。Uberの乗客を乗せたタクシードライバーは、通常のUberドライバーと同じ報酬が支払われる。その額は最低時間と距離のレートに応じて決定される。しかし、Uberはタクシーとは異なる指標で賃金を計算する。そのため、タクシー運転手はUberの乗客を受け入れる前に、予想される収入を確認することができる。これは、Uberが既存の運転手に対して行っていない丁重な措置だ。投資家向け報告書によると、Uberは運賃の約20%を徴収しているが、ニューヨーク市タクシー・リムジン委員会との契約の条件、例えばタクシーの乗車料金からどのような手数料が差し引かれるのかなどは公表していない。

世界中のタクシー運転手はUberのようなライドシェア事業の普及に抗議してきた。フランスでは、既存のインフラから顧客やドライバーを誘致するため、Uberは赤字で営業していたこともある。乗車料金を低く抑えるために負債を発生させるこの全体的なモデルは、依然として24億ドル(約2935億円)の損失を出していたにもかかわらず、同社が2021年第3四半期にわずかな利益をなんとか確保するまで続いた。タクシー運転手と協力するという決断は、米国外では成功したことが証明されている。Uberはスペイン、コロンビア、オーストリア、ドイツ、韓国などの国でタクシー事業者と提携している。よって同社が最大の米国市場の1つでこれを試みるのは不思議ではない。

画像クレジット:Instants/iStock

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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