来週のデモデーに先立ち、Y Combinatorはファウンダーに対するセクシャルハラスメントを一切許さない同社の「ゼロ容認」ポリシーを、投資家に再通告した。
「絶対に許さない」とY CombinatorのJessica Livingstonは書いた。「必ず見つけ出す。Y Combinatorはそことは今後一切仕事をしない」
この投稿は、女性ファウンダーが自分のスタートアップの投資家を探す際しばしば経験する、性的な誘惑や差別にまつわる話題の高まりを受けたものだ。Wiredは、偏見を受けた経験のある女性ファウンダーのストーリーを「これがIT業界の醜悪な性差別問題の実態だ」と題した記事にして、読者の再認識を促した。続いてForbesも、積極的に乗り出したい女性は武装する必要がある、と語る女性ファウンダーの匿名記事を掲載した。
匿名SNSのSecretでこの問題を論じる人々もいる。どの男性ベンチャーキャピタリストが女性ファウンダーに不適切な性的誘惑を行い「だましてデートに連れ出した」かを具体的に尋ねる投稿さえある。Secretのこの投稿は、名誉毀損や中傷であるという多くの非難を受け、複数のコメンターがここはそうした行為を犯したベンチャーキャピタリストの名前を公表する適切な場ではないと指摘した。
Secretは、シリコンバレーにおける尺八や最新解雇情報に関する匿名噂話の保管場所であり、そのような侮辱的、不適切行為に関する重要な報告の場にすべきではない。しかし、ファウンダーたちがここに報告しているという事実は、女性起業家が評判を犠牲にすることなく訴えられる場所が他にないことの証しだ。
彼女たちには人事部門もなく、告発に対する反発への恐怖から、ビジネスパートナーや他の投資家に相談することさえ極めて困難だ。特に、投資家と駆け出し起業家との相対的権力の違いを考えればなおさらだ。
新しい企業の女性ファウンダーは、金を持った(かつ大半が男性の)門番たちの深くて暗い海に直接飛び込み、この種の差別行為を容認し続ける同じ投資会社からの資金に頼らざるを得ないかもしれない。
Forbes誌の匿名記事とSecretへの投稿以来、この問題について、女性が公の場に出て名前を明らかにするまで、修正は困難だと言う意見も一部に出ている。しかし、責任は不適切な行動をする投資家や、傍観者の同僚に帰すべきであり、彼らが態度を改め、何かを発言するべきだ。被害者がプライバシーを求めることを非難すべきではない。Re/codeのファウンダー、Kara Swisherは、先月私が参加したインターン・イベントで端的に語った。彼女は殆どが男性のパネリストと聴衆に対して、問題は「女性が乗り出すとか何かをすべきだとかいうことだけではない」と念を押した。投資家、特に男性投資家もこの問題の議論に参加する必要がある。
最近のメディアの注目以前、投資家のファウンダーに対するセクシャルハラスメントは、タブー視されていた。Y Combinatorのプレジデント、Sam AltmanはValleywagの取材に対して、同社は過去にもこの問題に対して行動を起こしたことがあり、不適切行為の疑いのある投資家はデモデーに呼ばず、紹介もしないと語った。しかし、ついにこの問題を公に語ることによって、Y Combinatorは他のアクセラレーターや投資会社が、同様の「ゼロ容認」ポリシーを採用する道筋を作った。
「われわれが知る殆どの投資家は完全に真っ当でプロフェッショナルだが、不適切事象はたとえ1件でも多すぎる」とLivingstonは書いている。
あとは、その真っ当でプロフェッショナルな投資家たちが、何らかの変化を起こすことを期待するだけだ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)