Microsoftが今日、Xamarinを買収したことを発表した。Xamarinは、単一のコードベースを共有して、複数のプラットホームの完全にネイティブなアプリケーションを構築する、いわゆるクロスプラットホームな開発ツールだ。
MicrosoftとXamarinは2013年にグローバルなパートナーシップを発表して以来、Visual Studioでモバイルデベロッパーが複数のプラットホームのネイティブアプリをより簡単に作れるよう、密接に協働してきた。
そのパートナーシップの詳細が分かってくるにつれて、Xamarin買収の噂も芽生えてきたが、しかし昨年XamarinのCFO Bryan Morrisは本誌TechCrunchにに、同社はIPOを志向しており、“売ります”の看板は出していない、と語った。
ところが今回は、MicrosoftのCloud and Enterprise Group担当EVP Scott Guthrieがブログ記事で、買収の公式決定を伝えている。ただし価額など買収の条件は公表されていない。
“今日の買収の発表によりわれわれはこの協働関係を一層拡大し、われわれの世界クラスのデベロッパーツールとサービスを、より深い統合とシームレスなモバイルアプリ開発体験により、さらに良いものにしていきたい”、とGuthrieは書いている。
Guthrieは、Xamarinの現在の顧客数が15000あまり、と述べている。その中には、Alaska Airlines, Coca-Cola Bottling, Thermo Fisher, Honeywell, JetBlueなどの有名企業もいる。
この買収によってMicrosoftのデベロッパーツールが大きく充実し、Windows 10デバイス向けのモバイルアプリやユニバーサルアプリケーションの開発にさらに一層拍車をかけることになる。
Guthrieは上記ブログ記事の中でこう言っている: “XamarinとVisual Studio, Visual Studio Team Services, およびAzureの組み合わせは、完全なモバイルアプリ開発ソリューションを提供し、テストから実装配布までの、開発に必要なあらゆるものを、すべてのデバイスに提供できる。これらをベースとする、これからのデベロッパーの仕事ぶりが、非常に楽しみである”。
来月後半に行われるMicrosoftのデベロッパーカンファレンスBuildはすでに定員に達しているが、そのキーノートでGuthrieは、Xamarinに関する“将来計画”を述べるそうだ。
CrunchBaseのデータによると、Xamarinはこれまで、Charles River Ventures, Floodgate, Ignition Partners, Insight Venture Partners, Lead Edge Capitalなどから計8200万ドルを調達している。