Echoやその他のスマートホームハブの登場によってもたらされた、セキュリティ上の懸念のことを思えば、Amazonはきっとそのデバイスにカメラを追加することが、プライバシーに関する議論を再燃させることは理解しているに違いない。結局のところ、常時聴き取りを行なうマイクロフォンは1つの例にすぎなかった。そして今回発表された、オーナーのベッドルームに置かれるようにデザインされたカメラ搭載のEcho Lookは、また別の問題を喚起する。
この種のデバイスを寝室に設置したならば、ある程度の固有のプライバシーリスクが生じることに注意すべきだ。ラップトップのウェブカメラに青色の絶縁テープを貼っている人びとは、単なる錫箔を活用する変人たちではない。実際のところ、少なくともこれらのデバイスのマイクは常にオンになるようにデザインされており、クラウドへの転送を開始させるトリガーワードに耳を澄ませている。
今回の新しいデバイスに関する質問に対するAmazonの対応は、少々ごちゃ混ぜであり、ユーザーはプライバシー保護の観点から慎重になるべきである。それ以外の点に関しても、ユーザーはこのタイプのデバイスを、家の中のデリケートなエリアに持ち込むことによる費用対効果を確認する必要がある。
同社はこれまでの議論ではこういった質問に対して少し慎重だったようだが、特に最近起きたアーカンソー州のホットタブ殺人事件のようなニュースイベントが、ユーザーに潜在的なプライバシーリスクの存在を気付かせることになり、Amazonもこうした質問にきちんと答えるために事前の準備をとるようになりつつある。
「Echo LookはEchoと同様に、ウェイクワードだけを検出するキーワードスポッティング技術をデバイスで使用しています」と同社の広報担当者はTechCrunchに語った。「ウェイクワードが検出されると、青い環が点灯してAlexaは音声をAWSクラウドへ送り始めます」(Alexaの場合、ウェイクワードは「Alexa」である)。
そしてもちろん、Echoにはマイクを完全にオフにするためのボタンがある。そしてカメラとマイクの接続が解除されたことを示す赤いインジケーターが光る。もしくは、いざとなれば単に電源プラグを抜いてしまうことも可能だ。
そのボタンは、見た目上かなり目立っている。こうしたデザインを見る限り、Amazonがプライバシーに関するある程度の懸念を芽の内に摘んでおこうと努力しているのは間違いない。さらに重要なことは、同社によればこのカメラは(マイクとは異なり)音声コマンドや専用アプリを使用して起動するまで、常時完全にオフになっている。
だとしても…もし私の寝室にそれがあるとしたら、それを利用していないときにはおそらく電源を落としてしまうか、タオルをその上に被せてしまうだろう。インターネットに接続されたカメラがある限り、何が起きるかわかったものではない。
キャプチャされたビデオと写真のコンテンツはどうなるのだろう?すべてがクラウドに送られ、ユーザーが削除するまで無期限にそこにとどまることになる。コンテンツは暗号化された形式でAWSに保存される(それを送ったモバイル端末にも保存されている)。そして「特定のAmazonの担当者が、サービスを提供しその質を向上させるために写真やビデオを見る可能性はあります。例えばStyke Checkを通してフィードバックを行なうために」とAmazonは言う。同社は「これらの画像へのアクセスを制限するために、厳格な管理を行っています」と付け加えている。
すでに想像はついていると思うが、Amazonは収集した情報に基づき広告を提供する権利を留保している。それがAmazonが(そしてGoogleやFacebook、その他ほとんど全ての企業が)することだ。しかし同社は「広告主や、弊社のインタレストベース広告を表示するサードパーティのサイトに対して、いかなる個人情報も提供していません」と付け加えた。
結局、キャプチャしたコンテンツの管理を日常的に行い、Amazonの担当者に見られても良いものしか残さないようにすることが肝心ということだ。同社は、サーバーの暗号化が安全であると考えており、その情報を共有しないことを約束しているが、これらの接続されたデバイスが日々の生活の中で重要な役割を果たすようになればなるほど、私たちが望むものだけを彼らが見たり聞いたりするように注意深くなる必要がある。
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(翻訳:Sako)