アフリカも宇宙競争に参加、ガーナの最初の衛星が地球の周回を始めた

【編集部注】著者のJake Brightは、ニューヨーク市在住の記者ならびに作家である。また彼はThe Next Africaの共著者でもある。

ガーナの最初の衛星であるGhanaSat-1は、友人たちの助けも少し借りながら、軌道に乗ることができた。

All Nations Universityのガーナ人エンジニアリングチームが作成したCubeSat(小型衛星)は、6月にSpaceXロケットに搭載され、ケネディ宇宙センターのパッド39aから発射されてNASAの国際宇宙ステーションへと届けられた、とNASAの広報担当者が語った。

ガーナの教授兼、NASAのアシスタントリサーチサイエンティストであるRichard Damoahによれば、センターから届けられたGhanaSat-1は7月には軌道に乗り、運用が開始されたということだ。

「今回の衛星には2つのミッションがあります」と、DamoahはTechCrunchに語った。「まずガーナの海岸線を詳細にモニタするためのカメラが搭載されています。それから、教育的要素があります。私たちはそれを使って衛星技術を高校教育のカリキュラムに組み込もうと考えているのです」と彼は語った。

GhanaSat-1は、All Nations Universityの宇宙システム技術研究所の地上局に対して信号を送信する。そこは、Benjamin BonsuErnest Teye Matey、Joseph Quansahらを含むエンジニアチームによって衛星が開発された場所だ。 

ガーナの大統領Nana Akufo-Addoは発射に喝采を送りチームを直接労ったが、プロジェクトはガーナ政府の公式な支援を受けていない、とDamoahは語った。その代わりに、日本の国家宇宙機関であるJAXAが、衛星の開発のために大量のリソースと訓練を提供した。

GhanaSat-1の展開は、宇宙探査に向かうアフリカの関心と活動の高まりを示している。ナイジェリア初のCubeSatも、同じSpaceXのミッションで打ち上げられている。「南アフリカ、ナイジェリア、ケニア、そしてエチオピアなどの国が宇宙機関を持っています。アンゴラも来年に衛星を打ち上げる意向を発表しています」と、世界経済フォーラムのアフリカ代表、Elsie Kanzaは語った。

彼女はまた、アフリカ連合(AU)による(昨年採択された)アフリカ宇宙政策と戦略イニシアチブなどの、宇宙開発努力を調整する全アフリカの取り組みを紹介し、これによりアフリカ連合のメンバーたちが「アフリカにおける外宇宙プログラム(Outer space Programme)をAUの優先プログラムの1つとして認識した」と語った。

DamoahはGhanaSat-1の打ち上げ成功によって、 All Nations Universityと同国の宇宙科学技術センターが共同で推進する第2の衛星プロジェクトに足して、ガーナ政府の支援が提供されることを期待している。「今回の打上げ後、私たちは大統領と内閣からの支持は得ています」と述べた。「われわれは、違法な鉱業、水使用、森林破壊などのモニタリングを可能にできる、高解像度のカメラを備えたGhanaSat-2の開発を考えています」。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。