AR謎解きゲーム「サラと謎のハッカークラブ」運営のプレティアが資金調達ーー続編提供に向け加速

プレティア代表取締役CEO 牛尾湧氏

渋谷で開催中の新感覚AR謎解きゲーム「サラと謎のハッカークラブ」を提供するARスタートアップのプレティアは10月4日、インキュベイトファンド、Tokyo XR Startups、NHN CAPITALのほか、國光宏尚氏、佐藤裕介氏、塩田元規氏、吉田浩一郎氏ほか複数の個人投資家から資金調達したことを発表した。調達した額は非公開となっているが、資金をもとに同社は更なる高い顧客満足度を達成するため技術開発及びサービス改善に注力するという。

8月4日より開催されているサラと謎のハッカークラブはオリジナルアプリ「HACK PAD」を使って遊ぶAR謎解きゲームだ。プレイヤーたちは渋谷駅前の岡崎ビルに集合し、そこで注意事項などの説明を受けてから街へと繰り出し、90分間の制限時間内に数々の謎解きを攻略しクリアを目指す。

僕も一部体験させてもらったが、街中を歩くのは良い運動にもなるし、ヒントを使うことで初心者を含め誰でも気兼ねなくそのSFテーマの世界観を堪能することができる仕様となっている。1人で参加するも良し、友達や恋人と一緒にコミュニケーションを取りながら遊ぶのもきっと楽しいだろう。

ARゲームの開発に関してプレティア代表取締役CEOの牛尾湧氏は「なぜ僕たちがこの事業をやっているのか。ARの良いところは何もないところでも素敵なコンテンツを提供し人を集め、楽しんでもらうことができるからだ」と話した。「地方にはエンターテインメントが少なく、楽しめることがあまりない」が、ARゲームを使えば「今まで置けなかったところにも面白いコンテンツを置くことができる」(牛尾氏)

また、同氏は「1、2時間くらいの隙間時間で楽しむエンターテインメントとなると、映画、カフェ、飲み、などはあるが、あまりオルタナティブがない」とも説明。隙間時間で楽しむ娯楽は圧倒的に選択肢が少いため、同社のサラと謎のハッカークラブのようなARゲームは良いオルタナティブになり得るだろう。

「こういった隙間時間エンターテインメントを全国または世界中で開催することで、人と人との本質的に幸福なコミュニケーションを世界中に広げたい」(牛尾氏)

プレティアはARゲームと同時に独自のARバックエンド技術を「世界中のAR開発者に向けて開放」するため「ARクラウド」というプロダクトも開発している。これを使うことで「今までよりも更にAR、言い換えると面白い体験へのアクセスを多くの人に広めることができる」という。「コンテンツの民主化がしたいというのが僕たちの想いだ」(牛尾氏)

開催から約2ヵ月が経過したサラと謎のハッカークラブ。これまでにはNON STYLE井上裕介氏ら著名人もプライベートで参加するなど盛り上がりを見せている。開催は11月4日までと残りあと1ヵ月くらい。予約は公式サイトから可能で、料金は平日1290円、土日祝は1990円(それぞれ税込)。

調達した資金をゲーム・ARクラウドの開発とマーケティングチャンネルの開拓に使うという同社だが、「共に達成する喜びを世界中に届ける」というミッションのもと、今後、AR技術を更に進化させた謎解きゲーム第二弾(続編)の制作にも取り組んでいくという。牛尾氏は遠くない未来に海外進出することも既に視野にあると話していた。

「メルカリはアメリカで勝てないと世界では勝てないと言っている。僕も同じ思いだ」(牛尾氏)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。