DHLは、DHL Africa eShop事業対象国として新たに13マーケットを追加し、これで同社のeコマースプラットフォームのグローバル出荷はアフリカの34カ国に対応するようになった。
DHLは4月、Neiman MarcusやCartersなどアフリカの消費者に物を販売する米国と英国の販売業者200社以上にデジタル小売アプリの提供を始めた。
Africa eShopは、MallforAfrica.comが提供する自前のフルフィルメントサービスであるLink Commerceを利用している。MallforAfricaのモデル同様に、この提携によりAfrica eShopのユーザーはアプリのグローバルパートナーのウェブサイトから直接商品を購入することができる。
今回の対象マーケット拡大は、5月に9カ国が加わったのに続く動きだ。
DHLの動きは、Jumiaの大型IPO資金調達に代表されるように、アフリカのオンライン小売における目覚ましい発展を反映している。
今回Africa eShopが利用できるようになった国は、アンゴラ、ベニン、ブルキナファソ、ブルンジ、チャド、エチオピア、ギアナ、レソト、ナンビア、ニジェール、スーダン、トーゴ、ジンバブエの13カ国。
MallforAfricaのCEOであるChris Folayan (クリス・フォラヤン)氏は、Africa eShopが新たに展開される多くのマーケットにおけるオンライン販売の目新しさを指摘する。
「私たちはオンラインで買い物できる。たとえばMacy’sやAmazonなどで直接商品を購入できるが、今回Africa eShopが利用できるようになった国々の一部ではeコマースはさほど利用されていない」とTechCrunchに対し電話で語った。
支払い手段の選択肢には、ナイジェリアのPagaやケニアのM-Pesaのような地元のフィンテックが含まれる。DHLのAfrica eShopは、同社がすでにアフリカで築いている配達体制を、DHL Expressクーリエサービスを通じてテコ入れする。
さらに言うと、モバイル端末と銀行口座を持っているなら誰でも、例えばニジェールの人でもDHLのアプリを使ってMacys.comで買い物でき、デザイナーによるスニーカーからキッチン用品に至るまで、あらゆる商品を玄関先まで配達してもらえる。
Africa eShopはまた、初めての利用者を引きつけようとインセンティブを展開する考えだ。
「100の小売パートナーから5つのアイテムを購入すると送料は一律20ドルにするという販促を展開する。これにより、アフリカにおける配達とeコマースをDHLが主導していることを印象付けたい」。
TechCrunchが今春取り上げたように、MallforAfricaがプラットフォームをサポートしながらのDHLのサービス開始と拡大では、eコマースのユニコーンJumiaと競争を繰り広げることになる。
Jumiaはアフリカで最も知られるネット小売業者で、アフリカの14カ国で消費者小売とオンラインサービスを展開している。ラゴスに本社を置いている同社は今年4月にニューヨーク証券取引所でのIPOで2億ドル超を調達した。
DHLがAfrica eShopを立ち上げたのはJumiaが上場する前日のことで、その1週間後にサービス対象国を拡大した。
アフリカにおける消費支出は2025年までに2兆1000億ドルになると予想されていて(そのうちの10%がオンライン)、どのプラットフォームがその大部分をつかむことになるのか、にわかに話題となっている。
当然のことながら、どのプラットフォームが最大なのかという疑問がある。DHL Africa eShopは自らをアフリカ最大のオンラインショッピングプラットフォームとうたっている。一方で、SEC(米証券取引委員会)に提出したS-1書類の中でJumiaは「我々のプラットフォームはアフリカにおける最大のeコマースマーケットプレイスだと確信している」と記している。
アフリカのeコマース企業として最多の資金調達を行なった会社との今後の対決について、フォラヤン氏はいくぶん慎重だ。
「我々はJumiaの競合相手として知られているが、しかしある意味、我々の拡大と成長の結果、今後競争が展開されることになる」。
Alibabaはすでにアフリカでの事業拡大を明らかにしているが、今のところはフル展開していない。Amazonのアフリカでの販売は限定されている一方で、アフリカでAWSサービスを開始したことが知られている。
DHLとパートナーのMallforAfricaは今後数年内にAfrica eShopをアフリカの全54カ国で展開する計画だ。
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(翻訳:Mizoguchi)