明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
2019年はGoogleが検索結果を改善し続けている様子がわかる年でした。新年最初のコアアップデートも早速実施され、今年もWeb担当者としてはGoogleの動向から目が離せなくなる年になりそうです。
さて、今回はSearch Engine Landより、「ローカル検索から見るGoogleの今後」をテーマにした記事となります。Googleは今後どのような方向に進化を遂げていくのか。企業にとってGoogleはどのような存在になるのか。
文章が少し堅いのですが、一読の価値ありです。
最近、SparkToroブログにおいて、Mozの創設者であり、検索の第一人者であるランド・フィッシュキンは、「2020年、Googleが検索エンジンから競合他社に変わる年になる」と予測した。
ランド・フィッシュキンはWeb検索とゼロクリック検索に関するGoogleの独占状況を引用し、自身の主張を証明するために目を見張るほどの範囲の例を概説した。
Merriam Websterのような辞書サイトやGeniusのような歌詞サイト。あるいは、US NewsやFive Thirty EightのようなニュースサイトからExpediaやKayakのような旅行サイトまで。
レストランのレコメンド・天気・Celebrity Net Worthやビデオゲームなど、最近Googleが最近開発した機能の影響を受けているのは、考えられる限りほぼすべての業種である。
- 強調スニペット
- ナレッジパネル
- 垂直検索体験
- ゼロクリックトランザクション(Google上で予約)
- ファネルより下のトランザクション(Googleショッピング・Googleトラベル)
- カルーセル
- ローカルパック
これらのトレンドはすべて技術的及び戦略的に関連している。
技術的な関連からは、ナレッジグラフの構築と、Googleが検索で使用するほぼすべての機械学習の普遍性について彼らは話している。
フィッシュキンの主張に沿うのであれば、戦略的な観点からは、Googleは行動モチベーションを高める情報源や、すべての潜在的な情報源を余白に詰め込むことによって、ますます体験の中心を占めるようになっている。
このすべてがローカル検索にどのように影響するかについて、拡大する可能性が非常に高い方法に関するいくつかの考えを共有したいと思う。
私の感覚では、Googleは旅行からショッピング・レストラン・サービスなど、さまざまな業種での検索方法を注意深く見ている。
特に、昨年はローカル検索のセット機能を微調整しているが、場合によってはそれをもっと拡大し、より垂直化された検索体験を作成し、ユーザーの行動ファネルにおいてかつてないシェアを所有するだろう。
Googleは粘着性と競争に対する保護への終わりのないクエストに対抗して、ファネルの所有を部分的に進めたいと考えている。
言い換えれば、Googleは世界最高のローカル検索エンジンになりたいと考えているのだ。
Googleは一般的な市場を少なからず征服しているのは確かであるため、垂直化は順調なステップといえる。
しかし、Googleの動向はそれに留まらない。
検索エンジンが夢のような夢を超えて成功するシナリオにおいては、ニッチなマッチングサイトやディレクトリが単純に除外され、Googleだけが消費者と企業を結び付ける存在となる。
このトレンドの例をいくつか紹介しよう。
リテールショッピング(小売り)
これは時間の経過に伴う多くの微妙な変化が、Googleが過去に提供していたものとは異なる検索体験に融合したケースである。
現在、Googleは地域に関する明確な検索意図がなくとも、製品がその地域で購入できることを示す可能性がはるかに高くなっている。
同じ検索結果の下の方で、Googleはローカルパックをカスタマイズしてユーザーに提供していることがわかる。
例えば、Targetの最初のカテゴリは「おもちゃ屋(Toy Store)」に切り替えられている。
3つのリストはGoogleがWebサイトからデータをマイニングして関連性を判断しており、ビジネスサイドは明示的に配信する必要がないことを示している。
特に製品に関する検索では、Googleはここ数ヶ月、特定の検索クエリに一致する写真を表示するために、写真コンテンツの掘り出しとリストの表示変更にも重点的に取り組んでいる。
マイク・ブルメンタルの検証によれば、これは宝石を検索するときに特にうまくいくようだ。
以下の例では、Googleは各リストで利用可能な写真の中からイヤリングの写真を取り出し、ローカルパックに目立つように表示している。
3番目のリストでは、Googleは写真に他のアイテムが含まれていても、対象となるイヤリングの存在を通知できることがわかる。
ホテル
フィッシュキンも触れているが、ホテル検索が他のローカルカテゴリと比較して劇的に変化したため、ホテルをローカル文脈で具体的に議論する価値があると思う。
今年、ローカルパックは「ホテルパック」となった。
ローカルパックに似ているが、実際にはホテルパックは完全に異なる検索体験への入り口だ。
2018年後半に、Googleはホテル用のローカル検索の新バージョンを導入した。それには、より多くのフィルターと、9×9のリスティングが含まれていた。
それはすでになくなっており、今ではGoogle Travelのホテルセクションに置き換えられた。これにより、各ホテルで利用可能なプロフィール情報が大幅に拡張された。
ホテルのプロフィールのタブには、価格・レビュー・場所・概要・写真が含まれるようになった。
これには、Googleマイビジネスでこれまで利用可能であったものと比較して大幅に拡張されたアメニティのリスト、およびその地域でのおすすめ事項などのデータが含まれている(ホテルの近く・ビジネス・Googleユーザー・サードパーティソースからの写真)。
飲食店
これは長い特別な歴史を持つ分野だ。
Hotpotの時代や、検索中のレストランのプロフィールを上げて、レストランのおすすめを求めてYelpや他の場所に流れる可能性のあるトラフィックを獲得するために設計されたGoogleの実験を思い出すと、非常に長い歴史があることがわかる。
レストラン検索の人気を考えると、それは驚くことではない。Googleは当初から、現在の状況を見越して取り組んでいたに違いないだろう。
Search Engine Landのグレッグ・スターリンの調査によると、我々は消費者の84%が他のカテゴリーより多く、オンラインでレストランを探していることがわかった。
今日、レストランの検索は一般的な検索と劇的に異なっているわけではない。しかし、わかりやすい料理の写真など、いくつかの微妙な違いがある。
レストランのローカルパックには、レビュー・料理の種類・価格・時間・ロケーション履歴を参照するようGoogleに依頼できる「過去の訪問」といった特別なフィルターも含まれている。このフィルターを使用すると、訪れたことのあるレストラン、または訪れたことのないレストランのみを表示する。
さらに以下のDivine Thaiのリストにある「伝統的な食事のためのリラックススポット」などの説明は、Googleの編集チームの熱心な努力により、他のリストよりはるかに一般的である。
このため、レストラン検索は他のカテゴリー検索よりもはるかに推奨されているように見える。
サービス指向ビジネス
Googleは過去数年にわたり、Google保証の返金プログラムやGoogle Screenedライセンス検証サービスなど、ローカルサービス広告の新機能を着実に展開してきたが、この取り組みは半分しか実現していない。
これはおそらく、多くの業種がローカルサービス広告の対象から除外されているためである。
2019年に不動産業者・弁護士・ファイナンシャルプランナーが追加され、現在は約30のタイプの業種がリストとなっている。
(錠前や配管工・ペットグルーマー・写真家・ハウスクリーナー・害虫駆除)
ローカルサービス広告はアメリカのすべての地域で利用できるわけではないが、範囲は拡大している。
ローカルサービス広告のユーザー体験は、GoogleショッピングやGoogleトラベルと比較するとやや貧弱だ。「house cleaners anaheim ca」を検索すると、画面の上部に広告カルーセルが表示され、その下にローカルパックがトラフィックを奪い合っている。
Googleホテルと比較すると、広告を選択する明確なインセンティブはない。
ローカルサービス広告のインターフェイスを適切に入力してビジネスを選択すると、上記で共有したホテルの例よりもはるかに単純なプロフィールが表示される。
しかし、これがWebサイトに代わるものであるなら、特に印象的だとは感じない。
それでも、ローカルサービス広告の存在自体が、未来のホームアドバイザーになるというGoogleの関心を示している。
今後、Googleがより堅牢なサービスを提供し、それが飛躍することは予想が付く。そして、それは企業にとっては無料だ。
今日、サービス指向のビジネスは、広告費を払うか、もしくはGoogleマップとローカルパックにランク付けされるために、大企業と勝負しなければならない。
これが錠前屋・ガレージドアの設置者・弁護士などのサービス指向のカテゴリにスパムが並ぶ理由になっていることは、疑いの余地がないだろう。
Googleは次にどこへ向かうのだろうか
Googleが垂直化された体験を中心に構築している勢いを考えると、来年以降、Googleはさらに検索結果へ垂直性を追加し続ける可能性がある。
実際、最近のThink with Googleのレポートが、「Traditional industries are transforming with digital」というセクションで食料品・自動車・金融を具体的に示していることを考えると、これはGoogleの方向性を示唆しているのかもしれない。
過去2年において、「食料品アプリ」のモバイル検索が900%増加し、「電気自動車」のモバイル検索が85%増加し、「財務計画と管理」のモバイル検索が70%増加した。
これらは、Googleのようなデータドリブン型企業が新しい機能をどこに構築するかを決定する際に、確実に参照する種類の需要のシグナルである。
モバイル検索といえば、垂直化は、イノベーションの焦点としてデスクトップが実際にモバイルの前にあるという奇妙なケースだ。
例えば、Googleホテル検索のモバイルブラウザバージョンはデスクトップとほぼ同じだが、余分なタブが複数あり、検索体験としてはそれほど強力ではない。
また、ローカル検索が増加しているGoogleマップは、ホテル用の新しいインターフェイスに切り替えられておらず、アプリ内体験を統一する必要性に疑いの余地はないだろう。
Googleマップの人気の高まりに対して、Googleが、垂直化の優先順位をどのようにバランスさせるかは特に興味深いトピックだと思う。
Googleがユーザー体験の多くを占めるようになる、そんな未来を示唆した記事でした。
Googleは検索結果に独自のサービスを次々と追加しており、検索のプラットフォームから総合的なプラットフォームに移り変わっていくのは予想に難くないでしょう。「SEOのみに頼った集客は危険」とは言われ続けていることではありますが、今後はより一層そのような意識を持つ必要があります。
しかし、依然として有力なプラットフォームであることは確かです。Googleがさらに力をつけるなら、よりSEOの重要性は高まっていくでしょう。
SEOを含むマーケティングをどのように行っていくのか? 考え続けていく必要があると思わされる記事でした。
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