「TENET テネット」が米国に先立ち8月に世界70カ所で先行公開、新型コロナの感染が抑えられない米国は9月から

「TENET テネット」は、映画ファンが劇場に戻ってくる指標になることをずっと期待されてきた。Christopher Nolan(クリストファー・ノーラン)監督は大ヒットメーカーであり、最悪のパンデミックの中で観客を夢中にさせられる人がいるとすれば、おそらく彼だろう。そして実際に、この作品は一種のリトマス試験紙の役割を果たしたが、それはWarner Bros.(ワーナー・ブラザース)の望んでいたものではなかった。

度重なる延期を経て、Tenetの新たな公開日が決まった。ただし、最終公開日ではない。新型コロナウイルス(COVID-19)に教えられたことがあるとするなら、物事は常に悪くなりうるということだ。しかし今のところ、このミステリアスなSFスリラーはレイバーデー週末の9月3日に北米の一部都市で公開される予定だ。

しかし、なんと同作品は世界70カ所の国と地域で来月、8月に公開される。そこにはオーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、韓国、ロシア、英国などの名前がある。米国の映画館主が公開を熱望している一方、多くの主要都市の封鎖によって大々的な公開は現在でも許される状況ではない。一連の状況は、ウイルスの感染拡大を抑えきれない米国に対する一種の非難と見ることもできる。

Variety誌が指摘するように、世界同時公開はこの種のヒット作品では前例がないわけではないが、Tenetの魅力の大部分は作品のミステリー要素にある。そのため、これまでに公開された予告編でも意図的に内容がぼやかされていた。米国に先立つワールドワイドな公開が、海賊行為やネタバレ投稿によって作品のミステリー要素を奪ってしまうことはほぼ間違いない。

同じく近日公開予定の「ムーラン」と「クワイエット・プレイス PART II」も、最近再延期が決まった。

画像クレジット:Warner Bros.

原文へ
(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。