Facebookのスマートディスプレイ「Portal」がZoom搭載

Facebook(フェイスブック)のスマートディスプレイ、Portal(ポータル)は2018年に順調とはいえないスタートを切った。Facebookの管理するカメラをユーザーの居住空間にもちこむためには、プライバシー面で解決すべき問題が山ほどあることに当然会社は気づいていた。その後Facebookは、Portalのプライバシーとセキュリティー・ファーストを強調してきた。

そして最近同社は、友達や家族向けだけから、リモート会議へと手を広げ始めた。リモートワークが多くの会社で当たり前になり、これからもしばらく続きそうな今、鉄は熱いうちに打つは当然だ。

PortalでのビジネスをテーマにしたWorkplace(ワークプレース)の発表に続き、今日(米国時間8月19日)午前Facebookは、このスマートディスプレイにテレカンファレンス会社のトップ4からBlueJeans(現在はTechCrunchお親会社であるVerizon[ベライゾン]の一部)、GotoMeeting(ゴートゥーミーティング)、WebEx(ウェブエックス)、およびZoom(ズーム)のアプリが提供されることを発表した。Facebookは4つのアプリがこの日には提供されず、9月中に、Portal Mini、標準のPortal、およびPortal+向けに提供される。

Zoomにとっては特別な日になった。人気のリモート会議サービスは独自に発表を行い、Portalだけでなく、AmazonのEcho ShowとGoogleのNest Hub Maxにも “Zoom for Home” を提供することを公表した。ホーム・スマートスクリーンのハットトリックだ。Portal以外のプラットフォームには年末までにZoomがやってくる。

もちろん狙いは明確だ。Zoomは独自の テレビ会議家電を提供しているが、Y Combinator出身のSidekickなどのサードパーティー・ハードウェアメーカーも同様だ。専用ハードウェアによるソリューションで特に興味深いのは、「常時オン」のアプローチであり、実際の職場をよりよく模倣している。つまるところこの手のデバイスにとって重要なのは、ニューノーマルに合わせるか、少なくとも前進しているように見せることだ。

Facebookは、自社のデバイスを職場環境に合わせる方法をいろいろと研究しているところだと言っている。たとえば背景のカスタマイズやボカシを行う機能はWorkplaceに追加されるほかWebExやほかのアプリでも対応する。リビングでテレビ会議をやったことのある人なら、どれほどこの機能に救われるかわかるだろう。

もうひとつ興味深いのは、各社がこの種のデバイスの一括購入を企業向けに提供する計画があるかどうかだ。Facebookは現時点でその点に関して発表すべきことはないと言っているが、従来型のテレビ会議製品と
競争しようとしているなら、遠くない将来そういったしくみを提供することになっても驚きではない。その価値は企業がどれだけFacebook/Google/Amazonに信頼を置くつもりかによって当然変わってくる。

しかしパンデミックのいらいらが募るなか、遠方の社員を常時つないでおく方法として、この種のデバイスの魅力は増すばかりだ。

画像クレジット:Facebook

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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