暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2021年1月10日~1月16日の情報から。
ブロックチェーン技術などのテクノロジーを活用した業務プロセスのデジタル化を推進するLayerXは1月14日、代表的なエンタープライズ向けブロックチェーン基盤の分析結果について、同社独自のブロックチェーン基盤分析フレームワーク「LayerX Enterprise blockchain Analysis Framework」(LEAF。リーフ)とともに公開した。対象は、Corda、Hyperledger Fabric、Quorum。2020年6月公開の基本編に続くもので、今回はプライバシー編となっている。
同社によると、ブロックチェーンのエンタープライズにおけるユースケースは急速に増加しているという。複数組織間をまたがるデータ共有基盤としてのブロックチェーンの利用が進展しており、証券決済、サプライチェーン・ファイナンスクロスボーダー決済、トレーサビリティなど、国内外で多くの商用化事例が存在している。
ただ、ブロックチェーン基盤は基盤ごとに設計思想が異なる上、技術特性もそれに応じて変わってくるため、各基盤で充足可能なセキュリティ要件、適性のあるユースケース、プライバシーの要件、インターオペラビリティ実現の難易度には相違が見られるという。
そこで同社はLEAFを公開し、ユースケースに応じた基盤検討を行なう際の観点を明確化するとともに、各基盤の検討負荷を軽減し、ブロックチェーンの円滑な社会実装の推進に資することを目指すとしている。
また同社は、オープンソースソフトウェア(OSS)や先行するパブリックレポートなど、ブロックチェーンのコミュニティに蓄積されてきた優れた知見に基づきR&D活動に注力しており、LEAF公開を通じて中長期的にブロックチェーンコミュニティに貢献することも志向しているという。
LEAFプライバシー編
ブロックチェーン技術は、データの真正性を複数の組織間で担保し、検証可能な形で共有可能なものの、同時にすべてのデータが全組織で共有されてしまい、機密情報も共有されてしまうという課題がある。
そのためこの課題の解決手段として、プライバシー保護技術に関する研究が盛んに行われている。LEAFのプライバシー編では、エンタープライズ向けブロックチェーンにおけるプライバシー保護技術に着目し、プライバシー保護技術の分類、プライバシー保護技術の比較軸の提案、そしてCorda、Hyperledger Fabric、Quorumが備えるプライバシー保護技術の分析及び比較を行った。
LEAFプライバシー編で提案するトランザクションフローの分析はCorda、Hyperledger Fabric、Quorum以外のブロックチェーン基盤にも応用可能としている。
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