対話型AIを含む遠隔医療プラットフォームのConversa HealthがシリーズBを約21億円に増額

米オレゴン州ポートランドに拠点を置く、バーチャルケアおよびコミュニケーションプラットフォームを提供するConversa Healthは米国時間1月19日、シリーズBの資金調達ラウンドを1200万ドル(約12億4000万円)から2000万ドル(約20億7000万円)に増額したことを発表した。このラウンドは当初の発表のように、Builders VCとNorthwell Healthのベンチャー部門であるNorthwell Venturesが共同で主導している。その他の投資家には、University Hospitalsのベンチャー部門であるUH Ventures、VC企業のP5 Health Ventures、Epic Ventures、StartUp Health、Nassau Street Venturesのほか、今回の拡大ラウンドに新規投資家として参加したGenesis Merchant CapitalとJ-Venturesが含まれている。

ConversaのCEOであるMurray Brozinsky(マレー・ブロジンスキー)氏はこう語る。「特に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にともない、これはヘルスケアにおける2つの大きなトレンドですが、自動化とバーチャル化の必要性が認識されています。これらは地平線上にあったものが、新型コロナウイルスのおかげで地平線をもっと近くに引き寄せざるを得なくなり、医療システムは、患者にとってアクセスを可能にし、患者と医療提供者の経験を向上させ、より良い結果をより低コストで得るために必要になっていくと認識するようになりました」。

ブロジンスキー氏は、今後10年以内に、ケアの80%が遠隔で行われるようになると実際に考えている。これにより、よりパーソナライズされ科学的根拠に基づいたケアが可能になるが、自動化への投資も必要になるだろうという。

「Conversaは、プロバイダーのEHR(electronic health record、電子カルテ)やその他の患者データを、最高水準のインタラクティブなデジタルケア・パスウェイと臨床分析エンジンにリンクさせ、24時間365日体制でケアマネジメントを自動化します。これにより、訪問前から訪問後のケアプランのアドヒアランスが向上し、コストが削減され、患者にとってより良い結果が得られます」と、Builders VCのパートナーであり、Conversaの取締役であるMark Goldstein(マーク・ゴールドスタイン)氏は述べている。「Conversaのエンタープライズプラットフォームとデジタルパスウェイのライブラリは、単発のポイントソリューションとは対照的に、プロバイダーが患者の集団全体をケアするために使用されています。Conversaのサービスは、市場の大きなギャップを埋めてくれます」。

パンデミックを考慮すると、Conversaのビジネスが急成長したのも不思議ではない。多くの大企業がプラットフォームの使用を拡大しているため、同社のサービスの顧客数は4倍に増加し、財務指標は6倍に増加している。

同社チームは、この勢いに資本を投下するために、既存のシリーズ Bラウンドを拡大し、プラットフォームをスケールするため、より多くのエンジニアを採用することを決めた。ブロジンスキー氏は、パンデミックが終わった後もConversaのようなプラットフォームの必要性は残ると考えている。また、同社はすでに予防接種プログラムのサポートをサービス内で展開しており、消費者の教育を支援するだけでなく、予防接種を受けた後のモニタリング活動も支援している。

「医療機関から聞く話ではどこでも、高齢化が進む中心となる人口層をケアする必要が続くのは変わりませんから、深刻な医療従事者不足も含め、再びパンデミックが発生した場合に備えて準備をしておかねばならないと認識しているようです。」とブロジンスキー氏は語った。「そのため、システムやプラットフォームの必要性はさらに高まり、投資は追加コストというよりは、莫大なリターンとなります」。

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(翻訳:Dragonfly)

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TechCrunch Japan

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