クレジットカード業界がWebマーケティングで注力すべきこと

ナイルはこれまでに金融業界のWebマーケティング支援を多数手掛けてきました。なかでも特に注力してきたのが、クレジットカード業界です。

本記事では、クレジットカード業界でWebマーケティングを実施する際に知っておきたい知識を紹介すると共に、具体的にどのような戦略で臨めばいいのかについて解説します

この記事のポイント

  • クレジットカード業界とWebマーケティングは、ユーザーが自らWebでリサーチするため、相性がいい
  • Webマーケティングの方向性は、SEOやコンテンツマーケティングに取り組むことと独自の経済圏を築くことの2つになる
  • 銀行系クレジットカードはビッグワードを狙いたい、店舗提携カードは大型出費が見込める時期を意識したい

 

クレジットカード業界とWebマーケティングは相性がいい

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金融系商材であるクレジットカードとWebマーケティングは、非常に相性の良い組み合わせです。クレジットカードの申し込みを行う場合、多くのユーザーがWebで情報を集めるため、適切なWebマーケティングを実施することで、大きな成果が見込める可能性があります。

理由の一つは、クレジットカードはとにかく商品数が多いことが挙げられます。まず、クレジットカード会社の数が多いことに加えて、クレジットカード会社が発行する「プロパーカード」や、カード会社が企業と提携して発行する「提携カード」があります。さらに一般カード、ゴールドカード、プラチナカード、ブラックカードとランクもあります。そして、ユーザーのライフスタイルや、よく利用する店舗やECサイトなどによって、最適なクレジットカードが変わってきます。 つまり、自分にもっとも適してクレジットカードを手に入れるためには、ユーザー自身がしっかりリサーチをする必要があるのです。

もう一つの理由はユーザー心理があります。クレジットカードは「お金」に関するものなので、ユーザーには「損をしたくない」という心理が強く働きます。知識がないまま、うかつに手を出すと損をするかもしれないと思い、ユーザーは問い合わせや購入の前に、情報収集を行う傾向があります。しかし、クレジットカードの情報を収集するのは意外と大変です。テレビCMでは情報が少なすぎますし、書籍では逆に情報量が多すぎてピンポイントで知りたい情報にたどりつけません。

そこでユーザーが行うのが「Web検索」です。Webで検索すれば知りたい情報にすぐアクセスでき、手に入る情報の内容もテレビCMよりも詳細です。商品の種類が多く、お金に関することなので「損をしたくない」という気持ちが働く。これがクレジットカードとWebマーケティングの相性がいい理由です。

Webマーケティングを行っている金融系企業は少ない?

クレジットカードなど金融系商材とWebマーケティングは相性がいいと述べましたが、Webマーケティングといってもその手法はさまざまです。Web広告もあればコンテンツマーケティングやSEO施策もあります。

しかし、金融系企業の多くはWebマーケティングといっても、リスティング広告やアフィリエイトといったWeb広告のみを行っていることがほとんどです。ナイルでは、クレジットカード会社や保険会社からのお問い合わせを多数いただきますが、そうした企業さまの多くは、LPを作成してWeb広告を掲出するというWebマーケティングしか実施されていない傾向があります。

多くの金融系企業では、広告費として年間に億単位の費用を使っています。仮にリスティング広告に月々2000万円を支払っているとした場合、年間の費用は2億4000万円。アフィリエイトに月5000万円を支払っているなら年間の費用は6億円となります。

もちろん、これらの費用はユーザーの獲得コストとして見合ったもので、Web広告も重要なWebマーケティング施策の一つですから、引き続き力を入れることは重要です。

しかし、これらの予算のたった1%でもいいので、自然検索流入やサイト内導線の改善といったSEO施策に充てることもご検討いただきたいと思います。こうした施策は一度成果が出ると、費用を少しずつ減らしても成果を維持できる可能性があります。SEOは将来への投資として非常に有効なWebマーケティング施策なのです。

クレジットカード業界のWebマーケティング2つの方向性

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クレジットカード業界のWebマーケティングの方向性としては大きく2つあります。

まず、サービスサイト以外のサイトを立ち上げ、SEOやコンテンツマーケティングに取り組むのも有効なマーケティング施策です。SEOはクレジットカードとの相性が良く、どのカードを契約するか迷っている潜在顧客を取り込むことが期待できます。

もう一つの施策は、独自の経済圏を築いていくという方向性です。ECやアプリで還元されたポイントを使えるようにするなど、その他のサービスとの連携が問われるため、企業によって向き不向きはありますが、実施できるのであれば強力な施策といえます。

クレジットカード業界の具体的なWebマーケティング施策

ここからはさらに、銀行系クレジットカードと店舗提携カードについて、具体的なWebマーケティング施策の考え方を確認していきましょう。

 

銀行系クレジットカードの考え方

銀行系のクレジットカードであれば、「クレジットカード」に「はじめて」「学生」「社会人」といった単語をかけあわせたキーワードを狙ってSEO対策を実施するのが有効です。銀行系はすでにドメインが強力なので、ビッグキーワードでも戦うことができるのです。

また、コンテンツ制作に関しては、検索で訪れたユーザーの疑問を解消するために、社内の専門家に取材をしてきちんと自社の言葉で記事をつくっていけるといいでしょう。社外のライターがWebの情報を集めて書いた記事も見かけますが、つぎはぎの記事ではなかなか検索ユーザーの疑問にずばり回答できる内容になりません。また、クレジットカードの情報は難解な内容も多いので、Webの記事を参照して作成すると一種の伝言ゲームになってしまい、誤解を招く恐れもあります。

オリジナルの文章で、読者の疑問を解消できる記事を作成することで、Googleの評価が高まり、上位表示が期待できるでしょう。

 

店舗提携カードの考え方

百貨店やECサイトといった店舗と提携したクレジットカードの場合、大型出費が見込める時期がチャンスになります。百貨店やECサイトが発行しているクレジットカードは、ポイント還元率こそ高いものの、なかなか作成してもらうことができません。カードをつくることを面倒だと感じるユーザーが多いですし、すでにメインカードを持っている場合、複数のカードを持つことになって管理が煩わしいと感じるユーザーも多いからです。

そこでクレジットカードを契約して受けられる待遇や貯まるポイントが、「契約する手間」を上回っていることを、コンテンツ作成などでしっかり伝える必要があります。「○万円も使うなら、もっとポイントの貯まるカードで支払ったほうがお得かも」とユーザーに考えてもらうのです。

また、「指名検索」(会社や商品サービスの名前で直接検索すること)を確実に押さえることも、コンバージョンを増やすうえで重要な施策です。指名検索してくれるユーザーは、そのまま自社のクレジットカードに興味を持ってくれている状態です。ていねいに情報をまとめたコンテンツを提供することで、検索したユーザーが申し込んでくれる可能性が高いといえます。

自社のクレジットカードの名前で検索したときに、自社サイトよりもアフィリエイトサイトが上位に表示されることがありますが、これはコンバージョンやブランディングの観点からあまり好ましい状況ではありません。せめて重要な指名検索では1位表示されるように、titleタグや記事の中身、内部リンクなどのSEO施策に取り組む必要があるでしょう。

SEOに予算・リソースを割けない場合、「指名検索」だけは押さえましょう

 

Webマーケティング施策でユーザー獲得につなげる

クレジットカードはWebマーケティングと非常に好相性な商材ですが、多くのクレジットカード会社はWeb広告が中心で、それ以外のWebマーケティング施策が不十分です。SEOやコンテンツ制作など、Web広告に比べればはるかに低予算で実施できるWebマーケティング施策を行うことで、より効率よくユーザー獲得につなげることが期待できるでしょう。

 

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記事監修

寺田 祐也(てらだ ゆうや)

川野 紗和穂(かわの さわほ)

クレジットカード業界がWebマーケティングで注力すべきことナイル株式会社 - ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。

人材業界のWebマーケティングで気をつけたいSEOの考え方

人材業界は、景気や社会情勢の変化に影響されやすい市場でもあり、人材獲得競争を勝ち抜くには優れたWebマーケティング施策が不可欠だといえます。

ナイルではさまざまな業界のWebマーケティング支援を行っています。今回は、人材業界において、Webマーケティングで気をつけたい「SEOの考え方」について解説します。

 

この記事のポイント

  • 求人サイトのSEO対策は上位サイトを中心に熾烈な競争下にある
  • 膨大なページに優先順位をつけてクローリングさせるページを決めることが必要
  • 社内理解を得て求人数を確保した上で、コンテンツのオリジナリティを追求する

 

求人サイトのSEO施策は難易度が高い

 

まずは、人材業界のビジネスモデルを確認しておくと、「求人媒体」「人材紹介」「人材派遣」の大きく3つがあります。

 

  • 求人媒体…企業の求人情報をWebや紙面に掲載して求職者を募る
  • 人材紹介…求人企業に求職者を紹介する成功報酬型ビジネスモデル
  • 人材派遣…自社に登録した人材を企業のニーズに応じて派遣する

 

今回のコラムでは、Webの「求人媒体(求人サイト)」を扱います。人材業界は、正規雇用と非正規雇用で分けて考えられることが多いですが、求人媒体で見ると、すべての雇用形態を網羅した「総合求人サイト」から、アルバイトや人材派遣・人材紹介など「テーマを絞ったサイト」まで幅広く存在しています。

 

求人サイトのSEO対策は、上位サイトを中心に熾烈な競争下にあります。情報量とユーザー数で圧倒的な優位にある大手のサイトはSEOに非常に強く、後発サイトが3ヵ月、半年、といった短期間で追い抜くのは非常に困難と言わざるを得ません。そのため、以下の点をWebマーケティングの担当者がしっかり理解し、腰を据えて取り組むことが大切です。

  • 短期間で成果を出すのは難しく、1、2年かかることも珍しくない
  • 大手サイトに追いつき、追い抜くのは難易度が高い
  • 取り組みが長期化することを踏まえて、施策を考える必要がある

 

人材業界におけるSEO施策の流れ

 

では、具体的な人材業界のSEO施策について確認していきましょう。大きく2つのSEO施策を意識することをおすすめします。

 

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①ページに優先順位をつけて効果的なクローリングを目指す

1つの職種に対する求人の募集対象地域を限定せず全国に展開した場合、ページ数が一気に増えます。

例えば、「マーケティング担当者」の求人を全国に展開すると、エリア、職種・業界、条件で掛け合わせると、一覧で表示されるページ数はゆうに1,000万を超えるでしょう。ところが、検索エンジン上の情報を巡回して認識するクローラーが1日にクローリングする件数はそれほど多くありません。100万件を超えてクローリングすることはほとんどないのです。

効果的にクローリングさせるため、次に挙げるような観点からページに優先順位をつけるべきです。

  • どこを起点にクローリングさせるか
  • クローラーに評価させたい重要なページ、よく更新されるページはどこか
  • ハブになっているページはどこか

トップページから求人の詳細ページまでの導線設計を行って、内部リンクとXMLサイトマップを活用してクローリングを効率化しておきましょう。

 

②関係する他部署を巻き込む体制をつくる

求人情報のデータベース部分は、違う企業だとしても業界や職種の類似点が多く、どうしても同じような内容になりがちです。他社と差別化するには、企業側に追加情報を依頼するか、求人サイト側が企業にヒアリングするか、いずれかの方法で記事系のコンテンツを追加し、独自色をプラスすることをおすすめします。

後者の場合、クライアントとの折衝は営業が担当するケースが多いため、マーケティング担当者と営業担当者がしっかり連携できる体制を整えたいところです。「なぜやるのか」「やる価値はどこにあるのか」という目的意識を共有できるといいでしょう。

事業部や部署の間が縦割りになっている組織では、WebマーケティングやSEO施策の取り組みについて、部門を横断した横串のプロジェクトとして展開できるのが理想的です。他部署を巻き込める雰囲気づくり、体制づくりから取り組む必要があるでしょう。

ユーザーに求められる求人サイトとは?

では、求人サイトで成果を出すためには、具体的にどうすればいいのでしょうか。「ユーザーが求める情報を網羅する」「求人情報のオリジナリティを追求する」といった2つのポイントを押さえる必要があります。

ユーザーが求める情報を網羅する

ユーザーの期待を裏切らないためには、求人サイトの情報を充実させる必要があります。ユーザーが条件検索したときに、興味のある求人情報がヒットすることが重要です。そのために、さまざまな業界・職種の求人情報を増やさないといけません。

営業にリソースを割いて新規案件の獲得を増やす、キュレーションサイトのように情報を集めてくる仕組みを取り入れる、といった方法が考えられます。ターゲットとその検索軸に沿った十分な案件数を担保しましょう。

求人情報のオリジナリティを追求する

検索ボリュームが多い「東京都 求人」「品川区 求人」といったエリアワードでは、上位サイトに勝つことができません。Web上に掲載されている求人情報を検索してまとめる方法でも、太刀打ちできないでしょう。

しかし、後発のサイトは、すべての分野で先行サイトに勝つ必要はありません。業界や職種を絞るといったように、ターゲットの検索軸にあった求人数を担保してみてもいいでしょう。そこから、徹底してオリジナリティを追求し、ニッチ化することでシェアの確立を目指しましょう。

ただし、費用対効果を考えたとき、Webマーケティングよりも広告費にコストをかけ、営業力を強化することに注力すべきケースもあります。後発のまだそれほど集客力がないサイトで、成約課金で実績を出しながら少しずつ掲載課金にしていくビジネスモデルの場合、SEOにこだわらず広告やリスティングから成約につなげることを意識してもいいでしょう。

インハウスか?アウトソースか?気をつけること

人材業界の場合は、自社にWebマーケティングの部署があっても、コンサルティングが入るケースが多く、インハウスのみで進めるケースはほとんどありません。自社だけでは最新情報のキャッチアップに限界があるほか、ノウハウ不足でデータベースの実装に失敗する懸念があるからです。

基本的には自社組織でWebマーケティングの指標を持って取り組みつつ、自社のリニューアルの際の監修や全体設計、コンテンツ制作のリソース部分などをアウトソースするケースが多いでしょう。

SEOをアウトソースで進める場合は、パートナーになるコンサル会社と目標やゴールを確実に共有しておきましょう。営業部との関係性やWebの運用体制、営業体制など、社内の体制をコンサル側にインストールしておくと、施策の方向性が明確になりやすく、実装までがスムーズです。

あわせて、競合サイトの情報、およびGoogle検索から無料で求人を検索できる「しごと検索(旧Google for Jobs)」に表示されているデータの収集を進めておきましょう。

求人数の確保とオリジナリティの追求がカギ!

求人サイトのWebマーケティングは、求人数を確保した上でオリジナリティを追求し、確実なSEO対策でシェアを獲得する流れが基本です。ノウハウやリソースが不足している場合はもちろん、リニューアルの方向性やリニューアル後のSEOに不安がある際は、コンサル会社をディスカッションパートナーにして最善策を探りましょう。

 

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人材業界のWebマーケティングで気をつけたいSEOの考え方ナイル株式会社 - ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。

ソフトウェア業界のWebマーケティングで気をつけたいSEOの考え方

IT企業だけでなくさまざまな業種において、ソフトウェアを活用したサービス提供型・価値提供型のビジネスモデルへと舵を切っています。

ナイルではさまざまな業界のWebマーケティング支援を行っています。今回は、会計ソフトや経理ソフトなどを提供するソフトウェア業界において、Webマーケティングで気をつけたい「SEOの考え方」について解説します。

この記事のポイント

  • ソフトウェア業界の企業の場合、コスト面と機能面における優位性をわかりやすく示す必要がある
  • 指名検索を確実に取り、コンバージョンの起点となるキーワードを取ることが基本
  • 自社サービスのメリットを、サービスページで明確に伝える

 

ソフトウェア業界のSEO施策のポイント

「ソフトウェア」は、パソコンの内部で機能するプログラムや関連するファイルを指す言葉です。

ソフトウェアの機能をクラウド上で提供するSaaSの台頭によって、自社にとって最適なソフトウェアを模索するユーザーの選択肢は一気に増えました。アプローチから契約に至るまでのリード期間が長いという特徴を踏まえて、ソフトウェア業界では次の点に留意してSEO対策を進めることが重要です。

  • コスト面と機能面における優位性をわかりやすく示す
  • 潜在顧客を広く獲得し、長期的に接点を持って、見込み顧客へと育成する

ソフトウェア業界におけるSEO対策の流れ

ソフトウェア業界におけるSEO対策について、流れを確認しておきましょう。

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①指名検索の対応を行う

指名検索は、ほかの検索流入よりコンバージョンにつながりやすいこと、指名検索をするユーザーは興味関心や購買意欲が高い傾向にあることから、取りこぼさないようしっかり対策することが重要です。指名検索に対応するページの多くは、TOPページや製品ページになります。

ビジネス向けソフトウェアでは、顧客管理システム(CRM)や経費精算など、サービスごとの比較サイトが数多く存在しています。加えて、販売をパートナー企業に委託している企業も少なくないため、直接的なサービス名や会社名などを含めた検索キーワード「指名検索」をおろそかにするケースが目立ちます。

②コンバージョンの起点となるキーワードを取る

いわゆる「会計ソフト」といったビッグキーワードは、検索される回数が多い分競合が多いため、対策には時間とお金をかける必要があります。難易度の高さを考えると、コンバージョンの起点となるキーワードをしっかり取りにいくことを優先するといいでしょう。

例えば、「経費精算 効率化」「経費精算 時間がかかる」「帳簿作成 短縮」といったキーワードが、コンバージョンの起点となり得ます。オウンドメディアやサイトで記事を作ることで、ユーザーになり得る人との接点を作っていきましょう。

また、比較サイトの対策も効果的です。ソフトウェアは使った人でないとその価値がわからないため、比較サイトの情報価値が高くなります。ソフトウェア導入の検討段階で、比較サイトに接することが想定されるので、比較サイトの自社サービスの内容を充実させるために、比較サイトの運営にアプローチして情報提供してみてもいいでしょう。

ビッグキーワードを取るために対応すべきこと

キーワード対策として、「指名検索」「コンバージョンの起点となるキーワード」を押さえたのちに、ビッグキーワードの取り組みとなります。ここからは、ビッグキーワードを取るために、記事で対応すべきこと、製品ページで対応すべきことについて、詳しく解説していきます。

記事で対応する

検索からの流入を増やすために、「会計ソフト」「経理ソフト」といったビッグワードを選定し、そのキーワードを折り込みながらオウンドメディアやサイトで記事を制作します。

重要なのは、あくまでもユーザーニーズをベースにした記事コンテンツであること。ユーザーに「知りたい情報だった」と感じてもらい、結果的に商品への訴求が高まるような記事を増やしていきましょう。記事をアップして終わりではなく、検索順位を見ながら記事のチューニングを続けることも大切です。

製品ページで対応する

記事ページでの対応に比べて難易度は高めですが、製品ページでの対応も検討してみましょう。取りたいビッグワードの検索結果を確認して、記事ページではなく、製品ページが出ていれば、製品ページでの検索上位が狙える可能性があります。また、1つの特化した機能に関するビッグワードを取ることを目標にしてもいいでしょう。

例えば「会計ソフト」で検索した人に対して、その意図に即している製品ページに速やかに誘導できれば、コンバージョンにつながるだけではなく、自社のブランディングにもなります。

ここで注意したいのは、SEOとグロースハック、両方の観点を導入していると、理想とするゴールにズレが生じる可能性があること。グロースハックは、ユーザーの動向を見て、自社サービスの機能や設計を変更し、自動的かつ永続的に拡散・成長する仕組みを組み込むもの。SEOとは目的が異なるため、SEOの観点から作成したテキストによって、グロースハックの観点から最適な場所に設定したボタンの位置が下がってしまうといった事態が起こり得ます。どちらを優先すべきか検討し、整合性を取る必要があるでしょう。

優先して対応しておきたいWebマーケティング施策

Webマーケティングのうち、SEO対策で重視したい施策をご紹介しましたが、ほかにも優先的に対応しておきたいWebマーケティング施策について解説していきます。

オウンドメディアで製品やサービスの情報をプッシュする

オウンドメディアをボランティア的な情報発信ツールに留めてはいけません。訪れた人に製品やサービスの情報を積極的に紹介します。オウンドメディアの記事内に、バナーを置くのも効果的です。ナイルがコンサルティングに入った企業では、バナーの設置・最適化により1年でコンバージョン率が3.4倍伸びた例もあります。

ソフトウェア業界の例ではありませんが、弊社でも「ナイルのSEO相談室」では、記事内に以下のような資料ダウンロードのバナーを設置しています。

バナー

リード期間を見越して顧客をナーチャリングする

ソフトウェアは、顧客と接点を持ってから実際に契約に至るまでのリード期間が長いという特徴があります。そこで、SEOで集客を強めることと並行して、見込み顧客を増やし、増やした見込み顧客を直近顧客へとナーチャリングする仕組みを作る必要があります。

集客したユーザーの興味を引くホワイトペーパーを用意し、ダウンロードしたユーザーとメルマガを通じて継続的に接触して、ニーズの変化を見極めて商談につなげていくのがスタンダードな手法です。

あらゆるレベルのユーザーをフォローする導線を設計する

サービスページに来るユーザーを目的別に分類して、あらゆるレベルのユーザーをフォローできる導線を用意しておくことをおすすめします。

形のないソフトウェアは、サービスページでの訴求が難しく、どうしても説明が煩雑になりがちです。ある程度、知識があるユーザーならすぐに理解できても、そこまで詳しくないユーザーは離れてしまうかもしれません。また、SEOで流入してきたユーザーの中には、すでにサービスを利用しているユーザーも含まれている可能性があります。

  • 製品やサービスの存在自体は知っていて、「具体的に何ができるのか知りたい」「どういうものが自社に合っているか調べている」人
  • 最初から「興味があるので資料をダウンロードしたい」人
  • サービスのユーザー

 

サービスのユーザーが多い場合、セッション数は増えても求めるコンバージョンには結びつかない可能性があるので、別の導線を用意して、専用ページに誘導するといいでしょう。サービスの性質上、操作画面が出しにくいなどの制限がある中で、初心者にわかりやすくメリットを伝えるには、最初に見るべきインデックスを提示したり、視覚的に短時間で理解を促す動画コンテンツを置いたりすると効果的です。

コンバージョンに近い施策にフォーカスしよう

マーケティング担当者のリソースがどうしても足りないときは、コンバージョンに近い施策だけにフォーカスして、確実に実行していきましょう。それすらも手が回らない、という場合は、必要に応じてリソースを増やすことも考えなくてはなりません。

ナイルでは、誰が見ても実装につながるようなわかりやすい資料提供でリソース不足をフォローしたり、企業の担当者が目標として持っている数字を共有して認識を合わせたりするほか、SEOだけでなく分析をセットにすることでより効果を高める提案を行っています。

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SaaS企業がWebマーケティングでやるべきこと

近年、ソフトウェアの導入シーンでよく耳にするようになった「SaaS(サース)」。SaaS市場には、スタートアップを中心に多くの企業が参入し、BtoB、BtoCを問わずあらゆる領域がレッドオーシャンとなっています。

ナイルではさまざまな業界のWebマーケティング支援を行っていますが、今回はSaaS企業のマーケティング施策について、コンサルタントの経験をもとにして解説していきます。

この記事のポイント

  • SaaS企業の場合、潜在顧客に認知させてホットリードに育てることが必要になる
  • SEOコンテンツで集客し、ホワイトペーパーを用意することがおすすめ
  • SEO対策は、コンバージョンに近いキーワードや指名検索を押さえよう

 

SaaSとは?

この記事を読むのは、SaaS業界でWeb集客に悩んでいる方だと思いますが、まずは簡単にSaaSについて解説します。

SaaSとは「Software as a Service」の略で、「モノ」を提供するのではなく、その機能性だけをクラウドから「サービス」として提供するソフトウェアを指す言葉です。身近なSaaSの例としては、GmailやPhotoshop、Salesforceなどがあります。

SaaSの登場で、ソフトウェアは「所有するもの」から「利用するもの」に変わりました。ビジネスモデルも、売り切り型から「ストック型のサブスクリプションモデル」へとシフトしたのです。

SaaS企業におけるWebマーケティングのポイント

それでは、SaaS企業におけるWebマーケティングのポイントを確認していきましょう。

サブスクリプションモデルであるSaaSの場合、定額課金になりますので、顧客層が広がれば、安定した収益が見込めます。

しかし、導入するまでに情報収集や検討などが必要で一定の時間がかかること、多かれ少なかれ解約が発生することから、収益化が難しい側面もあります。

そのため、SaaS企業は次の2点を意識しなくてはなりません。

  • 潜在顧客の認知度を向上させて、見込み顧客をホットリードに育てて契約数を増やす
  • 継続的な価値提供を行うことで、既存顧客の満足度を高めて解約を抑え、LTV(生涯顧客価値)の最大化を図る

上記を踏まえて、SaaS企業によるWebマーケティングは、「オウンドメディアでSEOコンテンツを作って集客を行う」「ホワイトペーパーを用意する」といった施策を中心にするといいでしょう。それぞれ詳しく解説していきます。

SaaS

1.オウンドメディアでSEOコンテンツを作って集客する

SaaS企業にとって、オウンドメディア施策は相性がいいといえます。オウンドメディアで、潜在顧客の課題を解決するコンテンツを発信することで、間接的に自社の製品・サービスを認知してもらえるからです。

BtoBサービスの場合、MAツールを導入して顧客管理をしている企業も多いと思いますので、ターゲットを分析して、妄想ではなくデータにもとづいたペルソナを設定するといいでしょう。そのペルソナが検索したキーワードで、SEOを踏まえた良質なコンテンツを作ることで、潜在顧客に広く働きかけることができます。

良質なコンテンツは、営業マンの代わりになってくれます。信用できる情報を提供することで、潜在顧客の社内共有が容易になり、検討が前に進みやすくなります。良質なコンテンツが、SaaS導入への説得材料になりえるのです。

また、オウンドメディアのために、新たにドメインを取得しなくても、自社サイトにブログ機能を備えてもいいでしょう。立ち上げに負荷をかけずに、スタートできます。

2.ホワイトペーパーを用意して見込み顧客へと育てる

オウンドメディアのコンテンツを通じて、自社の製品やサービスに興味を持った潜在顧客に向けて、ホワイトペーパーを用意します。ホワイトペーパーをダウンロードした顧客に的を絞ってアプローチすることで、潜在顧客を顕在顧客へ、顕在顧客を見込み顧客へと育てていくことができます。

まれに「無料トライアル」の導入を、Webでのコンバージョンとして重視している企業もありますが、たとえ無料であっても、BtoBサービスの場合、担当者の意思だけで申し込みにまでは至らないケースが多いでしょう。なぜなら、BtoBサービスは、担当者が上司や社内の承認を得なければ、導入を決定できないからです。

そのため、顧客の連絡先の入手につながるハードルの低いコンバージョンを設定する必要があります。ホワイトペーパーのダウンロードでは、社名、氏名、電話番号、メール、役職といったような基本的な情報を入力してもらえる設定にすることをおすすめします。予算、導入時期といった情報は、社内確認が必要になるので、このタイミングでは除外してもいいでしょう。

ちなみに、SaaSはパッケージ化されたクラウドサービスであり、ほかのITサービスと比べるとサービス内容がシンプルなので、フロントセールスを介さずに契約を獲得するケースもあります。その場合は、電話やメールで無料トライアルを案内し、受注につなげていくインサイドセールスが活躍します。

一般的なSEOは、Webで集客からお問い合わせまでを担いますが、SaaS企業の場合、お問い合わせの獲得部分をインサイドセールスが代わって担うこともあります。

よって、インサイドセールスが架電するための情報を集める資料ダウンロードやセミナー申し込みが、SaaSのWebサイトにおけるコンバージョンにしてもいいでしょう。

SaaS企業のSEO対策

SaaS企業のSEO対策は、「次のアクションに何をつなげるか」を踏まえて検討することが重要です。前述した潜在的なキーワードで広く集客し、ホワイトペーパーにつなげて、見込みの確度を上げていく方法がありますが、サービスや製品に対する認知度や関心が薄い潜在層を広く取り込みたいのであれば、やるべきSEO対策は2つあります。

コンバージョンに近いキーワードを押さえておく

BtoB、BtoCのいずれにおいてもいえることですが、「サービス導入を検討中で、できるだけ早く話を聞きたい」「すぐにでもサービスを導入したい」というコンバージョンに最も近い顧客を想定したキーワードはしっかり押さえておきたいところです。

営業の業務プロセスを自動化するSFAの導入を検討している層を集客したいなら、SFAを絡めたキーワードを取りにいきましょう。ただ、このようなコンバージョンに近い層は、これまでのコンサルティングの経験からいえば、全体の3割ほどに過ぎません。

もう少し潜在層に向けて考えると、その商材で解決できる課題をユーザーが感じているタイミングで、接触できたほうがいいでしょう。例えば、「営業のステータス管理」「営業メンバー内の情報共有」について、課題や悩みを解決するコンテンツを作ることで、間接的にSFAツールを知ってもらうきっかけを作ります。

また、このような記事を作っていくことで、「営業の課題で検索すると、いつもこのサイトにたどり着くな」と思ってもらうことで、コンバージョンに近づくこともありえます。

指名検索ワードを押さえておく

SEOに予算やリソースを割けない場合は、「指名検索」は必ず対策しておきましょう。指名検索は、「ナイル」「ナイル SEO」のように、直接的なサービス名や会社名を含む検索ワードのことです。

指名検索を行うのは、よりコンバージョンに近い顧客である可能性が高いため、検索したときに適切な情報を提供しないと、大きな機会損失になります。検索ボリュームが低いからといって疎かにせず、しっかり対策して確実に集客につなげましょう。

SaaS企業が作るべきコンテンツとは?

では、SaaS企業では、具体的にどのようなコンテンツを作るべきなのでしょうか。

前提としてフェーズによって、適切なコンテンツが必要になります。これからSaaSの導入を考えているならば、「サービスを導入することで変化すること」といったコンテンツを作ることで、SaaS導入をうながすことができるでしょう。

SaaSを比較検討しているタイミングならば、競合とのサービス内容や費用などを比較できるコンテンツを作るといいでしょう。営業資料として使っているものをWebコンテンツとして転換する作り方もあります。

ただし、料金や導入事例、導入の手続きといった「接客コンテンツ」は、どうしてもテキストや図解では理解しにくく、結局のところ人が伝えなければわからない可能性があります。接客はインサイドセールスに一任して、「集客コンテンツ」の制作に注力してもいいでしょう。また、自社サービスの特徴やメリットが伝わる動画を作成するなど、コンテンツ内容を工夫することをおすすめします。

まとめ

SaaS企業のWebマーケティングでは、フェーズに合わせた適切なコンテンツ作りが重要です。ホワイトペーパーも活用しながら、見込み顧客をホットリードに育てて契約数を増やすことを目指していきましょう。

 

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ワークマンファンのコンサルタントがワークマンのWebマーケティングの魅力を語る

作業着やアウトドアウェアなど高機能な商品が驚くような低価格で購入できるとあって、その認知は屋外作業着ユーザーのみならず、多くの一般層に拡大しているワークマン。

なんとあの有名女性誌「Cancam」で特集を組まれるほど、性別を問わずさまざまな方たちから人気を集めています。

今回はWebマーケティングのコンサルタントとしてワークマンのマーケティングから学ぶことがあったので、それをまとめるとともに今年オープンしたばかりのECサイトにWebマーケティング(SEO)施策をご提案していきます。(本記事はワークマンさんに掲載許可をいただいています)

この記事のポイント

  • 自社サービス、自社商品のファンを大切にしながら、事業を成長させていくヒント
  • プラットフォームから抜けて自社ECサイトを立ち上げる場合は、自社ECサイトならではのユーザーメリットがあるのかを考えること

 

ワークマンが楽天市場から撤退し、独自のオンラインストアを立ち上げた背景

まずはじめに、ワークマンオンラインストアの背景からお伝えします。

2020年2月末、それまで出店していた楽天市場を撤退し、3月16日、ワークマンは自社独自のオンラインストアをオープンしました。配送方法は従来の配送方法の他に、店頭受け取り(クリック&コレクト)を採用しているのが特長です。

2020年7月末時点で全国に880店舗(ワークマンワークマンプラス合計)ある既存店舗を活用することで、送料無料を実現しています。低価格で商品を提供することに拘るワークマンらしい取り組みで、実際店頭で受け取るユーザーの方が多いそうです。

 

ユーザーメリット

・配送手段を自宅受け取りと店舗受け取りから選べる(店舗受け取りは配送料無料)

・店舗に在庫があれば最短3時間で受け取り可能。

・店舗在庫情報も公開しており、取り置きすれば直接店舗で商品を確認して購入が可能。

 

ワークマンの楽天撤退は大きなニュースになり、さまざまなメディアで取り上げられています。

現代は商品だけ良ければ売れるわけではない

社内でも私服はよくワークマンで買っているという人もいます。

ここまでワークマンが注目を集めている要因は、高機能なのに低価格な製品力だけではありません。現代のマーケティングは商品だけがよくても、なかなか売れ続けるのは難しいのです。

そこで今回はワークマンのマーケティング(主に情報発信)に重きをおいて解説していきます。現在ECサイトを運営している方や、今後プラットフォームを抜けてECサイト運営を考えている方に、なにかヒントになれば幸いです。

ワークマン 店頭 シューズ

自社商品のファンを大切にしよう

字面だけ見ると当たり前のことを書いているようにみえますが、ファンを大切にすることをやり切っている企業はどれほどあるでしょうか。

ワークマンには公式アンバサダーというポジションがあり現在20名の方が活躍されています。アンバサダーとは、ワークマンのコアユーザーでブログやyoutube、SNSなどで日常的に情報発信しているブロガーの中からワークマンが公式に認定された方々です。

ワークマンも公式に「アンバサダ―マーケティングを強化する」と発表していました。

 

アンバサダーはワークマンの商品開発から参加し、ユーザー視点でのアドバイスを行ったり、SNS上で新商品情報を発信するなど、マーケティング面で大きく活躍されています。

ワークマンのオンラインストアでもアンバサダーの方が日々ブログコンテンツを更新されています。

 

▼ワークマンアンバサダーのうち、二名がワークマンブログを執筆しています

ワークマン アンバサダー

また、アンバサダーだけでなく、コアなファンによる情報発信もSNSやyoutubeで日々盛んに行われています。

 

まずはリピーターにお礼を伝えるところから

『ファンベース』という有名な書籍があります。

なぜファンを大切にすることが重要なのか?それは『ファンベース』によると以下の点からです。

 

①ファンは売り上げの大半を支え、伸ばしてくれるから

②時代的・社会的にファンを大切にすることが重要になってきたから

③ファンが新たなファンを作ってくれるから

 

大げさな表現に見えるかもしれませんが、ファンは自分たちを大事にしてもらえると本当にうれしいものです。その企業が彼らにとって1つのコミュニティになります。ファンの声をすべてうのみにするのではなく、ファンの意見に耳を傾ける、という感じです。

 

いきなりワークマンのアンバサダーを真似するのは難しくても、以下のようなことならまずは始められるのではないでしょうか?

・自社のヘビーユーザーに開発秘話など、裏話を共有する

・新商品が出たら、まずはヘビーユーザーに試供品をお届けし、日頃からのお礼をお伝えする。可能ならば意見をもらう

 

BtoBの場合は、

・定期的にセミナーを開催している場合は、普段からお付き合いの長い企業さまに、たとえ不参加でもセミナーの録画をプレゼントする。(見るように押し売りはしない)
→もし興味を持っていただけたなら、他にどんなセミナーなら興味があるか聞いてみる

・新規顧客獲得だけではなく、既存ユーザーのためにセミナーを開く

などがあげられると思います。

既存ユーザーへの手厚いフォローや、ユーザー会などはLTVを伸ばすことにもつながるでしょうし、「あそこのツールはフォローが手厚いからおすすめだよ」というように、ファンがファンを呼んでくれることにもつながります。

 

商品はそのままでも情報発信の切り口で、お客様を広げられる

ワークマンは情報の広がり方、情報発信の切り口が大変興味深いです。

ワークマンから学べる情報発信について2点、ご紹介します。

 

①商品はそのままでも、他の層に売れる

ワークマンの「厨房で滑らない靴」が、妊婦さんや小さなお子さんがいる女性の間で人気になったことがありました。
これまで単純に、「作業用」「職人向け」という視点だけで情報を発信をして販売していたら、厨房用の靴が「妊婦にも使える!」という情報の広がり方はしていかないのではないでしょうか。

商品は何も変えていないのに、これまでターゲットではなかったような方にも響くのが重要なポイントです。

▼滑りにくいシューズの店頭ポップ

滑りにくい靴の店頭ポップ

「厨房用の靴」自体は商品として変わりませんが、それが「妊婦さんも安心」「小さなお子様をよく抱っこする方に安心」という伝わり方が違うだけで、厨房以外の場所の人にも購入される商品になったのです。(2018年3月から、妊婦さん向けの滑り止め靴も販売されています)

商品はそのままで、訴求の切り口を変えて売れるようになった事例です。これはなかなか高度なマーケティングだと思います。

②ブログでの情報発信

いきなり上記のように自社の既存商品の価値をこれまでターゲットではなかった人にお届けするのは難しいかもしれませんが、ブログでの情報発信ならば参考にしやすいかもしれません。

ワークマンブログでは、使用感をすごく丁寧に伝えていて、店頭に行かないとわからないような細部のところも、寄りで写真を撮って、「こうなってますよ」と説明してくれています。

たとえば、レインコートの場合、裏地を映して、生地の縫い目から雨水の侵入を防ぐデザインになっていることを伝えてくれています。

ワークマンブログ

 

ほんの、ひと手間ですが、これがあるかないかで、品質に対する印象が変わりますよね。

 

「ほんのひと手間」は何からすればよいか?

恥ずかしながら弊社のサイトにも一部あるのですが、画像が全くない解説記事などを見かけます。読者からすると、テキストだけでは理解するのは難しいもの。

画像1枚用意するかどうかで、読者の理解は深まります。

また、記事を執筆する際には、できるだけ複数人に社内確認してもらうのもよいでしょう。
そうすることで、自分が気づかなかった「こんなところを読者は気にするんだ」ということに気づけます。

たとえば、本記事も『ファンベース』の書籍の話を追加したのは、編集メンバーと「ワークマンさんのアンバサダーの事例を知って、ファンと一緒にマーケティングに取り組みたいと思った方が、参考にできる情報を追加したいね」という話からです。

 

もしECプラットフォームを出る予定ならば、自社ECサイトだからできる「便益」を必ず持とう

楽天やAmzon、ZOZOTOWNなどのECプラットフォームはとても便利ですが、企業の中にはプラットフォームを離れて、自社ECサイトで販売していくことを考える企業もいらっしゃると思います。

その場合、必ず考えておいた方がよいのは、「自社ECサイトになることで、どのようなメリットがユーザーにあるのか」です。

店舗の在庫が確認できる

ワークマンでは欲しい商品をECサイトで見つけたら、近くの店舗に在庫があるのかどうかもECサイトで確認できます。これは無印良品などのECサイトでも同じようにできますが、楽天やAmazonなどのプラットフォームでは確認できません。

自宅まで届けてもらうのも便利ですが、ワークマンの商品の中でも靴などはやはり試着してみたいですし、アウトドア製品はサイズ感など実際に確かめたかったりもします。よってワークマン店舗への用事がないわけではないのです。

そのため、ECサイトで気になる商品の在庫を確認できるのは大変便利なのです。近くの店舗に在庫があれば、実際い仕事帰りにでも寄って購入できます。

このように、自社でECサイトを始めるならば自社ECサイトだから得られるユーザーにとってのメリットもなければいけません。

ECサイト/ブログはどうすればもっと集客できるか

これだけユーザーに魅力が伝わるワークマンなので、ECサイト/ブログも後発ながら、SEOで流入獲得の余地があります。

ブログについて

ワークマンブログでは、アンバサダーのサリーさん、山田耕史さんを中心に、旬なアイテムをピックアップし、使用感やコーディネート例などを紹介しています。またアイテムの機能特長の解説も非常に分かりやすく、いつも購入意欲をくすぐられます。

今後改善をおすすめする点としては、ブログ記事のタグをユーザーニーズに合わせて細かく設定することをお勧めします。商品ブランドの他に、機能性、用途、悩み、季節性、価格帯なども意識して整理すると、ユーザーが興味のあるタグから関連アイテムを見つけやすくなります。

例えば「防虫加工シャツの女子の着こなし方」に関する記事であれば、「防虫」「アウトドアウェア」「女子コーデ」「FieldCore」といったタグになります。

 

また、ページタイトルがユーザーの検索キーワードを多く含んでいないため、その辺りを意識してページタイトルを設定すると、ページへの集客数がより高まります。ページ共通の記述はタイトルの後半に配置するとページ内容がユーザーに伝わり易くなります。

現状 :ワークマンオンラインストアブログ ワークマンの虫を寄せ付けないシャツ!ワークマン女子の着こなし方も伝授

改善例:虫除け対策に防虫加工シャツ!ワークマン女子の着こなしも伝授|ワークマンオンラインストアブログ

オウンドメディアならではの商品訴求

防水、撥水、冷却、伸縮性など、ワークマンのアイテムは機能性への要望が非常に多いため、これらの機能に関する訴求はとても重要になります。

すでにアンバサダーを始め多くのユーザーがアイテムの使用感について多くのメディアでを情報発信していますので、オンラインストアではユーザーが表現しにくいスペックや機能の詳細な情報発信に取り組んではいかがでしょう。特に伸縮性や防水性といった機能の説明は、動画型式での訴求がより効果的です。

季節性の高い商品や新商品はオウンドメディアの情報発信が重要

梅雨時期のレインウェア、夏場の速乾アンダーウェア、冬の防寒ウェアなど、季節性のあるアイテムを多く取り扱っています。

これらのアイテムはファンの情報発信を待っていると、話題になるタイミングが遅れ、旬な時期を逃してしまうことも考えられるため、自社ブログメディアで先行して取り上げることで、早めに話題作りを行うことをお勧めいたします。

ユーザータイプ別の商品訴求

ワークマンの商品はその機能性の高さから、本来想定していた利用シーンを超えて、様々な用途で活用されることが多くあります。

先ほどの例のように、厨房用のスリップ防止シューズが妊婦に好評で愛用されているなどはよく知られています。このような特定ユーザーのニーズをオンラインストアに取り入れるために、妊婦など特定のユーザーにオススメのアイテム特集記事を用意したり、オンラインストアのアイテムタグを新たに用意するなど、同じ悩みを持つユーザーが商品を探しやすくする工夫も重要です。

また、取り扱いアイテムが多く多岐にわたるため、商品のカテゴリ分類は常に分かりやすく整理されている必要があります。


まとめ

今回はワークマンのマーケティングで参考になるところと、ECサイト/ブログの改善案を書きました。ファンと一緒に取り組む姿勢や、自社ECサイトを立ち上げることでユーザーにとってもメリットがある点など、とても勉強になります。

多くのユーザーによる積極的な情報発信は、商品に魅力があることがまず前提にあります。購入することで得られる満足感を多くの人に体験して欲しいという思いによるものでしょう。今後も魅力ある商品づくりを継続するとともに、ワークマンならではの取り組みで、より多くの人に商品の魅力が伝わるメディアに発展されることを陰ながら応援しています。

 

ワークマンファンのコンサルタントがワークマンのWebマーケティングの魅力を語るナイル株式会社 - ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。

強みを伸ばせば後発でも業界のリーダーに成長できるーベイジ枌谷氏に聞く強みの見つけ方、育て方

前回はナイルの顧問である株式会社ベイジ・枌谷力氏に、情報発信の極意を教えていただきました。

今回は情報発信を含む日頃のマーケティング活動などにおいて、鍵となる自分たちの強みを明確にする方法をお伺いします。

この記事の内容

  • 自社の強みを伸ばし続ける「強みをつくるトライアングル」とは何か?
  • 後発でも業界のリーダーになる方法は、異分野との組み合わせ。事業成長につながる「異分野」を見つける3つの考え方

 

「強み」は自然に生まれるものではなく、意図的に作り出すもの

――前回、企業の情報発信において、根底に流れるメッセージの大切さをうかがいました。

 

ただ、これから情報発信に取り組まれる企業のなかには、自分たちが打ち出すべきメッセージや、自社の強みをどう見つけたらいいのか、悩まれる場合もあると思います。ベイジさんは「BtoBに強い制作会社」という強みをどのように見つけられたのでしょうか。

枌谷さん:まず大前提として、強みは自然に生まれるものではなく、意図的に作り出さなければいけないもの、と考えています。「BtoBに強い」というベイジの強みも、かなりマーケティング的に作ってきたと自分では思ってるんですね。

 

――そうなんですね。強みはすでにあるものを伸ばしていくものだと思っていました。どのようなステップで強みを作り上げてきたのでしょうか。

枌谷さん:私は「学習」「交流」「発信」という3つの活動を回すことで、強みが作られると考えています。

強みを作るトライアングル

 

枌谷さん:これが強みになるかもしれないと決めたら、まずその分野について「学習」する必要がありますよね。本を読んだり、イベントに参加したりして、インプットをする。その成果をアウトプットするために、SNSやブログなどで「発信」します。発信することで反応があり、SNSのフォロワーや同じ業界の人などとの「交流」が生まれるでしょう。

 

交流によって新たな学びがあり、さらに勉強を重ね、その成果を発信して……と、3つのサイクルを回し続けることで、それぞれの活動に厚みが増し、強みが作られると思っています。

 

――なるほど。学習、発信、交流のサイクルを意識して動けば、情報発信を続けるモチベーションも保てそうですね。

株式会社ベイジ 枌谷さん01

枌谷さん:そうですね。そしてこのトライアングルの中で、強み作りの重要なエンジンになりえるのは、「交流」ではないかと思っています。交流によってリアクションがあれば、また情報発信しよう、ブログを書こうという気持ちになりますから。SNSの反応はもちろん、お客さんや社内から「あのブログ読んだよ」と実際に声をかけられるのも嬉しいですよね。「コンテンツを作ったことで交流が生まれている」と実感するのが、モチベーション高く学習や発信を続ける秘訣ではないでしょうか。

――交流が生まれると楽しくなるのは、Twitter道場でも実感しています。楽しいからこそ学習・発信を継続できますね。

※Twitter道場…枌谷氏が道場長を務めるナイル社員が個人のTwitterアカウントで情報発信をする取り組み。

 

「サブカテゴリ」でのリーダーを目指す

――先ほどの「強みを作るトライアングル」のサイクルでは、まず自分の思う強みについて「学習」する必要がありました。では、学習対象となる「自分の思う強み」自体は、どのように決めていったらよいのでしょうか。

枌谷さん:私なりにいくつか心がけていることがあるのですが、「流行の後追いをしない」は結構大事だと思っています。例えば有名なプロダクトライフサイクル理論を引用すると、導入期から成長期、成熟期とプロダクトが盛り上がり、飽和期を経て衰退期に至る、という一連の流れがあります。

 

プロダクトライフサイクル理論

 

枌谷さん:この図の各項目は、発表用に適当に作ったものなのであまり真剣に捉えてほしくないのですが、既に市場に浸透し、飽和期以降の市場の中で強みを作ろうとすると、強い競合も既におり、そのような中でゼロから強みを作っていくのは一筋縄ではいきませんよね。経済的に体力がない企業だと特に難しい。そういう意味で、安易な流行の後追いは避けるべきと考えています。

と考えると、導入期にある市場で戦うのが一番競争が少なく楽に思えるのですが、その市場自体が成長軌道に乗らずに終焉してしまう可能性もあります。そのため、成長期にある市場に目を付けて、その中で強みを磨いていくのが、理論上は一番リスクも少なく美味しいように思います。ただ、自分のやりたいことがあって、それが既に成長期を超えていることもありますよね。

 

――はい、ナイルが得意とするSEOも飽和期に入りますね。

枌谷さん:そうですね。ベイジが得意とするウェブ制作も飽和期にありました。では、成長期を越えた市場で強みを作るはどうすればいいか。これに関しては、ブランドの大家、デービッド・A・アーカー教授の著書『カテゴリー・イノベーション』の影響を多分に受けているのですが、成長期を超えた市場で戦う時は、「サブカテゴリ」を作って、その中のリーダーを目指せばいいのだと思います。

 

 カテゴリの考え方

 

枌谷さん:私たちで言えば、既に飽和した「ウェブ制作」というメインカテゴリでは、ベイジはフォロワーに位置していると言わざるをえません。そこで「BtoB」というサブカテゴリを作り、「BtoB」×「ウェブ制作」という掛け合わせでリーダーとなることを目指しました。

 

――要素を掛け合わせることで、あえて狭い範囲でのリーダーになる……ということですね。ただ、ニッチな市場を目指すと、それだけ仕事が限定されてしまう怖さも感じます。

枌谷さん:わかります。ベイジが「BtoBが強みです」と前面に打ち出したのも、実は昨年のことなんですよ。

 

――そうだったんですか!ずっと言われているイメージがありました。

枌谷さん:BtoB分野のウェブ制作については、2012年から力を入れてきたので、長い間サービスメニューとして持ってはいたんです。登壇やSNSなどでも、「BtoBに強い」というのはずっと言い続けてきました。

それでも自社サイトのタグラインにそこまで明確に「BtoB専門」と書かなかったのは、言い切ることで顧客が減ってしまうのではないか、という怖さがあったからです。ただ、年を経るごとにBtoBの問合せ数が増えてきたことを踏まえて、昨年ようやくコーポレートサイトのトップに「我々はBtoBに強い制作会社です」とはっきり言うようにしたんです。

 

株式会社ベイジ 枌谷さん

BtoBに舵を切った結果、さらに問合せ数が増えているので、判断は間違ってなかったと思います。問合せ数の増減は複雑な要因で決まるものなので、このタグライン変更のおかげで問合せが増えたとは断言できませんが、対象を絞り込むことを過剰に恐れる必要はないんじゃないかな、とはこの件で思いました。

とは言え、狭すぎるサブカテゴリだと本当に集客に問題が生じることもあると思うので、サブカテゴリは安易に決めるのではなく、状況の推移も観察しながら、戦略的に、慎重に決める必要はあるでしょうね。

――ぜひ、問い合わせが増えるようなサブカテゴリの切り方を知りたいです!

 

自分の得意分野と掛け合わせる「異分野」の見つけ方

――ではベイジさんは、どのようにしてサブカテゴリを「BtoB」に決めたのでしょうか。

枌谷さん:我々がやりたい「ウェブ制作」は飽和期にありますので、ウェブとは別の分野を掛け合わせることを考えました。掛け合わせる分野には条件があります。「重なる領域の市場規模が大きい」「重なる領域に競合がいない・少ない」、そして「自分が得意もしくは関心がある」の3つです。

 

異分野との掛け合わせ その1

 

枌谷さん:この3つを満たす異分野こそが、自分の強みを作るサブカテゴリになります。「BtoB」は、まさにこの条件を満たすものでした。

 

異分野との掛け合わせ その2

 

枌谷さん:「BtoB」の市場規模はとてつもなく大きいんですが、BtoBの得意なウェブ制作会社というのが、目を付けた当時はほぼゼロで、今も明言している会社は1~2社しかいない状況です。加えて、私自身BtoBの仕事が大好きで、熱意を持って取り組めている。ベイジにとって最高のサブカテゴリと言えます。

 

――逆に、この3つの条件が当てはまらない例には、どのようなものが考えられるでしょうか。

枌谷さん:例えば「音楽」を異分野として掛け合わせてみましょうか。私は音楽が好きなので、「自分が得意もしくは関心がある」という条件は満たせるのですが……。

 

異分野との掛け合わせ その3

 

枌谷さん:音楽自体の市場規模は大きく、ソーシャルメディアやウェブ広告への投資は活発なものの、経験則的に、ウェブ制作への投資は多く見込めないと考えました。重なる領域の市場規模が小さいので、サブカテゴリとしては適切ではないと判断できます。

 

異分野との掛け合わせ その4

 

枌谷さん:こちらは「UXデザイン」を重ね合わせた図です。UXを扱うウェブ制作会社は多いので、重なる領域の競合が多すぎます。また、これも私見ですが、UXデザインの市場自体がそこまで大きなものではないと思うんです。そう考えると、「UX×ウェブ制作」にフォーカスして強みを磨くのも、得策ではないな、と。

 

――なるほど、他の例を見ると、ちょうどよいサブカテゴリを見つけるも簡単ではないことがわかりますね。逆に「BtoB」を見つけたことが奇跡のようにすら思えます。

枌谷さん:正直「いいもの見つけたな」という感じですね(笑) でも、他にもウェブ制作と相性の良い分野もあるんですよ。

 

異分野との掛け合わせ その5

 

枌谷さん:例えば「コンテンツ制作×ウェブ制作」。コンテンツ制作は市場規模も大きいですし、「コンテンツ制作に強いウェブ制作会社です」と名乗っている会社もあまり見かけない印象があります。もし、もう一つウェブ制作会社を作っていいと言われたら、間違いなくこの分野で作りますね。

 

異分野との掛け合わせ その6

 

枌谷さん:あと、ウェブ制作のサブカテゴリからは離れますが、最近ベイジで伸びている組み合わせが「業務システム(SaaS)×UIデザイン」ですね。市場規模が大きい割に競合がいないので、この組み合わせを見つけてから力を入れています。

「BtoB×ウェブ制作」も「業務システム(SaaS)×UIデザイン」も共通するのは、まず自分たちが強みを発揮できそうな市場な領域なりを見つける。それからトライアングルを使って強みを育てる。私の強みの作り方は、いつもこのパターンです。

 

――なるほど。見つけた強みは「市場規模」「競合の有無」「自分が得意もしくは関心がある」の視点で自社事業と相性を見極め、「強みをつくるトライアングル」で強みを伸ばし続けるのですね。引き続き「強みのトライアングル」をまわしながら、自社の強みを伸ばしていきます。本日はありがとうございました!

強みを伸ばせば後発でも業界のリーダーに成長できるーベイジ枌谷氏に聞く強みの見つけ方、育て方ナイル株式会社 - ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。

オウンドメディア、Twitter…情報発信の極意をベイジ・枌谷さんに聞いてみた

オウンドメディアなどで企業が情報発信をする場合、打ち出すべきメッセージや、書き手の確保など、どのように決めればよいのでしょうか? BtoBマーケティングを得意とし、情報発信に積極的に取り組んでいるナイルの顧問・株式会社ベイジの代表取締役 枌谷力氏に話を聞きました。

この記事の内容

  • 株式会社ベイジが情報発信で意識しているのは「自社の価値観を伝えること」「顧客にとってフェアであること」
  • 株式会社ベイジ、ナイル株式会社のコンテンツ制作体制や、記事を書く際の具体的な進め方、記事のネタリストなど
  • 情報発信の核になる企業文化を見つけるヒントは、一社員が抱く業界への違和感や、仕事の姿勢の中にある

 

価値観が合わない顧客と出会うのは、マーケティングの「失敗」


――ベイジさんでは、オウンドメディア「Knowledge/baigie」の他に、 スタッフによる「ベイジの日報」 を定期的に更新されています。記事を見た企業からの問合せも多いかと思いますが、広く情報発信すると価値観が合わない企業にも多く知れ渡ってしまい、その結果、問い合わせや営業での説得コストが上がる、といったことはないでしょうか?その場合、どういうアプローチを取るのでしょうか。

枌谷さん: これはそもそもの話になるのですが……。価値観が合わない企業からのアプローチが多い時点で、ベイジでは「自分たちのマーケティングが失敗している」と考えています。

「価値観を変える」「新しい価値観を作る」 という行為は、とてもハードなものです。価値観が合わない人を説得によって動かすのは、ほぼ無理だと思うんですね。そうではなく、価値観を共有できる顧客に出会うために、マーケティングに力を入れるべきだと考えています。


株式会社ベイジ 枌谷さん01

――そもそも価値観が合わない顧客から問合せが来ないようにする、と?

枌谷さん:そうですね。ビジネスである以上、問合せをいただいてお会いしたうえで「やっぱり御社とは合いません」と断るわけにはいきません。最初の段階で相手に「こことは肌が合わないな」と感じてもらえば、問合せすら発生しませんよね。そういう状態を作るためにも、やはり情報発信が欠かせないと思います。

 

――たしかに情報発信でお客様の属性は変りますよね。 ナイルも「ナイルのSEO相談室」と「コンテンツハブ」の2つのメディアで情報発信していますが、発信内容が全く異なるので、お問い合わせ内容もお問い合わせいただく企業の属性も異なります。ベイジさんでは価値観が合う顧客と出会うために、どんな情報を発信されているのでしょうか。

枌谷さん:価値観が合う顧客と出会うためには、「○○に役立つ10のポイント」といったコンテンツではなく、自分たちがどんな意志を持っているのか、どんな哲学を持っているのかを主張したコンテンツが大事だと思っています。

その前提として、自分たちならではの「メッセージ」を持つことが大事ですね。他社と横並びにならないメッセージを開発すれば、サービスの優越や価格だけで選ばれることもなくなります。

分かりやすい例で言うなら、サイボウズさんはテレワーク推進や、サイボウズ式というメディアで情報発信をしていますよね。自分たちのプロダクトの訴求以前に、「みんなの働き方をもっと良くするんだ」といったメインメッセージを強く打ち出されている企業だと思います。 テレビCMやイベント活動も活発で、そうした動きから働き方や生産性を本気で考えていることが伝わるメッセージを発信し、共感を得ることで、 彼らのプロダクトが価格や機能での競争から抜け出し、ブランドで選ばれるようになるのだと思います。

 

――ほかにグループウェアの会社はありますが、「サイボウズといえば〇〇」がひらめきますものね。これがブランドで選ばれるようになるきっかけとなり、価値観の合う顧客と出会うことにもつながるんですね。

 

業界の顔色をうかがうより、顧客に対してフェアでありたい


――先ほど「自分たちがどんな哲学を持っているのかを語る」とおっしゃっていましたが、具体的には、ベイジさんではどんなメッセージを打ち出してきたのでしょうか。

枌谷さん: 情報発信を始めた2011年当初はそこまで戦略的ではなくて、私が書きたいことを書いていただけなんですが(笑)

「既存のウェブ制作って間違っている部分が沢山あるよね」というメッセージは情報発信の根底に流れていたと思います。当時からウェブ制作の発注や、ウェブ制作会社のアプローチの仕方などに、強い違和感があったんです。

例えば、「多くの採用サイトが間違っていると私が思う理由」という記事が社長ブログにあります。

 

「求職者をなめている採用サイト」なんて見出しもあって、採用サイトを作っている競合他社が見たら自分たちの悪口を言われてると感じるかもしれない。でも、私には本当に求職者を舐めているように思えたし、同業他社ではなく、採用担当者に刺激を受けてほしかったので、あえて強い言葉を選びました。

キーボード


――強烈な見出しですね…。そのような記事を出して、業界内の反応などは気にならないでしょうか?

枌谷さん:正直、あまりベイジのことをよく思ってない会社もいるでしょうね。

ただ基本的には、同業者よりも、顧客やユーザーにとって何が一番いいのかを一番に考えて、メッセージを考えています。 業界の顔色をうかがって好かれようとするより、顧客やユーザーに対してフェアでありたいと考えてて、その信念からブレないと自分で思えることは、堂々と発信するようにしています。

 

――ナイルは、数年前まで「業界内で評判になる記事を書くこと」を情報発信では最も大切にしていました。しかし最近は、もちろん同業界の方も大切ですが、お客様や、お客様ではなくてもSEOや分析、コンテンツマーケティングに困っている方に情報を届けることを最優先にしています。

枌谷さん:そうですよね。先ほどの採用サイトの記事も、ユーザーである採用担当者にとって説得力がある内容になるよう意識しました。

実際、この記事をきっかけに何社かオファーもいただいたんです。強いメッセージに嫌悪感を覚える人もいるかもしれませんが、信念に共感してファンになってくれる人も、それ以上いるのだと感じています。

 

――背景に信念がある言葉は、やはり説得力も違ってくるでしょうね。

枌谷さん:もちろん内容に納得感があり、突っ込まれる隙がない文章を書くことが前提です。とはいえ、全てのコンテンツをこうしたカラーで塗り固めるべきではなく、「会社のキャラクターを紹介する」などの緩いコンテンツが混じっててもいいでしょう。読まれるためのパッケージングというのも必要ですから。 コラムだったり、取材記事だったり、SNSでの発信だったり……その隅々にメッセージが息づいていると、勝手にそれがブランドになって、同じサービスを提供しても違う目で見られるようになるのかなと思います。

 

情報発信において会社がやるべきは「書きたい人を支援する」こと


――情報発信に取り組んでいる企業では、空き時間に社員が持ち回りで書くようなケースが多いと思います。社員のモチベーション維持も課題のひとつですが、ベイジさんではどのように取り組まれていますか?

枌谷さん:書きたくない人に強制的に書かせるのは、とても生産性が悪いですよね。

「書きたい人を見つけてきて支援する」というのが、会社がやるべきことだと思います。

ベイジの場合だと、一番書きたいのは私なんですね。そこに協力してくれる社員がいる。なので、記事の企画を一緒に考えたり、最終的な文章のブラッシュアップを巻き取ったりと、私もかなり強く介在しています。書きたい人が中心になっていかないと、企業活動としてはうまくいかない気がしますね。

 

――書くことに慣れている人が責任者でなければ、更新が止まってしまいますよね。

枌谷さん:そうなんです。ナイルさんではどうやっていますか?

 

――ナイルのオウンドメディアは、記事の書き方についてはライターに依頼することもあれば、社内のコンサルタントにヒアリングをして執筆することもありますね。
編集や公開責任の持ち方は枌谷さんと似た考え方です。普段から趣味でブログをよく書いていた人、いちばん書きたがっている人が担当しています。あと、ナイルにはコンテンツ制作のサービス提供のため、社内にプロの編集者がいるので、彼らも携わってくれています。ネタ出しはどのようにされていますか?

枌谷さん:ネタとなるリストを共有して、記事を書く本人たちに「これの知識を学びたい」「これを調べながら書きたい」というものを選んでもらうようにしています。特定の知識を身につけてほしい人には、逆にこちらから「このネタを書いてみない?」と提案することもありますね。もちろん、本人に書きたい気持ちがあるのが大前提です。

 

――弊社でもネタはSEO相談室の担当者が出しています。もちろんコンサルメンバーからも、とても興味深いテーマを出してもらえることがあります。ネタ出しも一苦労ですよね。

枌谷さん:ネタ出しにも時間はかかりますし、センスも必要なので、そこまで書き手の能力に依存してしまうと、成果が出ないまま時間を割くことになってしまいます。記事のネタは思いついたらリストにアップしていて、まだ記事にはならない、アイデアレベルのものも別にまとめてメンバーに依頼する時のネタのストックにしています。

▼ナイルのネタリスト

ナイルのネタリスト

▼株式会社ベイジさんのネタリスト

株式会社ベイジさんのネタリスト


――枌谷さんも、とても時間をかけてコンテンツ制作をしていらっしゃるのですね。情報発信はすぐに成果が見えるものではないので、あまり時間はかけないでほしいという社内の声も聞こえそうですが。

枌谷さん:こんなことをいうと期待はずれかもしれませんが、情報発信は時間がかかって当然ですよ(笑)


――自分だけが時間がかかっているのではないか?と少し不安だったので安心しました(笑)ちなみにベイジさんでは、書くネタが決まってからは、どのようなフローで公開まで進まれますか。

枌谷さん:いきなりゼロから書くのはハードルが高いので、見出し案から出してもらうか、あるいはそれも難しいスタッフの場合は、最初はZoomなどで時間を取って議論して、記事の原案を作るようにしています。口頭レベルで「こういうことを書きましょう」と話しながら、見出しなどの骨子は一緒に作っています。調べて文章を書いたり、図を作ったりなど、肉付けする作業は本人に任せて、仕上がったら私のほうで細かい部分を調整します。こうすることで、一定の質を担保するようにしていますね。


――編集長ですね!

枌谷さん:本当にそうですね(笑) ネタのリストで担当者や進捗を管理していますし、記事執筆のスケジュール調整にも介在していますから。「何月何日何曜日の何時から何時まで書く」という時間を確保してしてもらうようにしています。「好きなときに書いてね」だと、どんどん後回しになってしまいますので。


――「ナイルのSEO相談室」でもそうしていますね。コンサルメンバーのヒアリングタイムや、SEOにより詳しいメンバーによる原稿確認タイムを事前にカレンダーで確保させてもらい、その時間内で対応してもらっています。 こうして発信を続けて、問合せが増えたと実感するまでは、どれくらいかかりましたか。

枌谷さん: 途中でいろいろ試行錯誤したのもありますが、「ブログ見ました」と仕事をいただけるようになるまで、3年くらいかかっています。普通の会社は3年も待てずに諦めると思うので、やはりマネジメントする人自身が「書きたい人」であり、熱量が一番高くないと、難しい取り組みではないでしょうか。

――やはりそのくらいかかるものなのですね。


企業哲学の見つけ方


――先ほど企業哲学のお話が出ましたが、そのようなメッセージはどのようにして見つけましたか?

枌谷さん:ナイルさんはSEO業界のなかで、違和感を覚えている部分はないんですか?

株式会社ベイジ 枌谷さん02

――そうですね…。私個人としては、たまに「SEOは広告と違い、お金をかけなくても工夫次第でなんとかなる。だから中小企業ほど取り組むべし!」みたいなメッセージを見ると違和感があります。今の時代は、ユーザーに選ばれるコンテンツを作るために、一定お金も、社員のリソースもかけなければいけません。

枌谷さん:確かに、企業によっては「SEOは投資対効果がいいですよ」というアプローチもありますが、SEOにかけるリソースを考えると、そうならない場合もあるでしょうね。

 

――ええ。ナイルでは、SEOにリソースをかけるべきではないと気づいたら、お客様に正直にお伝えしていますね。あとは、これも個人的な考えですが「SEOはコンテンツが大事だ!」というのが一人歩きしてしまい、技術的な知識の重要性があまり認識されていないような気もしています。検索エンジンはまだコンテンツを見つける手段として完璧ではないからこそ、SEOコンサルタントがいます。どんなによいコンテンツをつくっても、検索エンジンとユーザーをつなぐ知識がなければ、そのコンテンツをユーザーに見つけてもらうのは難しくなってしまいます。

枌谷さん:そうですね。特定の課題やテーマに対して、それを解決する革新的な技術や思想を率先して提案し、業界内の「第一人者」としてのポジションを獲得することを「ソートリーダーシップ」といったりします。それは単に売り上げを伸ばしてシェアNo.1になることではなく、自分たちがこだわる信念や正義を掲げ、時に身を挺して業界や顧客に貢献し続けることで築き上げられるものだと思います。我々のようなマーケティング支援会社もこういう視点を持っていいし、持つことが強いブランドづくりにもつながるのではないかと思います。

 

――もう少し詳しくお伺いしてもいいですか?

枌谷さん:はい、もちろんです。例えばSEOに関する社会課題というと、Googleが世界中の天才を集めてWeb上のコンテンツを検索者に届けることに取り組んでいますが、一方で「ほしい情報にたどり着く」というシンプルな課題が実は解決されていないんですよね?


――そうです。優秀な検索エンジンですが、まだ完璧ではありません。だから我々がいます。

枌谷さん:そうですよね。そういう社会課題的な視点からSEOに取り組むナイルとしてのメッセージや主張を決めて、もっとSNSやブログで発信してもいいかもしれないですね。

先ほどの話で言えば、検索エンジンなどの機械では完璧に実現できていない

「『正しくて、ほしい情報が手に入る』という社会課題を、人の力で補ってサポートするのがSEO」
「それを事業として長年取り組んでいるナイルは、単に上位表示する、セッション数を増やす、ではなく、『正しくて、ほしい情報が手に入る』という社会課題に取り組んでいる会社である」
「それによって、社会が少しでも前進するためのお手伝いをしている」

ともいえるのではないでしょうか。

そういう自らの思想や信念を明確にして、情報発信や活動を積み重ねていけば、単なるSEOやマーケ支援の一企業ではなく、ソートリーダー的な見方をされるようになるのではないでしょうか。


――ありがとうございます。普段からの仕事の姿勢や、一社員が持っているような業界への違和感、考え方などに、企業の哲学のヒントがあるんですね!

 

結果が付いてくるから、人が動くわけではない

――企業哲学のような大きなメッセージを打ち出すうえで、会社の実態とメッセージのバランスも気になります。ある程度影響力を持った会社でないと、「いいこと言ってるけど実際はどうなのか」と、メッセージが空回りする可能性もあるのではないでしょうか。


枌谷さん:確かに、裏付けもないところでメッセージを前面に出すと、「ただかっこつけてるだけ」に見えますよね。

ナイルさんは実績もすでにあるし、先ほどのような企業哲学を発信しても空回りはしないと思いますが、もし実績をこれから積む場合、会社の影響力と歩調を合わせることは必要ですね。内々に秘めた「核」は持っておくべきでしょう。「社会課題の何に答えてるの?」「何のためにサービスを提供しているの?」という問いに、すぐに答えられる状態であったほうがいいと思いますね。


――ベイジさんでは情報発信から成果につながるまで3年ほどかかった、と聞きましたが、枌谷さんは「結果が出てないのに大きなことを言うのも……」といった、照れや恥ずかしさを感じることはありませんでしたか。

枌谷さん:恥ずかしさはないですね。嘘をついたり、かっこつけたりしなければ、恥ずかしさを感じることはないかなと。ただ、謙虚さは必要だと思います。今でも、うちより成功している会社なんて山ほどありますし、まるで自分が成功者であるかのように振舞うのは間違っていますが、そのことと、自分の主張をしっかり述べることは、別なんじゃないかな、と思います。
ちょっと脱線になるんですが、『アンヴィル!』という映画の話をしてもいいですか?

――『アンヴィル!』ですか…?

枌谷さん: はい、脱線はちょっとだけですよ(笑)2009年に公開された映画で、50代の2人組メタルバンド「アンヴィル」の音楽活動を追ったドキュメンタリーなんです。

彼らは80年代にヒットを飛ばしたものの、その後鳴かず飛ばずになるんですが、それでもロックスターになることを夢見て20年以上活動している。

全然結果を出していないのに、その様子がすごく説得力に溢れてるし、心を動かされるんですよね。なぜなら、信念を持っているから。

結果が付いてくるから、人が動くわけじゃないんだなと思うんです。 自分はこういうことをやりたいと信念を熱く語り続ける。そうすれば、いつかそのメッセージを受け止めた人が現れる。そういうことなんじゃないかな、と思います。

――多くの企業が情報発信に取り組む時代になりましたが、そんな中で自社のメッセージが印象に残るには「核」や「信念」のような、きれいごとだと言われてしまうことを勇気をもって発信し続けることなんですね。本日はお忙しい中、ありがとうございました!

 

オウンドメディア、Twitter…情報発信の極意をベイジ・枌谷さんに聞いてみたナイル株式会社 - ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。

SEOに予算・リソースを割けない場合、「指名検索」だけは押さえましょう

こんにちは。ナイルの青木です。今回は指名検索(サービス検索)について語っていきたいと思います。
※指名検索とはサービス名や会社名などのキーワードを含む検索キーワードを指します。例えば、「ナイル」や「ナイル SEO」などです。

指名検索をきちんとしていないと、機会損失の可能性が大きくなります。

・指名検索は検索回数が少ないものが多いので「特に対策はいらない」
・自社の名前だから、「放っておいても順位はとれる」
と考えている方も多いのではないでしょうか。

確かにSEOは今とれていないキーワードを対策し、獲得していくというものと考える方も多いと思いますので、その気持ちはわかります。

ただ、考えてみてください。
「サービスに興味がある人」と「サービスに興味がない人」どちらが将来的に顧客になりやすいでしょうか。
また、「サービスに興味を持った人が別のサイトを見てしまう」「検索した時に、求めている情報がない」という状況を考えると、指名検索の対策も重要であることがわかると思います。

指名検索は適切な対策をすれば順位もつきやすく、効果が見えやすい施策でもあります。
今回は以下の目次に沿って説明しますので、指名検索の大切さを理解していただけますと幸いです。

そもそも指名検索とは

指名検索は冒頭でも述べたように、サービス名や会社名などのキーワードを含む検索キーワードを指しますが、色々と種類があります。

1.サービス名、会社名
 例「ナイル株式会社」「SEO HACKS」
2. 人名
 例「青木創平」
3 .型番
 例「CF SV9」
4 .間違ってしまったケース
 例「せお」(SEOを、日本語入力するミス)


1、2のオーソドックスな指名検索の対策はもちろんですが、3の型番なども非常に重要な指名検索になります。みなさんも製品を比較する際などに型番で検索することもあるかと思いますが、キーワードによっては型番での検索が多い場合などがあります。

4の間違えてしまったユーザーへの対策は大切です。最近はGoogleも「次の検索結果を表示しています」という形で対応する場合もありますが、検索キーワードによってはそのままの検索結果になることもあるため、まずはGoogle Search Consoleで流入キーワードを確認してみましょう。

Googleで誤った検索をした場合の例
※上記の通り、検索エンジンがうまく汲み取ってくれるときもありますので、いつも対策が必要という訳ではないです。

指名検索を対策できないと…

そんな指名検索が対策できないとどんな不都合があるのでしょうか。

1. 他社(他人)が作成したコンテンツで判断される可能性

ビジネス上重要であったり、流入数が狙えそうなキーワードは自社の指名検索でもブログなどの他のサイトがコンテンツを用意していることもあります。
そうした場合は自社サイトが1位に表示されず、ユーザーが他の情報を見た上で、情報を判断することもありえます。その情報が必ずしも「間違った情報」というわけではないですが、自社の伝えたいものと違う場合もあります。
また、自社サイトではなく他サイト経由での商品購入などの、売上に影響が出る場合もあります。
販売代行やパートナーなどで自社より検索結果が上位の場合は、ユーザーからすると違いがわからずに、そのままそこで購入ということも十分に考えられますね。

2. そのキーワードで検索順位が1位なものの、内容が最適でないケース

指名検索は適切なページがない場合でも、サイト内の関連するページが1位に表示されることがあります。(そのサイト、サービスに関連する情報を優先しているものと考えています。)
1位は1位で良いのですが、ユーザーが求めていない情報の場合などは、遷移しても満足せず直帰してしまうということもあります。
また、放っておいて、より適切なコンテンツが出た際に、順位が下がるということも考えられます。

3. 指名検索に対応するページのCVRは一般的に他のページよりも高い

指名検索で対応するページは、多くはTOPページやサービス、製品を紹介するページが多いです。そういったページは、記事ページなどの他コンテンツに比べると一般的にCVにつながりやすい傾向にあります。例えば、SEOHACKSでは20年3月でブログページに比べ、TOPページのCVRは約10倍ほど高くなっております。
これはそのサービス、製品に比較的興味があることや、申し込みなどの導線が設けられていることが影響していますが、そういったページで流入を取りこぼすのはビジネス上でマイナスになることがわかると思います。

3つほど並べましたが、結局のところ一番の問題は「機会損失」にあると思います。冒頭でも書きましたが、興味を持ってくれたユーザーに情報を提示できないのは損でしかありません。

指名検索の対策の流れ

ざっと書いてみると、以下のようになります。通常のSEO対策とそう変わりはありません。

1. どんなキーワードで検索されているか(されうるか)確認

ポイントは「指名検索は必ずしも正式表記ではない」ということです。
例えば、「Nサービス」というサービスを運用していたとして、指名検索を考える際にまず「Nサービスの掛け合わせキーワードを対策しよう」と考えると思います。しかし実際には「ナイルサービス」と検索しているユーザーや「Mサービス」と間違って検索している場合もあるかもしれません。
対策するキーワード自体はGoogle Search Consoleを使って流入キーワードを確認したり、場合によってはサジェストキーワードの確認で一気に出せますので、その分掛け合わせの根幹になるようなキーワード部分をしっかりと調査してみてください。

2. そのキーワードのランディング状況を確認

キーワードの選定が完了したら、そのキーワードでの自社サイトの順位を確認してみてください。
全て1位が理想ですが、自社の関連サイトが1位に表示される場合などの例外もあります。
また、1位をとれていても、「本当にそのページが表示されて問題ないか」を確認してみてください。「遷移後のコンバージョンを意識すると、このページではなく…」ということがあるはずです。

3. 適切な対策

キーワードに対応するページがない場合は、ページの作成を検討してください。リソース的に難しい場合は、類似ページにコンテンツ追加などで対応を考えてみましょう。
また、コンテンツはあるのに…という場合は、titleタグのチューニングを検討してみてください。

ここまでは、一般的なSEO対策とそう変わりませんが、以下のような場合もあります。

4. 検索結果の最適化

特定のキーワードで1位に表示されていたとしても「本当はこのページではなくて、他のページを表示させたい」とか「このページは表示させたくない」などもあると思います。指名検索に限った話ではありませんが、指名検索は特に多い印象です。
完璧に表示させるページを操作することはできませんが、noindexを使用したり、重要ページに内部リンクを集めたりと手は打てます。

5 .サイトリンクの最適化

サイトリンクとは検索結果の下部に表示されるリンクのことで、主にそのページ内のグローバルナビゲーションなどに設定されている重要なページへリンクが表示されます。
結構意図しないものが表示されることがありますが、これも操作することはできません。主要な対策としては、
「ページ上部やグローバルナビゲーションに設置するリンクに、表示させたくないものは含めない」
「アンカーテキストを表示させたいキーワードを意識する」
などがあります。

6.効果測定

上記のような対策を行いましたら、効果測定を行ってください。
測定期間は施策にもよりますが、指名検索の場合は「ターゲットキーワードの順位」「CTR」「CV数」「狙ったページが表示されているか」などを効果測定の対象とすると良いです。
「CV数」に関してはそのページへ自然検索ランディング時の数値で測定すると効果がわかりやすいです。

まとめ

「SEOをがっつりやるのはちょっと…」という方は多いと思います。「実際そのキーワードを対策したとしても、流入増えるのかわからないし、流入増えたとしても売上につながらないかもしれない。」そんな不安はSEOにはつきものです。
しかし、今回紹介してきました指名検索最適化は、そんな不安を抱えている人こそやってみてほしいです。
なぜなら、「指名検索はあなたのお店にいこうとしている人たちが検索しているキーワード」で、ビジネスに影響力があるキーワードだからです。
進めていく上でのキーワード調査、対応するページの作成、その後の効果測定などでお困りのことがありましたら、ぜひナイルにお声がけください。

SEOに予算・リソースを割けない場合、「指名検索」だけは押さえましょうナイル株式会社 - ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。

SEOを学ぶならこの10冊!基本から実践までおすすめ本をナイルコンサルが紹介

SEOについて学ぶ際、まずはベースとなる知識をつけることが必須です。トレンドに流されない知識を身につけるには、書籍から学ぶのは有効な手段になります。そこで今回は、ナイルのコンサルタントがおすすめするSEOに関する書籍をピックアップ!

初心者が押さえたい基本から実践的な内容まで、幅広く学べる10冊をご紹介します。読了時間は、実際にコンサルタントが読んだときにかかった時間になりますので、参考にしてみてください。

SEOの基礎が身につく!最初に学ぶならこの5冊

  • 10年つかえるSEOの基本
  • いちばんやさしい新しいSEOの教本
  • 沈黙のWebマーケティング
  • 沈黙のWebライティング
  • わかばちゃんと学ぶ Webサイト制作の基本

初めてSEOを勉強する場合、何から手をつけたらいいのか悩んでしまうかもしれません。最初は、SEOの根幹となる考え方を理解することが重要です。まずは、SEOの基礎知識を習得するうえで、おすすめしたい5冊をご紹介します。

1.10年つかえるSEOの基本

10年つかえるSEOの基本

ナイル取締役が執筆した本書は、SEO初心者が読むには最適な1冊。すぐに変化してしまうSEOのトレンドではなく、普遍的な“SEOの考え方”を押さえられます。

会話形式なので、SEOについて楽しみながら理解できるのも、おすすめしたいポイント。SEOに関する思考を整理したいときや、基本に立ち返りたいときにも活用できます。

 

おすすめポイント
  • 会話形式で解説しているのでわかりやすい
  • ページ数が少ないので読みやすい
  • 基本的なSEO施策を網羅していて、思考の整理にも最適
  • 読了時間:2時間

 

10年つかえるSEOの基本』土居健太郎

技術評論社、1,480円+税、136ページ、Kindle版有

 

2.いちばんやさしい新しいSEOの教本

いちばんやさしい新しいSEOの教本

経験豊富な講師陣が、SEO施策に関するポイントを1つずつ解説。業種ごとのサイトマップやキーワードマップなど、活用しやすいサンプルも盛り込まれています。ナイルのコンサルタントは全員読んでいるのでは?というほど、必読の1冊です。

SEOはテクニックが重要なイメージがありますが、方法論だけを知っていてもうまく生かせません。「10年つかえるSEOの基本」と合わせて読むことで、基本となる考え方を押さえながら、この本で方法論を学ぶのがおすすめです。また、SEOについて知りたい内容を、索引から調べられるので、手元に置いておくと役立ちますよ。

 

おすすめポイント
  • 基本的なSEO施策を網羅できる
  • SEO施策の背景を理解できる
  • 知りたい情報を索引で調べられる
  • 読了時間:4時間

 

いちばんやさしい新しいSEOの教本 第2版―人気講師が教える検索に強いサイトの作り方』安川洋、江沢真紀、村山佑介

インプレス、1,580円+税、256ページ、Kindle版有

 

3.沈黙のWebマーケティング

沈黙のWebマーケティング −Webマーケッター ボーンの逆襲− ディレクターズ・エディション

伝説のウェブマーケッター「ボーン・片桐」が大活躍!ストーリー形式でウェブマーケティングの全体像を把握できる1冊。ページ数は多いのですが、会話劇が中心なのでスラスラと読めるはず。

物語は、とあるオーダー家具会社のウェブサイトが、検索順位を急激に下げたところから始まります。現場感のある課題が出てくるので、似たようなシチュエーションで悩んだときに参考にしやすいでしょう。

 

おすすめポイント
  • ストーリー仕立てで読みやすい
  • マーケティングあるあるな展開の連続
  • 実際に活かせるマーケティング要素が盛りだくさん
  • 読了時間:5~8時間

 

沈黙のWebマーケティング -Webマーケッター ボーンの逆襲-』松尾茂起、上野 高史(イラスト)

エムディエヌコーポレーション、2,200円+税、496ページ、Kindle版有

 

4.沈黙のWebライティング

沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘—〈SEOのためのライティング教本〉

沈黙シリーズ第2弾。ウェブマーケッター「ボーン・片桐」が活躍するストーリーを通じて、SEOライティングのノウハウを学ぶことができます。

舞台になるのは、栃木の老舗旅館。「栃木 温泉」といったキーワードで検索上位を狙う記事をどう作るのか?実際に具体的な記事で紹介しています。ほかにも、商品を選んでもらう文章の書き方、文章を生まれ変わらせるリライトのコツ、バズにつながるコンテンツ作成のコツといった、ライティングに関する内容が網羅されています。『沈黙のWebマーケティング』とセットで読んでおきたいところ!

 

おすすめポイント
  • SEOライティングが体系的に学べる
  • 具体的な文章が紹介されているのでライティングのコツがわかる
  • 沈黙のWebマーケティング』と合わせて読むと理解が深まる
  • 読了時間:5~8時間

 

沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘』松尾茂起、上野高史(イラスト)

エムディエヌコーポレーション、2,000円+税、632ページ、Kindle版有

 

5.わかばちゃんと学ぶ Webサイト制作の基本

わかばちゃんと学ぶ Webサイト制作の基本〈HTML5・CSS3〉

4コママンガを交えながら、初心者向けにウェブサイト製作の基本を解説。サイトの作り方について、基本的な内容を理解するのにぴったりです。HTMLやCSSの基本、JavaScriptやPHPの概要が詰め込まれているので、ウェブサイトの作り方の背景を知ることができます。

必要なソースコードを書き込めるサンプルデータも無料でダウンロードできるので、実際にサイト作りをしながら理解していくといいですよ。

 

おすすめポイント
  • 4コママンガでウェブサイトの作り方がわかる
  • 初心者向けなので理解しやすい
  • サンプルデータもダウンロード可能
  • 読了時間:サンプルデータの作業も含めて6~8時間

 

わかばちゃんと学ぶ Webサイト制作の基本』湊川あい

C&R研究所、2,200円+税、304ページ、Kindle版有

 

現場で役立つ!実践的な内容を含んだ5冊

  • 現場のプロから学ぶ SEO技術バイブル
  • 1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方
  • たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング
  • できる100の新法則 Google Search Console
  • オウンドメディアのつくりかた

基本的なSEOの知識を理解しただけでは、実際の現場で悩む場面も少なくありません。そこでマーケティングやメディア全般の考え方や、裏側の技術面も知っておくことをおすすめします。ここからは、実際に運用する際に役立つ5冊をご紹介します。

6.現場のプロから学ぶ SEO技術バイブル

現場のプロから学ぶ SEO技術バイブル

良いコンテンツを作っても順位が上がらないのは、技術的な施策に不足がある可能性があります。SEOの施策や手順をはじめ、どのように実装していけば効果的なのか、SEOの技術をまとめた1冊です。エンジニアではなくても、実装にまつわる内容を知っておくといいでしょう。

本書では、MFI、リンクビルディング、サイトの高速化、Googlebotの制御などの方法が書かれています。技術に関する知識が章立てでまとめられているので、気になる箇所だけ読めるのもうれしいポイントです。

 

おすすめポイント
  • SEOの技術面の知識を得ることができる
  • マーケティングやSEO担当だけでなくエンジニアにも役立つ
  • 章立てで構成されているのでわかりやすい
  • 読了時間:記録なし(流し読みをしたあと、手元において必要なときに読むスタイルのため

 

現場のプロから学ぶ SEO技術バイブル』西山悠太朗、小林睦

マイナビ出版、2,980円+税、432ページ、Kindle版有

 

7.1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方

1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方—儲けのネタが今すぐ見つかるネットマーケティング手法 1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方—儲けのネタが今すぐ見つかるネットマーケティング手法

検索結果の上部の広告スペースに表示させられる「リスティング広告」。本書では、リスティング広告のキーワードの考え方が書かれていますが、SEOのキーワードを考えるうえでヒントになる部分が多くあります。

リスティング広告のキーワード選定の考え方は、SEOにおいてコンバージョンに近いキーワードを探すときに役立ちます。コンバージョンにつながるキーワードを見つけていきましょう。

 

おすすめポイント
  • 年商1億円を達成した著者が“売れる市場”の見つけ方を伝授
  • リスティング広告のキーワードの探し方からヒントをもらえる
  • コンバージョン施策を検討したいときにも役立つ
  • 読了時間:5時間

 

1億稼ぐ「検索キーワード」の見つけ方—儲けのネタが今すぐ見つかるネットマーケティング手法』滝井秀典

PHP研究所、514円+税、240ページ、Kindle版有

 

8.たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング

「スマートニュース」をアプリランキングで100位圏外からNo.1へ伸ばした著者が確立した「顧客ピラミッド」「9セグマップ」「N1分析」を公開!顧客起点マーケティングの考え方から、未購買顧客を顧客化、さらにロイヤル顧客化するアイデアをつかむことができます。

中でも「N1分析」という考え方は、SEOのキーワードを考えるうえで非常に有効。たった一人の“N1”を分析すると、その人がどんなキーワードで、どんなときに、どんな答えを求めて検索しているのか、イメージしやすくなります。キーワードの選定や、コンテンツ制作で活かせるアイデアにつながるでしょう。

 

おすすめポイント
  • 顧客起点のマーケティングを学べる
  • とくに「N1分析」はSEOに生かしやすい
  • キーワード選定やコンテンツ制作でアイデアが生まれる
  • 読了時間:5時間

 

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』西口一希

翔泳社、2,000円+税、240ページ、Kindle版有

 

9.できる100の新法則 Google Search Console

できる100の新法則 Google Search Console これからのSEOを変える 基本と実践 できる100の新法則シリーズ

キーワードの掲載順位やクリック率などを知ることができるGoogle Search Consoleは、SEO強化に必須なツールです。一方で、多機能であるがゆえに使いこなすのが難しい面があります。本書ではGoogle Search Consoleについて、項目ごとに解説しているので、知りたい情報から探して読めるのがメリットです。

全体をざっと読んで「こんな機能があるんだな」と把握してから、Google Search Consoleを触ってみるのがおすすめです。ただし、Google Search Consoleはアップデートされ続けており、多少本書の内容が当てはまらないことがありますので、その点は注意してください。

 

おすすめポイント
  • Google Search Consoleの機能が理解できる
  • 必要なところを絞って読むことも可能
  • 知らなかった機能を知るきっかけにもなる
  • 記録なし(流し読みをしたあと、手元において必要なときに読むスタイルのため)

 

できる100の新法則 Google Search Console これからのSEOを変える基本と実践』村山佑介、井上達也、できるシリーズ編集部

インプレス、1,800円+税、240ページ、Kindle版有

10.オウンドメディアのつくりかた

オウンドメディアのつくりかた - 「自分たちでつくる」ためのメディア運営

読者から愛されるメディアをどのようにして自分たちでつくり、続けていくことができるか。新たにオウンドメディアを立ち上げる際や運営に課題がある場合に、最適な1冊です。

目的の立て方、チームの作り方、インフラ側の準備、コンテンツの作り方など、オウンドメディア全般におけるノウハウが詰まっています。

 

おすすめポイント
  • オウンドメディアの立ち上げや課題がある場合に役立つ
  • オウンドメディア全般のノウハウがわかる
  • 愛されるメディア作りのヒントが詰まっている
  • 読了時間:4.5時間

 

オウンドメディアのつくりかた 「自分たちでつくる」ためのメディア運営』鷹木創、大内孝子(編著)

ビー・エヌ・エヌ新社、2,000円+税、228ページ、Kindle版有

 

10冊の本をヒントにSEOの理解を深める

検索順位を上げるためには、技術的な面やマーケティングの思考などさまざまな視点から考えることも重要です。SEOの知識だけに捉われず、幅広く知っておきたいところ。今回ご紹介した10冊の本をヒントに、SEOの理解を深めてみてください。

SEOを学ぶならこの10冊!基本から実践までおすすめ本をナイルコンサルが紹介ナイル株式会社 - ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。

SEOツールのおすすめをコンサルタントが正直に説明します

SEO対策を行う場合、欠かせないのがSEOツールです。SEOの観点からウェブサイトの内容をチェックしたり、現在の検索順位をキーワードごとに確認したり、対策すべきキーワードを洗い出したりと、膨大な作業をツールを使うことで効率よくこなしていくことができます。

SEOツールには無料のものと有料のものがあり、さらに目的に応じて様々なサービスが各社から提供されています。本記事では主なSEOツールと、その活用方法について解説していきます。

とくに良く使うツールに★をつけています。

ウェブサイト全体を調査するSEO分析ツール

Ahrefs (★)

SEO対策を進めるにあたり、まず行わなければならないのは自社サイトの現状を把握することです。ユーザーがどんなキーワードで流入しているのか、被リンクの数はどれくらいか、どこからどんなアンカーテキストでリンクされているのか等を調査することで、適切なSEO対策につなげることができます。

AhrefsはSEOコンサルタントから非常の信頼を集める調査ツールです。ダッシュボードにドメインを入れるだけでウェブサイトの状況を一覧することができ、Google Consoleと同等レベルのチェックが可能です。特に被リンクと流入キーワードの詳細なデータはSEO対策の戦略構築に欠かせません。

被リンク数はもちろん、サイト内での被リンクの多いページ、SNSでのシェア数、アンカーテキスト情報、オーガニック検索数、検索キーワード、競合しているサイトなど、様々な情報を深堀りして調査することができます。

まさにウェブサイトの健康診断ともいえるツールであり、SEO対策のスタート地点となるサービスです。

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ナイル株式会社 - ナイルのSEO相談室
- ナイル株式会社 - ナイルのSEO相談室

 

検索順位チェックツール

GRC(★)

キーワードの検索順位をボタン一つで大量に調べられるのが「GRC」です。多くのSEOコンサルタントやマーケターが愛用しています。

全機能を利用するにはライセンスを購入する必要のある有料ツールですが、機能を考えると決して高くありません。ライセンス購入後、ソフトをダウンロード、インストールして使用します。

GRCの特徴は、PCでの検索順位とモバイルでの検索順位の両方をそれぞれ確認できる点です(ただし両方と契約する必要があります)。

検索順位を確認できるツールとしては他にGoogle Consoleが有名ですが、Google ConsolePCとモバイル、どちらかの検索順位しか確認することができません。どちらになるかは、GoogleMFI(モバイルファーストインデックス)が適用されているかどうかで決まります。つまりユーザー側でコントロールできないのです。その点、GRCはどちらも確認することができます(ただしPC版とモバイル版、両方の契約が必要です)。

また、直近の順位変動や過去の順位変動をグラフでわかりやすく表示したり、起動時や指定時刻に順位をチェックしたり、競合サイトの検索順位を追跡したりすることもできます。多彩な機能を備えており、検索順位をチェックしたいときはまずこれといえる優秀なツールです。

Serposcope

GRCと同じく検索順位を調べることができるツールです。


Open source rank checker for SEO - serposcope.serphacker.com

機能面はほぼGRCと同じですが、インターフェースはGRCよりも少し使いにくいところがあります。また、日本語版や日本語サポートも用意されていないので、その点も注意が必要です。

メリットは完全無料で利用できる点。GRCと同等の機能が無料で使えるのは破格です。とりあえず無料で検索順位を確認したい場合や、普段はGRCを使っているけれど何らかの理由で使えない状況になったときの代替に便利です。

検索順位チェッカー

無料でキーワードの検索順位がチェックできるツールです。ダウンロードやインストール、会員登録などは不要で手軽に使える点が優れています。GoogleYahooBingといった主要な検索エンジンの順位を100位まで調べられます。PC版だけでなくモバイル版の検索順位もチェックできます。

弱点は一度に5つまでのキーワードしかチェックできないこと。数百〜数千といった大量のキーワードを一気にチェックしたいときはGRCSerposcopeを使用する方が無難です。

有料でもいいので高機能なツールが使いたければGRC、多少の不便はあっても高機能かつ無料なツールが良いならSerposcope、チェックしたいキーワードが少なく手軽に無料で確認したいときは検索順位チェッカーというふうに使い分けると良いでしょう。

ランキングチェッカー

ランキングチェッカーも完全無料で主要な検索エンジンの順位を確認できるツールです。

機能としてはほぼ検索順位チェッカーと同じです。一度に確認できるキーワードは5つまで。GoogleYahooBingにおける検索順位を100位まで調査できます。チェックできるのはPC版の順位だけでモバイル版はありません。

オホーツク

検索順位チェッカーやランキングチェッカーと同じく検索順位をチェックできる無料ツール。こちらは300位まで確認することができます。ただし、一度に確認できるキーワードは3つまでと限定的です。


Keywordmap|Webマーケティングの調査・分析ツール - Keywordmap for SEO|Webマーケティングの調...

トラフィック遷移やSNSでの反響なども調査することができます。Google Analyticsが扱いづらいと感じている場合は、代替ツールとしても便利です。

どのページがどんなキーワードで検索順位上位に表示されているのか、キーワードの検索ボリューム、CPCなどが一覧で確認でき、自社サイトの強みと弱みを知ることができます。同様の調査を競合サイトに対して行うことも可能です。自然検索だけでなく広告の出稿キーワードについても調査することができます。

Googleキーワードプランナー(★)

Googleが公式に提供する無料のキーワード調査ツールです。

指定したキーワードの検索結果と関連キーワード、検索ボリュームなどを調べられるので、SEO対策におけるキーワードの選定に役立ちます。検索ボリュームは月ごとやデバイスごと、地域ごとに傾向を見ることもできます。

Googleトレンド(★)

検索トレンドをチェックするためのGoogleの公式ツールです。


Google トレンド - Google Trends

Googleで検索されているキーワードの検索ボリュームの推移を調べることができます。国や期間を指定して調査することができ、特に検索数が上昇したキーワードは「急上昇ワード」としてピックアップされます。時期や地域によって検索キーワードのボリュームがどのように上下するのかを知ることで、先を読んだSEO施策が打てるでしょう。

パスカル(★)

パスカルは検索結果の上位に表示されるウェブサイトの内部施策を可視化してくれるツールです。


圧倒的に使いやすいSEOツール【パスカル】 - コンテンツSEOツール・パスカル

解析対象となるのは検索順位に影響を与えている項目です。ページの文字数やキーワードの使用数、見出しタグの文字数やキーワード使用数、strongalt属性といったSEO対策に重要なタグなどを抽出して解析し、最適な状態と比較して現状がどうなのかを教えてくれます。

自社サイトだけでなく競合サイトとの比較分析もできるので、検索上位のサイトに比べて自社サイトは何が不足しているのかを知る手助けにもなるでしょう。

この他、流入キーワードや関連キーワードの分析、検索ボリューム予測、Google Search Consoleとの連携など多くの機能を備えています。

ラッコキーワード( 旧:関連キーワードツール( 仮名・β版 ))(★)

キーワードを入力すると、サジェストキーワード(関連キーワード)に加えて「Yahoo!知恵袋」と「教えて!goo」の投稿の中からそのキーワードが使われている投稿をピックアップしてくれるサービスです。

たとえば「東京 レストラン」と入力してみると、夜景のきれいなレストランについて質問している投稿やディズニーリゾート内のレストランについて質問している投稿などが見つかります。つまり、「東京 レストラン」でSEO対策しているのであれば、夜景がきれいに見えるレストラン情報やディズニーリゾートのレストランについてのコンテンツを用意しておくと良いことがわかります。

質問サイトで質問されている内容は、まさに一般のユーザーがそのキーワードに関して疑問に感じていること。ここから、コンテンツを用意するべき関連キーワードが見つかるというわけです。

SEO難易度チェックツール

SEO対策の難易度はキーワードによって異なります。検索順位を上げやすいキーワードもあれば、上げるのが難しいキーワードもあります。競合サイトの多いビッグワードは検索順位を上げるのが難しく、競合サイトの少ないスモールワードは比較的SEO対策しやすいのです。なかなか順位の上がらないビッグワードよりもスモールワードに注力した方が良い場面は多いです。

そうしたキーワードごとのSEO難易度をチェックできるのが「SEO難易度チェックツール」です。

キーワードを入れるとSEO難易度、競合上位10件のうちタイトルやトップページにキーワードが含まれている数がわかります。CPCや関連キーワードも合わせて調査できるのが便利です。

コンテンツ制作でおすすめのツール

検索順位を上げるためにはユーザーのニーズに沿ったコンテンツを充実させる必要があります。コンテンツを制作する際に役立つツールを紹介します。

ラッコツールズ(★)

ラッコツールズはキーワードを入力すると、検索上位のサイトを分析して文字数や見出しタグ、Whois情報など様々なサイト情報を抽出してくれる無料のツールです。直接対象のURLを入力しても調べることができます。

特に見出しタグはSEOで重要な役割を果たす要素。見出しタグの設定をする際の参考になるでしょう。

コピらん

別のコンテンツとテキストが似通っている場合、Googleに重複コンテンツと判断されることがあります。重複コンテンツはペナルティを受けることがあるので、絶対に避けなければなりません。とはいえ、意図せず重複コンテンツになってしまうこともないとはいえません。

そこで便利なのが「コピらん」です。

入力したテキストを自動的に分解し、他のサイトで使われていないかどうかをチェックできます。コンテンツを制作した際は、念のためテキストをコピらんに入力してみると良いでしょう。

Google Search Console(★)

自社サイトにおける検索パフォーマンスを確認することができるツールです。


Google Search Console - search.google.com

Google Search Consoleをチェックすることで、検索ワードの観点から自社サイトの分析を行うことができます。ユーザーがどんな検索ワードで自社サイトに流入してきたか、自社サイトが特定の検索ワードでどれくらい表示されたのか、表示された回数のうちクリック数はどれくらいだったのか。検索に関する詳細な情報を分析することで、自社サイトにどのような改善が必要かが見えてくるでしょう。

競合調査ツール

SEO対策を行う上で競合分析は欠かせません。競合サイトにおけるキーワードごとの検索順位や被リンク数、広告出稿の状況、内部施策といった情報を入手することが競合分析の第一歩です。それらの情報はただサイトを眺めていてもわかりません。ツールを利用して効率よく情報を入手しましょう。

SEMrush(★)

競合調査だけでなくSEOに関する様々な情報を可視化できる非常に高機能なツールです。

無料でもある程度の機能が使えますが、有料プランにすることでSNS分析など便利な機能が追加で使えるようになります。

全体的には先に紹介したAhrefsと似ていますが、自社サイトと競合サイトを比較したレポートが作成できるなど競合比較についてはSEMrushの方が便利です。

また、SEO対策だけでなくリスティング広告やSNSのマーケティング業務を効率化することができるのも便利な点です。

similarweb

SEMrushに機能は似ていますが、similarwebは競合サイトの情報を入手する目的に特化しています。


Pardon Our Interruption - www.similarweb.com

競合調査だけならどちらを利用しても問題ありませんが、業務の効率化や施策のアイデアを考える上ではSEMrushの方が使いやすいでしょう。

SEOツールのおすすめをコンサルタントが正直に説明しますナイル株式会社 - ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。

「Webで戦っていてはだめ」美容(脱毛、エステなど)のWeb集客ノウハウ

ナイルでは様々な業界のWebマーケティング支援を行っています。
今回は美容関係(エステ、脱毛、美容鍼などの医院や店舗)の集客方法についてコンサルタントの経験を簡単にまとめました。

興味のある方は事例も見てみてください。

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医院・店舗のサイトで集客するにはWebだけで戦ってはだめ

悩みを抱えている人とのリアルな接点を忘れない

美容関係で集客したい場合、「施術を受けたい」、「悩みがある」のは、そこに住んでいる人がターゲットです。Webの世界だけで完結しようとせず、医院や店舗を構えているエリアで、リアルでも接点を持てるようにすることが重要です。

弊社でもご提案を行う際は、近くの結婚式場、大学などと提携ができないかなど、地域の施設との接点をどう持つのか?をWebマーケティングと合わせてご提案しています。
ネット上だけでの戦いにしてしまうと、どうしても価格勝負や、広告費勝負になってしまう商材もあります。たしかにできるだけ安い病院やお店を選びたいユーザーもいますが、自身の見た目に関することなので、慎重に情報を集める人も多くいます。安さ以外のアピールポイントを見つけ、それをどこで、いかに伝えるのかがポイントです。

また、リアルで接点をもつ場合も、リアルでの訴求内容とWebサイトでの訴求内容にずれがないように注意してください。もし、価格が少しでも違っていたり、店舗の特徴などが違っていると、信頼を失ってしまいます。このようなことを防ぐために、バラバラに考えるのではなく、Webマーケティングとセットで他の施策や広告も考えていきましょう。

クリニック・エステでの集客のポイント

広告費がどんどん増えている場合

美容の場合、やはり集客で頼りになるのは、広告型のプラットフォーム型のメディアだと思います。まつげエクステや整体院などを探すとき、ホットペッパーでまずは調べる人も多いでしょう。

しかし、利益率の観点で、こうした広告メディアに頼らない、あるいは広告費を徐々に減らしながら、集客したい医院や企業もあると思います。

その場合、まずは「手軽に検索できる広告型のプラットフォームを避けているユーザーに刺さるものはなにか」を考えることがポイントです。ただし、これがとてもむずかしいことです。

たとえば、ホットペッパーを見れば大体地元の美容関係のお店の情報が載っているはずです。それにも関わらず、ホットペッパーではなく、Googleでわざわざ検索しているのは、なにか理由があるはずです。

ざっと考えられる理由としては以下のようなものです。

1:独自の割引制度を狙っている

ホットペッパーよりも、医院やお店が独自で行っている割引の方が割引額が高いのではないか、と考えている場合です。そのため、あえてホットペッパーではなく、自分でお店や医院を探し、お店や医院が運営しているサイトから問い合わせようとしています。

もし初回の割引などをしている場合は、こうしたお客様のために料金のご案内ページにある割引の説明が分かりにくくないか?、TOPに割引の案内はあるか?見直した方がよいでしょう。

2:専門性の高い医院や、お店を探している

専門性の高い会社が、まとめサイトにまとめられていたり、広告を打ったりしていないのではないか、と考えているケースです。

その場合は値段ではなく、安心感、信頼感で勝負する必要があります。そのため写真を増やす、可能であれば医師や技術者の紹介ページにより詳細に施術への思いや経歴を書くなどしていきます。また「きちんとした会社なら、ホームページもきちんとしているはずだ」と考えて、ホットペッパーではなく検索でサイトを確認している可能性もあります。

結論から言えば流入キーワードからなぜそのキーワードで検索してくれているのかを考え、自社のサイトがその検索で知りたかった答えを与えられているのかを考えることになります。
上記はあくまで一例で、他の可能性も考えられるので、キーワード調査は慎重に行いましょう。

キーワード調査についてはこの記事も参考にしてみてください。

SEOで「勝てる」キーワードの選び方!カスタマージャーニーを活用しよう

地名×施術名で上位表示するには?

そうはいっても、いまの世間の状況下だとひとまずWebの世界でできる施策から始めていくことになると思います。

医院や店舗のサイトにWebで集客するならば、はやり「地名×目的」(例:「五反田 脱毛」「五反田 エステ」「五反田 美容鍼」)、のように地名と症例、地名と施術名の掛け合わせで上位表示を狙いたいですよね。

地名で検索結果の面をとるならば、スタンダードな取り組みはtitleタグなどにきちんと地名を入れることと、MEOです。

そして意外かもしれませんが、順位を上げるには内部リンクの改善も、とても効果的です。

エステ・脱毛など美容関係のSEO

たとえば、五反田と横浜に医院があるクリニックで五反田院と横浜院のページがあるとします。

それぞれのページへ内部リンクを集めたり、サイト内に自然な文脈で回遊しやすいように内部リンクを修正していくと、そのページの順位が上がっていきます。

titleタグやMEOをやりきるのは重要ですが、実は内部リンクもとても効果的だと実感しています。

▼titleタグや内部リンクを直したサイトのクリック数の例

美容関係(脱毛、エステなど)の集客のため施策を行った成果の例

一方で、やってしまいがちなのが「地名を入れたコラム記事を作る」というものです。

しかし、これは以下2点の理由でお勧めしません。お客様から提案されたこともありますが、実施しませんでした。

1:検索意図にマッチしない

記事は「脱毛 やけど」「美容鍼 あと」など、解説が必要なものを専門的に分かりやすく説明するから価値があります。「五反田で脱毛するなら、ウチの医院が良い理由」を3000文字や5000文字の記事にしても、上位表示は難しいでしょう。「五反田 脱毛」でユーザーが知りたいのは、五反田にどんな医院があるのか、価格、雰囲気、どんな施術があるのか、などです。よってクリニック単体の紹介ページで上位表示できるように取り組むことを推奨します。

2:そもそも「地名×施術名」で記事を書くこと自体が難しい

もし、どうしてもコラムやブログ記事に地名を入れたいというのであれば、コラム記事の最後の方に「五反田で脱毛をお考えの方はナイルクリニックへ」のような形式で一文を入れることを推奨します。

メディアは特性を生かしたコンテンツ制作体制をまずは整えよう

ここまでは医院やお店の美容関係の集客方法を考えていきました。では、もし美容関係のメディアの場合は、どうやって集客の戦略を考えるのが良いでしょうか。

メディアは地名の戦いではなくなるので、熾烈な戦いになりますがビックキーワードで上位表示することがメディアが生き残るために重要です。しかし、ビッグキーワードは上位表示できるまでに時間がかかることがほとんどです。なので、ビッグキーワードの中でもサブになるキーワードを狙って、細かい流入数も重ねていきます。

脱毛ならば「子供にやらせたいけれど何歳からやればいいのか」「金属アレルギーだけど大丈夫なのか」「痛いと聞くけど痛み止めはあるのか」などです。

医院や店舗のサイトでも、上記のテーマで記事を書くことはできます。しかし、医師や施術者の好みで書きにくいテーマがあったり、痛み止めを用意していないなど医院の都合でその話題をかけなかったり、先生が忙しくて監修できない記事があったりします。

一方メディアだと、監修はお金を払って有識者に頼めることが多いので、その分コンテンツの幅が広げやすい傾向があります。Webサイトの形だけではなくて、医院なら医院のメリット、メディアならメディアのメリットを活かしてコンテンツ制作体制を整えていくのがポイントです。

キーワード戦略を立ててコンテンツ制作を始めようとしても、体制ができていないと戦略を実行にうつせません。そのため記事を計画的に量産できる体制づくりをまずは考えるのをおすすめします。

まとめ

今回はエステやまつげエクステなどのサロン、脱毛などを行う医院など美容をテーマにした実店舗型のサイトの集客と、メディアの集客について簡単に説明しました。

競合が多いテーマですが、悩みを抱えている人や、施術で失敗しないように一生懸命情報を探している人は多いです。顧客接点の持ち方や、情報発信の工夫のしがいがある領域だと思いますので、少しでも参考になれば幸いです。

「Webで戦っていてはだめ」美容(脱毛、エステなど)のWeb集客ノウハウナイル株式会社 - ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。

【事例】構造化データ実装による順位・クリック数・セッション数などの成功事例

この記事では構造化データを実装することにより、順位・クリック数・セッション数・クリック率がどの程度増えたのかをご紹介します。

今回は「FAQ(よくある質問)」に構造化データを実装し、リッチリザルトを表示した結果の成果をご説明します。
構造化データを実装することで、どのような数値成果が実際に得られるか、あまりイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか?
この記事ではそのような方の参考になれば幸いです。

また構造化データが何か分からない方も、本記事を一度読んでみた上で、構造化データの関連記事を見ていただくと、構造化データが一体何なのか、自社のサイトにどんな貢献をする可能性があるのか、イメージできるようになると思います。

「よくある質問(FAQ)」のリッチリザルトとは?

FAQ(Webサイトにある、よくある質問のページ)のリッチリザルトは、特定のトピックに関する質問と、回答が、meta descriptionの下にリスト形式で並び、質問をクリックすると対応する回答が表示されます。

▼検索結果のイメージ

FAQのリッチリザルトのイメージ

引用:検索ギャラリーを見る 

もし構造化データを実装していない場合、検索結果にはmeta descriptionまでしか表示されません。
FAQの リッチリザルトを表示させるためには構造化データを実装する必要があります。具体的な実装方法はGoogle検索ディベロッパー (構造化データを使用して「よくある質問」をマークアップする)をご参照下さい。

構造化データとは

構造化データとは、HTML上のデータを検索エンジンが理解しやすいようにタグ付け、データに意味を付与することです。

たとえば今回の記事では、構造化データを実装することで検索エンジンに「この文章はFAQである(質問と回答の関係になっている)」と理解させることができ、それに適した検索結果(リッリリザルト)になるイメージです。

構造化データを実装するメリットは、主に2つあります。

①検索エンジンがサイトコンテンツの把握を容易に行えるようになる
②検索結果にリッチスニペットを表示できる

今回は「②検索結果にリッチスニペットを表示できる」ことで得られる成果についてご説明いたします。

構造化データについてよくわからないな、という方は、初心者向けに解説している記事もありますので、以下を読んでみてください。

構造化データにより表示されるリッチリザルトの種類

構造化データを実装することで表示される、リッチリザルトの種類は以下のようなものがあります。

  • Article
  • パンくずリスト
  • Event
  • よくある質問(FAQ)
  • ハウツー(How-to)

など。

その他、Googleが発表しているリッチリザルトの種類はGoogle 検索デベロッパー(ガイド検索ギャラリーを見る)を参照下さい。

その中でこの記事では「成果に結びついた事例」の1つとして、「よくある質問(FAQ)」に構造化データを実装した事例を取り上げます。

よくある質問(FAQ)構造化データを実装した成功例

実装した2つのサイトでクリック率、オーガニックセッション数、順位が向上しました。

電子機器メーカー様事例

▼クリック数1.24倍、CTR1.25倍に増加しました。

2020-07-28_13h20_05

※Google Search Consoleでの結果 期間:実装前日60日間、実装翌日から60日間の比較

 

▼オーガニックセッションが1.24倍増加しました。

2020-07-28_13h21_44

※Googleアナリティクスでの結果 期間:実装前日60日間、実装翌日から60日間の比較

 

▼検索結果順位の推移。メインキーワードAおよびサブキーワードで1位を獲得しました。

2020-07-28_13h22_51

※Googleでの検索順位

BtoB向けサービス業様事例

▼クリック数1.39倍、CTR1.05倍増加しました。

 2020-07-28_13h23_30

※Google Search Consoleでの結果  期間:実装前日60日間、実装翌日から60日間の比較

▼オーガニックセッションが1.38倍増加しました。

2020-07-28_13h24_03

※Googleアナリティクスでの結果

期間:実装前日60日間、実装翌日から60日間の比較

▼検索結果順位の推移。メインキーワードAおよびサブキーワードで順位が向上しました。

2020-07-28_13h24_31

※Googleでの検索順位

成果として、2社の事例では各々のオーガニックセッション数、クリック率、CTR率、順位が向上しました。

実は、実装前に「ユーザーが検索結果上のFAQの内容で満足してしまい、FAQ構造化データを実装することでクリック率等が減少するのではないか?」とクライアント様より懸念の声がありましたが、結果は上記の通り良好なものでした。

まとめ

構造化データの重要性・有用性をFAQリッチリザルトの成功例を取り上げて紹介いたしました。構造化データにより表示されるリッチリザルトの種類はFAQ以外にも多岐に渡るため、サイト特性や状況にあった構造化データを実装することで流入増加等の成果が見込める可能性があります。Web集客に課題をお持ちのお客様のヒントになれば幸いです。

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【事例】構造化データ実装による順位・クリック数・セッション数などの成功事例ナイル株式会社 - ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。

レッドオーシャンの保険業界。SEOで集客の勝ち筋を見つけるには?

SEOの世界には「保険」や「クレジットカード」「脱毛」など、検索のレッドオーシャンが存在します。
今回は「保険業界」のSEO戦略の考え方について解説します。

この記事では、

  • SEO施策を行う前に考えておくことは、「保険に入る前のユーザーの動き」
  • 「保険に入る前のユーザーの動き」ごとにSEO対策の考え方が変わる

についてお話します。もっと具体的な内容が知りたい方は、お問い合わせいただくか、メルマガでQ&Aも実施しているので、そちらからご質問ください。

保険契約前のユーザーの動きから考えよう

当たり前のことを書いてしまいますが、保険の種類によって対策の方向性は大きく変わります。
まずは保険契約前のユーザーの動きから、保険を大きく2つの種類に分けてSEO対策の方向性を考えてみましょう。

大きく分けると、保険は「ちゃんと検討したい保険」と「手軽に申し込みたい保険」があります。

 

保険業界のSEOの考え方

①ちゃんと検討したい保険

ユーザーが申し込みする前に、自分できちんと本、ネット、周囲の評判などを調べる行動をとる保険です。
たとえば生命保険などがそうですよね。

  • 簡単に申し込まない保険
  • 一度申し込めば、ずっとその保険と付き合ってくことが多い
  • 契約期日が長い保険

などが当てはまる保険は、ユーザーはかなり真剣に保険の情報を集めます。

②手軽に申し込みたい保険

一方で、保険の中には、あまり深くは考えずに、手軽に申し込みたいものがあります。
海外旅行保険はその最たるものです。
旅行に行く前に空港ですっと申し込んで、海外旅行帰ってきたらもう契約は終わりです。

保険を申し込む前のユーザーの動きは大きく上記の2つに分かれますが、はっきりと分かれるわけではなく判断が難しいものもあります。

たとえば自動車保険の場合は、普段使いの車で保険に入る場合は①ちゃんと検討したい保険ですが、旅行先などでレンタカーになると②手軽に申し込みたい保険になります。
このように同じ種類の保険でもユーザーの保険申し込み前の動きは異なるので、自社がターゲットとするユーザーがどのような心理で申し込みまでの動きをしているのかはきちんと考える必要があります。

 

①ちゃんと検討したい保険のSEO対策(生命保険など)

これらの保険は、①ちゃんと検討したい保険 に当てはまります。

こういった保険には、いろんな種類の検索キーワードがあります。実は特定のキーワードの順位の話だけでいえば、ちゃんと検討したい保険は大手のドメインではなくてもSEOで勝ち目があることも多いです。

「ちゃんと自分で調べて入りたい」ので、ユーザーはさまざまなキーワードで検索をして情報を集めています。
しかし、そのキーワード1つ1つに、正しい情報や、ユーザーが知りたい情報を記載しているページは意外となかったりします。
たとえば、生命保険の場合、以下のようなキーワードが検索されています。

生命保険 うつ病 ばれる

生命保険 精神疾患

生命保険 タトゥー

入会前にユーザーは様々なキーワードで検索をするけれども、大手サイトでも、そこまで細かいニーズを拾うようなコンテンツは用意されていないことがあるのです。
こういったキーワードを押さえていくと、「これこれ!この情報が知りたかったんだ!」とユーザーが思えるコンテンツを提供できます。

考え方として大切なのは、順位を取ると言うよりは「検索キーワード」に対して接客をする、というアプローチです。

 

保険業界のSEO対策~生命保険など~

検索キーワードに丁寧に答えるコンテンツを作っても、大手のドメインの方が評価されることはよくあります。
しかし、興味深いのは、真剣に調べているユーザーは求めている答えを見つけたいので、多少順位が下方でも検索結果をクリックして情報を集めようとしている傾向があることです。

これまでの経験からいっても、生命保険や、医療保険のようなサービスの場合、検索結果1位のサイトの内容だけをみて、契約を決めることは、かなり少ないと考えられます。
そのため、もし大手のドメインのサイトではないとしても、検索キーワードを1つ1つ分析していき、ユーザーの不安を取り除けるように丁寧に接客をするイメージでコンテンツをつくるところから行うことが多いです。

②手軽に申し込みたい保険の場合(海外旅行保険など)

②手軽に申し込みたい保険 に分類するものは、検索キーワードの対策の優先度は下がります。もちろん重要ではありますが、上記の保険ほど投資対効果はよくないです。

海外旅行保険は、もう旅行行く前になんなら空港で申し込んじゃえ、ぐらいの勢いではないでしょうか?そのため、上記に比べると検索をされる機会が少ないのです。
ちゃんと調べて選ぼうか、というユーザーはいるので、そのような人に向けてコンテンツを作っておくことは賛成です。
しかし、生命保険などに比べると、検索される機会が少ない分、企業としての投資対効果を考えると優先度は下がります。

では、どのような施策が最重要なのかといえば、メインワードをとることになります。
メインワードに対応するランディングページの内部リンクの整理、コンテンツの精査、回遊をしやすくする、など、特定のぺージを徹底的に磨いていく方が、投資対効果は高まる傾向があります。

 

保険業界のSEO対策~海外旅行保険など~

 

まとめ

今回はSEOのテクニックの話ではなく、保険の業界に絞ってSEOにおける重要な考え方を記載しました。あくまで経験による話にはなりますが、

  • 保険加入前のユーザーの行動をよく考える
  • ユーザーの行動が「よく調べるもの」ならば、調べる際に検索を活用する場面が多いはず。よって、その検索キーワードに対して1つ1つ接客するコンテンツを作成する
  • ユーザーがよく調べずに入会する傾向がある保険の場合は、保険のメインキーワード「〇〇保険」での上位表示をとことん狙っていく

ことが、SEOでお問い合わせを獲得するまでの投資対効果が高いのではないかと考えます。

当然例外はあるかと思いますが、この考え方がこれから保険業界でSEOを強化していきたい企業のご担当者さまの参考になりましたら幸いです。

またナイルでは保険業界やクレジットカードなど金融業界の事例が多くあります。よろしければこちらも参考にしてみてください。

ほけんの窓口グループ株式会社運営の「ほけんの窓口」で、集客面とサイトの利用状況の改善をサポート 

【インタビュー】三井住友カード、「セミインハウス」によるサイト作成を実現。事業主とベンダが良好な関係を保つための「2つの愛」とは

レッドオーシャンの保険業界。SEOで集客の勝ち筋を見つけるには?ナイル株式会社 - ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。

今からWebマーケティングを強化したい企業がやるべきことは何か?

これからWebマーケティングに力をいれるとなったとき、まずどこから手を付ければよいのか?ナイルのデジタルマーケティング戦略顧問であり、日本法人ではなくUS現地のAdobe本社でAdobeAnalyticsの開発にも携わった清水誠氏と、ナイルのアナリストユニットリーダー・清水拓也に話を聞きました。

この記事では、

  • 今までWebマーケティングをしていなかった企業が、最初に着手することはユーザーの理解。まず手軽にできるのは、Google アナリティクスのユーザーエクスプローラーの活用
  • データはアウトプットではなく、インプット。これからデータ活用をしたい企業は、どんなツールを入れればよいか?
  • 数字成果を求められる現場で、ユーザー理解に時間を使うことが難しい場合は?

などをお話しています。

ユーザーがサイト内をどう動いているか、どのくらい知っていますか?

――企業サイトは持っていても、更新や分析、SEOなどを行っていない企業も多いかと思います。そうした企業が「これからWebマーケティングに力を入れたい」となったとき、最初にするべきことは何でしょうか。

清水誠:そのサイトは、誰にどうなってもらうために作られたのか、改めて考え直すことだと思います。分析ツールを入れれば、ページビュー(PV)がいくつあった、1日平均何人が来た、という数字はわかります。しかし、目的があやふやなままでは、数字をどう解釈すればいいか分からず、有効に活用できないんです。

清水拓也:確かに、「なぜかアクセスが下がった、どうしよう」と相談されるお客様のなかには、目先の数字に一喜一憂しているケースも少なくないですね。ECサイトなら明確なゴールを設定しやすいですが、そうではないサイトは「もっとアクセスしてほしい」「お問合せをしてほしい」といった企業視点で数字を語りがちです。まずは、サイトの訪問者にどう変わってほしいのか、目的を捉え直すべきかと思います。

 

――ユーザーの視点を得るために、具体的にはなにから着手すればよいでしょうか。

清水誠氏

写真:清水誠氏

清水誠:ユーザーがサイト内をどのように動いているのか、実際に追いかけてみるといいでしょう。例えば、無料で導入できるGoogle アナリティクス(GA)には「ユーザーエクスプローラー」という機能があり、ユーザーがサイト内でどういう行動をしているのか、時系列で追いかけることができます。誰か一人の行動に着目すると、こんな使われ方をしていたのか、とか、この辺りは使い勝手が悪そうだ、という発見がある。10人も追いかければ、お客様ひとりひとりの顔が浮かんできて、ここでこうしたほうがいいんだろうな、と考えられるようになります。こうして顧客像をつかむところからスタートするといいと思いますね。

 

――たしかにユーザーエクスプローラーなら、GAで分析をしたことがない人も、すぐに触ってユーザーのサイト内の動きを確認できます。

Google Analyticsの「ユーザー」→「ユーザーエクスプローラー」→一覧表示されるクライアントID

※GAで「ユーザー」→「ユーザーエクスプローラー」→一覧表示されるクライアントIDをクリックすると、そのIDのユーザーがサイト内でどのように動いたのかを、時系列で確認できる

データはアウトプットではなく、インプットに使うもの

――GAの話が出ましたが、ユーザーを知るためにはどんなツールを使うとよいでしょうか。

清水拓也:アナリティクスのツールとしては、大半が無償版のGA、次いでAdobe Analytics(AA)、有償版のGA 360の順に利用が多いです。AAは大量のデータをリアルタイムにさばくのに長けているので、ビッグデータを扱う企業でよく導入されています。個人的には、有償版のGAを使うならAAのほうがいいですね。GAは有償版であっても、データ量が多いとサンプリング(データから一部を取り出して推定すること)が発生するので、ビッグデータで精度を求めるならAAでしょう。

清水誠:その代わり、AAはデータの持ち方などがかなりテクニカルな作りなんですよね。よく分からないまま使うと、違うデータを元に誤った分析をしてしまいがち。データ取得などの部分は外部に委託して、自分たちは分析などに専念するのがよさそうです。

清水拓也:そうですね。GAやAAのスキルはかなり専門的ですし、専任を置けないのであれば外部に任せたほうがスピード感を出せると思います。

清水誠:あと、最近はKARTEのようなWeb接客ツールも出ています。KARTEは、サイト内をどんな人がどう動いたか見ることができますし、訪問者によってコンテンツを出し分けることもできます。今から何か導入するのなら、GAなどの分析ツールではなく、最初はこうしたツールを入れるのもありでしょうね。

 

――GAやAAといった分析ツールとは、だいぶ種類が違うツールにも感じますが?

清水誠:「アナリティクス=分析」ではないんです。アナリティクスはあくまでデータを取得するための装置であって、取り出したデータを活用しなければ意味がありません。アナリティクスから取得したデータは、レポートにまとめて終わらせるものではなく、ユーザーとのコミュニケーションの起点となるべきもの。言わば、データはアウトプットではなく、インプットだと考えるべきです。例えばAAであれば、Web上の出し分けはAdobe Target、MAツールはAdobe Campaignといった連携サービスが用意されています。

清水拓也:その意味で接客ツールは、データ取得からコミュニケーションまでの一連の流れを体験できますね。他にも、広告におけるリマーケティング/リターゲティングなんて、まさにデータをインプットとして活用するもの。データからニーズを把握すれば、お客様に寄り添った接客ができます。これもユーザー視点として大切なことでしょう。

ツールの使い方よりも勉強した方がよいこと

――既に企業サイトが公開されている場合、そのサイトが構造的に分析しやすいものか否かも大事なのかと思います。分析しやすいようにディレクトリ構造などを改善したほうがいいのか、それとも分析ツールを現在のサイトに合わせてカスタマイズしたほうがいいのか、悩むところだと思うのですが。

清水拓也:検索意図が異なるのに、同じディレクトリにたどり着くようになっていたりすると、ユーザーの行動が推測しづらいんですよね。分析しようとしても社内でGAがうまく設定できなくて、私たちに依頼が来ることもよくあります。

清水誠分析しにくい、データが取りにくいサイトって、結局使い勝手が悪いと思うんですね。

清水拓也氏

写真:清水拓也氏

清水拓也:なるほど、それはありますね。

清水誠:情報が分かりやすく整理されていれば、データも取りやすいはずなんです。例えば銀行のサイトは、「法人」と「個人」が区別され、「貯める」「借りる」「増やす」といった用途の異なるコンテンツが混じり合ってはいませんよね。お客様にどう使ってもらいたいかを整理すると、必然的にサイトも分かりやすくなり、データも取りやすくなります。

 

――裏を返せば、分析がしにくいサイトはユーザー視点ではなく、企業視点で作られていることになりますね。

清水誠:そういうことですね。そうなるとサイト自体を直すべきでしょうし、そもそもWebサイトがどのように製作・開発されるかも知っておいたほうがいいと思います。

 

――それはなぜでしょうか?

清水誠:HTMLもJavaScriptもCookieも分からない状態だと、どんなデータがどう取れているのか、また、どんなデータが取れる可能性があるかも分からないんです。リアルな店舗に例えるなら、店内のどこにどんな商品があるか、お客様の導線はどうなっているか、店員はどんな対応をしているのか……など、ある程度実情を把握していないと、データの見方なんてわからないですよね。それと一緒で、サイトの作りを理解しておかないと、得られたデータを正しく見ることができません。

清水拓也:うちのチームにも「数字だけを最初に見ず、サイトから見るように」とは伝えていますね。ツールに慣れると数字遊びが楽しくなって、目的から離れてしまったりするんです。まずサイトの理解からですね。

 

――数字だけ追い求めてしまうと「店のことは知らないけど、とにかく人を呼んでこい」みたいなことになるわけですね。

清水誠:そうですね。とにかく人を呼んで、来た人には無理やりにでも商品を買ってもらおうとする。また人が来なくなると、なんとなくボタンの色を緑から赤に変えてみたりする
いくら企業視点を押しつけても、うまくいくわけがないですよね。

 

数字成果を求められる現場で、ユーザー理解に時間を使うことが難しい場合は?

――「数字ではなく、ユーザーやサイトの理解こそ本質である」と理解しましたが、社内で数字のプレッシャーを受けている方も多くいるのではと思います。そうした層を説得するために、お二人はどんな施策から着手されているのでしょうか。

清水誠:「コンセプトダイアグラム」のようなワークショップを通じて、そもそもどういう人にどうなってもらうのがビジネスにとって望ましいのか、最初に整理してもらうところから始めています。簡単ではないですが、一度整理できると「○○に力を入れよう」など、社内で共通言語が生まれるので、そのあとの施策が実現しやすくなります。

▼コンセプトダイアグラムの例

引用:コンセプトダイアグラムでわかる [清水式]ビジュアルWeb解析 (Web Professional Books)ー清水誠著 100ページ目

コンセプトダイアグラムサンプル

コンセプトダイアグラムの例

※コンセプトダイアグラム:企業が望むゴールに顧客が到達するまでの過程を、縦と横の軸を用いて表現する図法。「売上」「単価」といった企業視点ではなく、「こだわりの強さ」「自己理解」といった顧客視点の心理的な要因を設定するのが特徴。

※参考記事1:カスタマー視点とアナリティクスでSEOはこう変わる | ナイルのSEO相談室

※参考記事2:ユーザーの検索体験を「SEO成果指標」として可視化する方法(概念と準備編)|ナイルのSEO相談室

清水拓也:訪問数などの数字が増えても、コンバージョン(CV)につながるとは限りませんので、流入経路や継続状況、CV傾向などの行動パターンについてPDCA調査を行います。必ず定量分析のあとに定性分析をやるようにしていますね。

清水誠:両方大事ですよね。定量分析で当たりをつけたあと、ユーザーエクスプローラーで訪問者の動きを追った定性分析をして、さらにこのパターンがあるなら……と定量分析に戻って。グルグル回していくと、いくらでも発見がありますよね。

清水拓也:定性分析はやればやるほど仮説が生まれるので、キリが無いんですよね(笑) 定量分析と定性分析を行ったり来たりすれば、SEO施策やコンテンツのネタは尽きないと思います。

清水誠:そうなんです。なぜ定量分析と定性分析を行き来すれば施策のアイデアが尽きないのかというと、顧客理解が進んでいるからですよ。数字だけを見て、パフォーマンスチューニングや最適化をしても、顧客理解は全く進みません。むしろ「騙される客がこの辺にいる」という変な理解が進んでしまう。

清水拓也:サービスや顧客を理解していないと、的外れな改善施策に取り組んでしまいますよね。それこそ「ボタンの色を目立つ色に変えたら押してくれるのでは」みたいな。それも企業視点ですから。

清水誠:コロナウイルスという危機的状況下で、そうした企業の姿勢が浮き彫りになってきたと感じます。こんな時に目先の数字に焦った施策をするのか、自分たちに貢献できる事を考えてユーザーとコミュニケーションを図るのか、どちらがより良い動きなのかは明白です。顧客視点が抜けたサイトは、もう増えてほしくないですね。世の中を良い方向に導くのが、本来の企業活動だと思いますから。

――Webマーケティングは施策成果やユーザーの動きをデータで見ることができるので、データの「数字」を良くすることを意識してしまうのかもしれません。データを読み解くことでユーザーを理解し、それが結果としてアクセス数やCV数といった数字成果や、成果をもたらす施策に繋がっていくのですね。本日はお忙しい中、ありがとうございました!

今からWebマーケティングを強化したい企業がやるべきことは何か?ナイル株式会社 - ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。

SEOの情報収集のポイント

SEOはアルゴリズムアップデート、Google Search Consoleの新機能の発表、検索結果画面の変更など、新しい情報が多い業界です。また、英語の情報を見る機会や、いくつかの日本語訳された記事を見て情報を判断することも多いと思います。今回は「情報収集のポイント」として、

①コンテンツを作るときだけではなく、コンテンツを読むときにもE-A-Tを意識すること

②SEOの「正しい」情報を集めるために、ナイルのコンサルタントがやっていること

を解説します。

記事を読むときこそ、E-A-Tを意識しよう

SEOに携わる人なら誰もが知っているE-A-Tは、コンテンツを作る際に考えられることが多いように思います。

E-A-T

しかし、インターネット上にある情報を読むときこそ、E-A-Tを意識すると、正しい情報により早くアクセスできるのではないでしょうか。
また、情報を集めるときに、日頃からE-A-Tを意識することはいいコンテンツ作りにも活かせるんじゃないかと思います。

例えば記事を読むときには、以下のような点を確認してみてください。

  • 誰が運用しているか
  • 何をもとにその記事を書いているか
  • その記事がシェアされている場合、どういう人がシェアしているか

その辺りを単純に情報が流れてきたときに、パッと見るのではなく、一歩引いて確認すると、その情報の正確さや、もし偏った意見になっている場合はその偏りに気づくことができます。

書籍や論文を読む時は、だれもが著者の研究内容、所属企業を確認すると思います。また、研究論文を読むならば調査範囲などを調べ、その著者の情報が信じられるものかどうか考えると思います。

それと同じことを、インターネットで手軽に情報が入るからこそ、考えてみると、良質な情報を判断できるようになります。

特にSEOはそのあたりを誤ってしまうと、サイトに大きなマイナスの影響を与えかねないので、時間が許す限りは、しっかりと情報と情報元を確認することをおすすめします。

ナイルのSEOコンサルタントの情報の集め方

SEOの世界ではGoogleの社員のツイートなどを含めると、月に何百もの情報が流れます。

その情報を正確に理解するために、どのようなことをしているのか解説していきます。

一次情報を読む

SEOの世界での一次情報の判断は難しく、「何をもって一次情報とするか」という疑問はあると思いますが、、、

ここでは、

  • 施策の実施者による経験や、調査の結果
  • Googleの公式アナウンス

を一次情報としてお話したいと思います。

企業ブログや、個人ブログなどでSEOの情報を見るときは、その情報がその人やその企業の経験、調査に基づく一次情報なのか、あるいは本や他の記事などを読んで考えたことなのか、まずは客観的に考えてみるのがよいでしょう。

次に、もしその情報が一次情報ではないのなら、記事の中にある引用元や、参照記事を確認しに行きましょう。

それを繰り返すことで、元の記事(=一次情報)にたどり着ける可能性があります。

また、Googleの発表はまずTwitterで出すことが多いので、Googleの主要なTwitterアカウントを押さえていくのが最低限アクセスする上で重要です。

▼アカウントの例
Google Webmasters:https://twitter.com/googlewmc

Google WebmastersTwitterアカウント

140文字ですし、そんなに難しい表現をGoogle側も使っていないため、英語に不慣れでも読めます。

そのうえで、さらに詳しい情報がほしくてインターネット上で情報を探している時や、誰かのSEOに関する記事の参照を辿った時、Googleの発表・Google社員の発言・Googleのイベントでの内容など、一次情報は英語のソースにあたることが多いです。

少し気が重いかもしれませんが、英語の記事であっても必ず自分で読むようにしましょう。

Googleの拡張ツールをいれておき、英語を一発で日本語訳してしまえば、ある程度は読める文章になります。

また、Googleはブログも公開しているので、大切な情報は合わせてそちらも確認すると良いでしょう。

英語で情報を集めるときには、「直訳部分」にアンテナを張る

Google翻訳をしてみて、日本語になった記事を読むときには、「直訳になっている」「意味が伝わらない日本語」にアンテナを張って読んでみてください。

これはやっているうちにどんどん慣れてきて、気づけるようになります。

初めての人でも、アンテナさえ張っていれば気づけると思います。

こちらはChromium Blog: Introducing Web Vitals: essential metrics for a healthy site(和訳 Chromiumブログ:Web Vitalsの紹介:健全なサイトに不可欠な指標 のLCPの解説を日本語訳にしたものです。

最大のContentful Paintは、認識された読み込み速度を測定し、ページのメインコンテンツが読み込まれる可能性が高いときに、ページ読み込みタイムラインのポイントをマークします。

元の英文はこちらです。

Largest Contentful Paint measures perceived load speed and marks the point in the page load timeline when the page’s main content has likely loaded.

たとえばですが

  • 「最大のContentful Paint」ってLCPのことかな?
  • 「認識された読み込み速度」って何?何が、何を認識するの?
  • 「読み込まれる可能性」って具体的に何?

など、直訳されているところに、アンテナを張って読んでみましょう。

慣れてくるとこのあたりの抽象的な訳に対して「このことを言っているのかな」と自分なりの答えがつかめてきます。まずは英単語・英文を見に行き、その単語の意味を調べ、SEOの知識と紐づけて「このことを言っているのかな」と仮説を持ちながら読んでいきます。

たとえば上記の英文なら、私は以下のように訳します。

「LCPは、そのページのメインコンテンツが、読み込まれた(だろう)時間を計測する指標」

とはいえ、「メインコンテンツ」とは何だろう?などの疑問も残ると思うので、更に参考(外部サイト):Largest Contentful Paint (LCP)の説明を読み、理解を深める他、他の方が訳された内容と比較して、少しずつ精度を高めていくと良いです。

例えば、鈴木健一さんは、Web担当者Forumにて、

「(LCPとは)「最大コンテンツの描画」の意味で、ユーザーの認識としてのページ表示速度を測る指標。ブラウザの表示範囲内で、最も大きなコンテンツ(画像・動画の初期表示画像・背景画像のある要素・テキストを含むブロックレベル要素など、そのページでメインとなるコンテンツ)が表示されるまでの時間を表す。」

参考(外部サイト):【重要】コアウェブバイタルとは? グーグルのUX指標LCP/FID/CLSの意味や基準値をわかりやすく解説【SEO情報まとめ】|海外&国内SEO情報ウォッチ|web担当者Forum から引用

と訳されており、先程のページと合わせて、「メインコンテンツ=最も大きな(読み込みに時間を要する)コンテンツ」であることがわかります。

このように、最初は時間がかかりますが、気になる訳を1つ1つ解決していくと、自分でも正しい情報を取得できるようになります。

正しい情報の取得

Web Vitalsのニュースならば 「FID」「LCP」「CLS」という3つのキーワードについては、直訳したり、自分なりに意訳し、それぞれがどういう意味なのかを把握しつつ、Googleのヘルプ記事を読み込みます。

このように自分で一次情報をしっかり理解してから、翻訳されたサイトの記事を見に行くことがポイントです。翻訳された内容だけで理解しようとすると、確認した記事によっては誤った解釈で施策を実行してしまう可能性もあります。

SNSでの話題になり方で、その情報のインパクトや性質の傾向を読んでみる

SEOに関する情報は、Webサイトへのインパクトが小さなものから、大きなものまでさまざまです。

まずは、自分で一次情報を読んで、その情報が自社サイトへのインパクトがどの程度もたらすものかを考えてみてください。

一方で、その情報がもたらすWebサイトへの影響は、SNSのSEO関係者の反応からも想像できたりします。

ここではざっくりとした傾向ですが、以下のようなニュースはSNSではそんなに大きく盛り上がらない傾向にあります。

  • 検索結果で四角く枠がつきました、のような、自分の手ではどうしようもないもの
  • そこまで順位にひびかなそうなもの
  • Googleのテスト段階の情報

SNSで盛り上がらないからと言って、一概に影響が小さいわけではありませんが、1つの参考にはなると思います。

(個人的にはこういったニュースはとても好きで、いつも皆様のテストに対する気付き、反応を拝見しております。影響範囲やSNSでの盛り上がりは、コアアルゴリズムアップデートなどに比べれば。という話です。)

例えば、今回Web Vitalsのニュースでいえば、海外サイトを中心にどんどんと記事のアップもありました。

Web Vitalsのスクリーンショット

記事を読んだ時点で大きな発表であることは内容から推測し、SNSや、海外サイトで話題になっていることから、やっぱり影響は大きいんだな、というのを確かめられますね。

もちろん、しっかりと内容を読んだ上で、判断するのが一番ですが、SEOを始めたてであったり、そんなに情報を追えない!という方は、こういった目線で把握するのもよいでしょう。

まとめ

今回はSEOに関する情報収集のポイントをお話しました。

ポイントは、

  • コンテンツ制作の際に意識しているE-A-Tの視点は、自信が情報収集する際にも活かせる考え方です。
  • 面倒でも一次情報に触れる習慣をもつことで、誤った情報に気づくことができ、自社サイトで大きなミスをしてしまうリスクを減らすことができます。

繰り返しにはなりますが、「自社のサイトに合わせて、情報を取捨選択する」のが鉄則ですし、なるべくは一次情報を翻訳し、自分なりの解釈を持つのが理想です。

とはいえ、そうは問屋が卸さないので、情報を押さえる勘所を磨き、適度なSEO情報との関係性を築いていきましょう。

ナイルでは毎月SEOニュースをメルマガ読者・ご契約者さまに限定配信していますが、その際にも、情報収集はここで述べていることを意識しています。
SEOはさまざまな情報が飛び交いますが、この記事が正しい情報を集めるヒントになれば幸いです。

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SEOの情報収集のポイントナイル株式会社 - ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。

【400サイトを調査】Googleコアアップデート(2020年5月)の傾向と対策

Googleの検索アルゴリズムについて、コアアップデートが202055日に実施されました。

Googleアップデート公式ツイート

 

アップデート完了まで2週間とされていた調整期間終了のアナウンスも519日に確認されました。

Googleアップデートロールアウト公式ツイート

 

Googleは2020年に1月と5月の2回、2019年に3月、6月、9月と3回のアップデートを行っています。なかでも、今回は影響が大きいようです。

Googleアップデート辻さんツイート

そこでナイルでは、独自ツール「Refract(リフラクト)」で検索順位を追っている192サイトのデータと、Twitterでオウンドメディア運営者に実施したアンケート(回答209票)から、アップデートの影響について傾向を調査しました。

Googleアップデート調査リフラクト

Googleアップデート調査Twitter

 

結論としては、以下の4つが傾向として挙げられます。

1.大手企業ドメインが上昇

2.アフィリエイトサイトは下落

3.テーマを限定した特化型サイトは上昇

4.変動が大きかったジャンルはYMYL

 

大きな流れとしては、E-A-Tを評価軸とするGoogleの方針が踏襲されたアップデートでした。

データ詳細を次項で補足します。サイト運営の参考にしていただければうれしい限りです。

 

なお、担当はコンサルタントの寺田がお届けします。

どうぞよろしくお願いします。

 

ナイルの独自ツール「Refract(リフラクト)」とは?

ナイルでは、順位取得ツール「GRC」を連動させたインハウスSEO支援ツール「Refract」を2014年夏から運用しています。

リフラクトイメージ

 

Refractは、対象サイトについて最大10,000キーワードの日次順位を取得し、順位の推移や競合サイトとの比較ができるツールです。

参考:インハウスSEO支援ツール「Refract」有料版リリース、その使い方と便利機能を解説

 

今回は、Refractに登録されていたサイトの中から192サイトを抽出してアップデート前(2020/05/04)とアップデート後(2020/05/07)の順位変動を比較調査しました。

 

※コアアルゴリズムのアップデート調査のため、教育業界の主要5サイトについて順位を比較しています

Googleアップデート調査_教育系

左軸は検索順位を1~3 / 4~7 / 8~10 などと分類してスコア化したものです。直接的な流入数ではありません。

 

20205月のGoogleアップデート傾向について

ここからが本題です。

前述した順位スコアの変動率を調査していくと、いくつかの傾向が見えてきました。

 

1.大手企業ドメインが上昇

顕著な変化のひとつとして、企業ドメインの評価は上昇する傾向がありました。

とくに、大手企業ドメイン配下で展開しているオウンドメディアにとっては追い風になったようです。

Googleアップデート調査_クレジットカード

※コアアルゴリズムのアップデート調査のため、クレジットカード業界の主要5サイトについて順位を比較しています

 

例えば、ナイルがコンサルティングさせていただいている三井住友カード様のオウンドメディアなど、多くのサイトでプラスの影響が出ています。

 

一般的に大手企業ドメインでは、コンプライアンスの観点からサイト内コンテンツに対して情報の正確さや根拠となるエビデンスが求められる傾向が強くあります。そのため、結果としてGoogleが求めるE-A-Tの要件を満たす記事が多くあります。

また、大手企業ドメインは長く運用されている場合が多いため、良質な被リンクを集めているサイトが少なくありません。

そのためGoogleが「権威者としてそのサイトが信頼されている」という評価をドメインに対して判断しやすいと考えられます。

Googleが求めるE-A-Tの要件

参考:Google ウェブマスター向け公式ブログ [JA] : Google のコア アップデートについてウェブマスターの皆様が知っておくべきこと ※画像の赤枠はナイル追記

 

一方で、Twitterでのアンケートではマイナスの影響が出たオウンドメディアが58.9%と過半数を占めました。

Googleアップデート調査Twitter業界

 

企業が運営するオウンドメディアであれば、今回のアップデートによってプラスの影響が出やすいと想定していたのですが、一概にそうではないようです。

 

2.アフィリエイトサイトのドメインは下落

大手企業ドメインと明暗を分けた存在として、アフィリエイト目的のサイトは個人/企業運営のいずれでも下落する傾向がありました。

Googleアップデート調査リフラクト業界

アフィリエイトサイトにおける検索順位の変化率は突出して高い結果となりました

 

例えば、「クレジットカードの読みもの」は専門性の高い記事を配信することで知られているサイトですが、アップデートによってマイナスの影響が強く出ていると思われます。

Googleアップデート調査リフラクト_クレジットカード

 

順位変動の要因としては、前述したコンテンツとドメインに対するE-A-Tの評価が影響していると考えます。

 

一般的に、アフィリエイトサイトでは指名検索キーワードを獲得するために商品についての解説や比較記事が多い傾向にあります。

すると、場合によっては公式サイトの商品ページよりもアフィリエイトサイトの商品紹介ページのほうが検索上位に表示される場合もありました。

その点について、情報の信頼性が高いという判断で企業の公式サイト側を上位に表示させるようなアルゴリズムのアップデートが実施されたと考えられます。

 

ただ、一方で価格コムのように大手企業が運営する比較サイトは順位が上昇するという傾向もありました。

Googleアップデート調査リフラクト価格コム

価格コムでは法人向けクレジットカード関連のキーワードなどで順位上昇が確認できました。

 

コンテンツの内容が検索順位の評価要因として重要なのは当然として、さらに

・ドメインの運営者は信頼できる存在か?(例:事業を営む会社であれば専門性を備えている)

・そのサイトは信頼されているのか?(例:関連業界のサイトから被リンクを得ている)

といったドメインに対する評価は今後も重視されそうです。

 

3.テーマを限定した特化型サイトは上昇

一部のサイトでは、扱うテーマを限定した特化型サイトが評価を上げました。

例えば、「更年期ラボ」という大塚製薬が独自ドメインで運用しているオウンドメディアがあります。

 

2020-05-22_02h44_24_R

中高年の女性にとって健康の悩みとなる「更年期」について解説する記事を掲載しています。

Googleアップデート調査リフラクト更年期ラボ

 

月間検索ボリュームが40,000を越える「更年期障害」といったビッグキーワードで100位圏外から1位を獲得するなど、大幅な順位上昇を果たしたようです。

Googleアップデート調査更年期ラボキーワード

 

「女性のための~」といった広いテーマではなく「更年期に悩む女性のためのサイト」と特化したサイトであることが、E-A-Tのひとつである「専門性」の要因としてGoogleの評価につながったと考えられます。

 

4.変動が大きかったジャンルはYMYL

医療・健康領域と金融などマネー領域は、アップデートの影響が大きく出ました。

2020-05-22_03h03_32

電子機器・家電の領域も変化率としては大きいですが、アフィリエイトサイトの要因が大きいと思われます。

 

Twitterのアンケートでも類似の傾向がありました。

Googleアップデート調査Twitter業界

余談ですが、医療・健康と並んでBtoB領域の影響が大きかったという点は興味深い結果です。

 

Googleは今後もYMYL領域の検索順位についてはシビアにアルゴリズムのアップデートを続けていくと想定できます。

さらにYMYLの対象として、不動産や進学、転職なども含まれる点を示唆しています。

Googleが定義するYMYLとは

Google検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)より。

 

今回のアップデートではマネー領域と医療領域以外では影響がそれほど大きくないというデータとなっています。

しかし、今後も年数回のアルゴリズム変更が実施されるのであれば、順位変動が起こる可能性が高い領域として備えることが重要と言えるでしょう。

 

Googleアップデートから得られた仮説

2020年5月のGoogleアルゴリズムアップデートについてデータをまとめることで、いくつかの仮説が考えられました。そのうちの2つを今後の対策としてご紹介します。

 

1.比較系キーワードの動向に注目

アフィリエイトサイトの検索順位が低下したことで空白地帯ができ、企業ドメインでも「おすすめ」「人気」などの比較系キーワードが狙いやすくなる可能性があります。

 

一般的に比較系キーワードは、複数の商品を比較してメリット・デメリットなどを解説するコンテンツが検索で上位に表示される傾向があります。

しかし、他社商標である商品について触れることは、基本的に企業サイトではコンプライアンス違反となるため不可能です。そのため、第三者視点で比較・解説できるアフィリエイトサイトが評価を獲得してきました

 

今回のアップデートにより、あるオウンドメディアでは◯◯ おすすめ」「◯◯ お得」「◯◯ 比較」などのキーワードで順位上昇が確認できました。

比較系キーワードは顕在層ユーザーが検索する高CVRキーワードとしてSEOの激戦区ではありますが、今後は検索結果の動向を注視しておくと施策の幅が広がりそうです。

 

2.コンテンツ品質に投資することでアップデートのリスク回避

ナイルでコンサルティングさせていただいているサイトでは、アップデートのマイナス影響が出たケースはごく一部でした。

一方で、Twitterのアンケートでは約6割のオウンドメディアでマイナス影響が出ました。

Googleアップデート調査Twitter

 

アンケート対象は企業運営のオウンドメディアなので、ドメインへの評価が一定程度あるものと仮定すると、検索順位への影響はコンテンツの要因によるものが大きいと考えられます。

 

ナイルのコンテンツ制作は、実務歴10年以上の経験豊富な編集者が担当することが多く、また出版社と同等の「担当編集者編集デスク校閲者」というチェック体制でコンテンツ制作を行っています。

そのため、単価としては安くありませんが高い成果が見込め、アップデートでもマイナス影響を受けにくいコンテンツを提供することができます。

 

今後はYMYL領域と同様のシビアな順位評価、アルゴリズム変更が医療やマネー以外の領域にも広がっていくと考えられます。であれば、取材や監修を前提とした品質の高いコンテンツに投資しておくことがアップデートのマイナス影響を受けにくいサイトへの体質改善につながり、結果として費用対効果の良い施策となりそうです。

 

2020年5月のGoogleアルゴリズム変動とは?(まとめ)

今回のアップデートは、4つの傾向がありました。

1.大手企業ドメインが上昇

2.アフィリエイトサイトは下落

3.テーマを限定した特化型サイトは上昇

4.変動が大きかったジャンルはYMYL

 

今後、コンテンツSEOの施策において重要性が高い仮説は2つあります。

1.比較系キーワードの動向に注目

2.コンテンツ品質に投資することでアップデートのリスク回避

 

余談ですが、個人ブログでのアフィリエイトサイト運用はGoogleのアップデートにより今後さらに厳しい状況となりそうです(Twitterでは多くのマイナス影響報告を確認できました)。

 

もし、そのようなアフィリエイトの運用経験が豊富でナイルのような大手クライアントのサイトでスキルを発揮したいという方がいましたら、コンサルタント編集者の採用を活発に行なっています。ぜひ検討してみてください。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ブログで紹介した内容が、サイト運用で何かの参考になればうれしい限りです。

 

記事の感想などTwitterでツイートしてくれたらよろこびます。ぜひ教えてください。

担当は寺田がお送りしました。

【400サイトを調査】Googleコアアップデート(2020年5月)の傾向と対策ナイル株式会社 - ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。

SEOはインハウス?アウトソース?(後編)

「アウトソースSEO」の考察

前編の「SEOはインハウス?アウトソース?(前編)」では、SEOのインハウス or アウトソースの大前提となる「費用対効果(ROI)」について、その上での「インハウスSEO」に関してお伝えしました。後編は「アウトソースSEO」についてお話していきたいと思います。

アウトソースSEOに向いている企業
固有の強みはあるが、デジタルマーケティング人材がいない(足りない)企業
BPOの有効活用に積極的な経営体質の企業

デジマ守備範囲広大化からくる人材不足

アウトソースに適している事業は、基本インハウスSEOと変わりません。(SEOを徹底的にやればやるほど売上・利益にヒットする事業)

「アウトソースに向いている」条件は、「デジタルマーケティング人材がいない(足りない・育てられない)」という状況に起因します。

よくあるケースとしては、SEO推進をWeb構築・運用系のスタッフがやむをえず兼務している組織です。もちろん優秀なWeb人材をインハウスで有する企業様も沢山ありますが、デジタルマーケティングの守備範囲は年々広大化・深化する一方です。

デジタルマーケティングの守備範囲

私のNoteでメモ的な記事がありますので、参考としてご紹介しておきます。

デジタルマーケティング領域の箇条項目|高松 建太郎 │ Kentaro Takamatsu|note

この広大な守備範囲を、数名でカバーせざるをえない…という悲痛な担当者様からの愚痴をよく伺います。正直私も20年Web業界にいますが「デジタルマーケティング人材が充分足りている!」というケースにお目にかかったことは無いかもしれません(苦)。これは業界全体の課題です。

特にSEOは専門性が強く、レンドの移ろいが激しいので、兼務でハイクオリティと成果を維持することが非常に難しいジャンルです。

SEOに限らずインハウス化は事業スピードの観点では理想的ではありますが、それには必ず人材的な限界値があり、適切にアウトソースを活用する方がパフォーマンス・費用対効果・事業成長スピードが向上するケースは非常に多いと感じます。

アウトソースではなく「BPO」

「アウトソースを活用してSEO強化に取り組む」ということは、SEOに強い支援会社をパートナーとして選定し、重要業務を「BPO(Business Process Outsourcing)」で行うことを指します。ただの「アウトソース」ではなく「BPOと定義したのは、SEOは単純な作業委託ではないからです。

BPO
もし「SEOのアウトソース」を「Googleのハック、外部施策、内部施策等の専門的作業の外注でしょ?」と捉えられている方は少し危険です。これらはアウトソースが有効な部分であることは間違いありませんが、目的ではなくあくまで手段です。

BPOは「外部支援会社に自社の部門として業務を行ってもらう」ことです。戦略策定から実行計画、PDCAサイクルを回すプロセスまでを請け負います。

前編でもお伝えしたように、DX時代のマーケティングの本質は「企業のコアコンピタンスをコンテンツ化し、様々な消費者とのタッチポイントで効果的に展開すること」で、事業側担当者の本分はこのコア業務に集中することです。
日々の作業に忙殺され、コア業務がおろそかになっていては、熾烈な競争市場で他社に打ち勝つことは不可能です。

「BPOすることができないコア業務」、「BPOできる専門業務」をしっかり整理・定義するところから始めるのがよいかもしれません。

BPOに対する考え方・文化

企業文化とBPO

ここで重要になるのが、その企業のアウトソース全般に対する考え方・文化です。

我々も様々なお客様の事業と関わらせていただいていますが、中には「自分達(事業側)のスタッフが異動になったとしても、ベンダーに知見が残っていれば事業は止まらない。」という徹底したアウトソース観を「文化レベル」で持たれている企業様もおられます。
※数年でジョブローテーションがルールで決まっている企業、等

これとは対極に「とにかく内制!社員がやれ!」な文化の企業もあります。外注費としてキャッシュアウトし、PLにヒットするよりも、内部人件費効率の最大化を重きに置く文化です。

どちらが良い・悪いという議論ではありません。事業や経営者の数だけ経営方針があり、利益を生む方法があり「企業の永遠の悩み」であると私は考えています。

今までインハウスだったものをアウトソースに切り替える、またその逆が様々な企業試行錯誤されています。私が知る限り、大規模なデジタルマーケティングを運営されている会社様で、ほぼ4年周期(オリンピック周期w)でインハウス・アウトソース方針が往復しているケースもあります。

全面的にBPOに振り切るパターン。戦略策定と効果測定をアウトソースにし、スピーディな日々の運用作業をインハウスにするパターン。これとは逆に上流ディレクションをインハウス化し作業をアウトソースするパターン。
このあたりだけで一冊本が書けてしまいそうですw。今後この部分はもっと深堀りしていきたいと思います。

経営コンセンサスがとれているか?

BPOに対する経営コンセンサス

アウトソース、 BPOを行う場合、キャッシュアウトに対する「費用対効果」を経営説明しなければなりません。企業規模の大小に関わらずデジタルマーケティングを司る部門と経営層がしっかり議論・検討できており、合意形成が成されている事が最重要です。これがズレていると、どんな優秀なベンダーを迎え入れたところで期待するパフォーマンスは生まれません。

大規模なアウトソースを実施し、結果として失敗に終わるケースの根本的原因は、「経営と現場の認識相違」、「経営の期待値と現場実情の大幅な乖離」と感じます。

特に「SEO強化」というテーマはハイコンテクストで、リテラシーや立場の差異による解釈の齟齬が生まれやすいジャンルです。企業としてのコンセンサスが不足していると、各所から懐疑心が生まれやすく「何のための投資?」となる危険性を孕んでいます。

前編でもお伝えしましたが、SEOの推進目標が「ビックキーワードで1位を獲る!」となっているケースは非常に危険です。それが組織トップからのオーダーだったとしても、プロジェクトが経過し、仮に目標達成していたとしても、投下コストが無駄に肥大していれば「それってROI合ってるんだっけ?」となり、後々間違いなく投資見直し対象となります。

前編でお伝えした『大前提は「費用対効果」』に回帰します。SEO強化を「投資」と捉え経営コンセンサスが取れていれば、大きな問題が起こることは回避できるはずです。

アウトソースベンダーの選定

最終的にどうしても重要になるのは「支援会社の選定」です。事業会社が支援会社を選ぶというのは、1つの学問になるぐらい奥深いものです。

ベンダー選定

少なくとも、これまでの考察から言えることは、

・例え安くとも、ただ作業を請け負うタイプのベンダーはNG
・SEO強化の投資対効果を合理的に設計できる、説明できる
・経営コンセンサスを補助してもらえる
・SEO専門プロジェクトの経験実績が豊富
・SEO専門の人材が豊富


あたりが重要になってくると個人的には考えています。
 

このテーマは弊社セールスマネージャーの岸が「Stand.fm」で語っています。

ご興味のある方はぜひこちらもご参照ください!

#8 SEO会社が教える!SEO会社の見極めポイント
ホダカタリ@きし ほだか
https://stand.fm/episodes/5e95aa3d4f8c03d210529569

最後に

今回の「アウトソースSEO」に関する考察をまとめさせていただきます。

デジタルマーケティング領域は慢性的人材不足
-理想はインハウスだが、アウトソースを有効に活用すべき。

アウトソースよりもBPOの考え方を
-事業側の担当者はよりコア業務に集中すべき

企業の数だけBPOパターンが存在する
-自社の文化や状況に適している方式を考える

経営コンセンサスが重要
-SEOへの「投資対効果」が説明できていれば安心

ベンダー選びの極意
-安かろう悪かろうはNG
-SEOの投資対効果を設計できる・実行できる
-SEOの経営コンセンサスを助けてもらえる
-経験・人材豊富に越したことはない

この記事を執筆してから、とても1つの記事では収まらない壮大なテーマだ!ということに書きながら気づきました(汗)。今後もこのあたりを細分化してもっと掘り下げてみたいと思います。

これからCOOの立場から、デジタルマーケティングに取り組む企業担当者様にとって有益な情報を継続発信してまいります。どうぞよろしくお願い致します!

次回は「番外編」として、弊社のお客様を招いて、「SEOはインハウスか?アウトソースか?」、「インハウス・アウトソース、それぞれのチーム作りで悩んだこと」など、赤裸々に語っていただきたいと思います。公開は6月半ばを予定しています。

SEOはインハウス?アウトソース?(後編)ナイル株式会社 - ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。

SEOはインハウス?アウトソース?(前編)

はじめに

みなさんこんにちは。デジタルマーケティング事業部 事業COOの高松です。

今回はデジタルマーケティングに取り組んでおられる企業Web担当様向けの記事です。

皆さんはご自社のWebメディアへ有効なトラフィックを増加させ、コンバージョンを生み出し、顧客を獲得することに日々腐心されていると思います。
その中でも「SEO」「オーガニック」を強くすることは、理想的なCPAを達成する「夢の打ち手」であることは間違いありません。

私も事業会社でメディア責任者を務めていたとき、経営層から「オーガニック強化!」という強いオーダーを受けていました。SEO強化が経営にとって重要な理由昨今はこの認識を持たれている経営層の方々も増えています。

しかし、そのオーダーを果たすのは現場のWeb担当者の皆さんです。「簡単に言ってくれるなよ…(困)」「そんなすぐにSEOで順位UPしたら苦労しないよ…(困)」と日々頭を悩ませているのではないでしょうか。

この記事は「SEO・オーガニック強化」を、インハウス(社内独自)で行うか、アウトソース(支援会社への発注)で行うかの判断基準を、メリット・デメリット、注意点等を交えてお伝えしたいと思います。

大前提は「費用対効果」

この記事の執筆にあたり、ナイルの経験豊富なSEOコンサルタントのメンバーにアンケートを取りました。さすがSEOコンサルタントとして多くの企業様を見つめてきた猛者達だけあり、非常に示唆に富んだ回答が集まりました。

インハウス or アウトソースに様々な意見がありましたが、最も重要なポイントは「費用対効果(ROI)」これに尽きます。費用対効果(ROI)インハウスは「投資額」を抑えることであり、アウトソースは、売上原価に含まれる「人件費」を抑えることです。どちらのアプローチでも目的はROIを100%以上にすることが目的になります。当たり前な話のようですが、SEOをインハウスするのか?アウトソースするのか?を考える時、この原理原則が重要になります。

「このキーワードで自社メディアで1位を取るんじゃー!」という経営オーダーに対して「オス!それで1位絶対とります!」というシングルイシューな反応は賢明とは言えません。

検索エンジンで上位表示された結果、どのような利益インパクトがあるのか?が計算されていないと、社内で人材を確保し組織を作るカロリーをかけてよいか?または、支援会社に依頼した方が良いかの判断はできません。

その上で「事業」であれば、かけた費用に対して得られる利益が、許容できるサイズにならねばなりません。これはインハウス or アウトソースを考察する以前の大前提となります。

「インハウスSEO」の考察

「インハウスでSEO強化に取り組む」ということは、「SEO」に取り組むスタッフを独自採用し、事業活動の中に「自社スタッフ」として組み込み施策を行うことを指します。

インハウスSEOに向いている事業の特徴

コアコンピタンスを内部でコンテンツ化する

コアコンピタンスを内部でコンテンツ化する

最重要因子は、「SEOを徹底的にやればやるほど売上・利益にヒットする」ことです。

トラフィックそのものが売上となるWebメディア、コンバージョンが直接的売上となるEC小売、高価格帯商材(旅行、不動産、金融、求人  等)のリード顧客獲得がそれにあたります。

事業としてのSEO強化は「自社の強みのコンテンツ化」でもあります。コアコンピタンスがハッキリしている事業は、徹底的にそれをコンテンツとして表現していくことが打ち手そのものになります。

企業のコアコンピタンスを明確に情報発信することは、競争が熾烈な市場ほど大切な経営課題です。自社の他社にない付加価値が顧客に伝わらなければ優位性は生まれません。

例えば、女性下着で成功されているワコールさんは、当初日本で下着にこだわりを持つ女性は欧米と比較して少なく、彼らがマーケティング活動をスタートさせた時はニッチな市場だったそうです。
商品開発から販売活動に至るまで、消費者への価値提供を徹底的に伝える独自のマーケティング手法を確立されています。これは市場が活性化し競合他社が出現しても、彼らを支える重要な経営資源となっています。

昨今は、前時代のマスマーケティング一辺倒ではなく、マーケティング全体に「デジタル」が溶け込んでいる時代です。企業のコアコンピタンスをコンテンツ化し、様々な消費者とのタッチポイントで効果的に展開することが大切です。

さらに、情報鮮度が重要なジャンルの場合は、外注よりも、自社の専門性の高い知識を持つチームでスピーディに意思決定し、コンテンツ運営する方が有利です。

情報発信元の部門と蜜連携したコンテンツ編集・デジタル発信部隊を組織に組み込んでいる企業様も昨今多くなっている印象です。

ここまでは大企業を想起するようなお話でしたが、規模がコンパクトな組織(個人店舗・小型EC等・ニッチな業種等)においても、インハウスでしっかりコンテンツづくりに取り組み、マーケティングフォーマンスを高められているケースも多く存在します。

マーケティング予算が多くない事業こそ、Webやソーシャルを駆使し、コアコンピタンスを精力的に発信することが「投資効率の最大化」に対する決定的な打ち手となります。

事業主体として実施する高速なPDCA事業主体として実施する高速なPDCA事業規模に関わらず、SEOをインハウスするメリットに「高速でPDCAを回せる」ことも重要です。特にSEOを主軸としたデジタルマーケティングは「まず実施してみないとわからない」ことが多く、固定の打ち手を打ち続けていても、施策の歯車が噛み合っていないと成果がいつまでたっても上がらない場合が多くあります。

Webサイト運営やコンテンツづくりを外注していると、どうしてもこのPDCAサイクルが間延びしやすく、市況の敏感な変化に合わせた情報発信においては後手に回ってしまいます。

インハウスで成功されているチームは、日々事情主体者として市場動向、季節変動、ライバルの動向、顧客の動向を敏感に察知し、素早くコンテンツをリリースし、即効果測定を行える体制を有されています。

インハウス化にかかる見えない「カロリー」

インハウス化にかかる見えない「カロリー」

インハウス化はキャッシュアウトが少ない打ち手として評価されがちですが、専門的な経験と能力を有したスタッフを採用する、事業組織に定着させるのは、相当なカロリーがかかります。この苦労が経営層になかなか理解されづらい…という企業担当者様の声もよく伺います。

さらに、SEO人材の採用は非常に難易度が高いです。ある意味プログラマー・エンジニアよりも市場母数が少ないかもしれません。さらに、即戦力スキルを保有する人材は、ほぼ存在しません。

弊社でも、ある程度のポテンシャル層を採用し、入社後数ヶ月はみっちりと研修をこなしてもらってからコンサルティングの現場に出るという「オンボーディングプログラム」を導入しているぐらいです。

また、会社規模の大小に関わらず「SEO専任」ポジションを設けることは難しく、なんらかのデジタルマーケティング業務と兼務になる場合がほとんどです。
インハウス人材として働くと、事業理解・専門性は非常に高くなりますが、一方SEO技術の知識・トレンドをプロレベルで維持することは非常に困難になります。

私自身、事業会社で事業推進に没頭しているときは、最新技術、トレンド、ケーススタディの情報取得量はガックリと落ちていました(同職域な方々との交流がぐっと減る)。そこを補うには、外部の信頼できるベンダーからの情報提供が不可欠で、自分の「知見の生命線」としていたのを思い出します。

インハウスSEOのメリット

  • 事業の進捗や方向性に合わせた素早い対応が可能
  • 専門性を持った人材がダイレクトに情報を発信するので情報信憑生が高まる
  • アップデート等による順位変動の対応に即反応できる

インハウスSEOのデメリット

  • 人材採用が困難、人材の退職リスクが大きい
  • SEO専任にすることは難しく他の業務と兼任になる
  • 事業への専門性は高くなるが、SEO技術・知識を高いレベルで維持することが困難

最後に

前編は、SEOの「インハウス or アウトソース」の大前提(「費用対効果」と「資本効率」)、「インハウスSEO」に関する考察についてお伝えさせていただきました。

後編では「アウトソースSEO」についてお伝えさせていただく予定です。(5月末公開予定)

引き続きお付き合いのほどよろしくお願いいたします!

SEOはインハウス?アウトソース?(前編)ナイル株式会社 - SEO HACKSで公開された投稿です。

Ahrefsの使い方 | ナイルSEOコンサルタントが実践する活用方法

Ahrefsとは

Ahrefs(エイチレフス)とは、自社だけではなく競合サイトの被リンク、自然検索流入キーワード、自然検索トラフィックを把握できる有料SEO分析ツールです。

Ahrefs https://ahrefs.jp/

Ahrefsは、1日毎に約40億のWebサイトをクロールし、15分毎にインデックスを更新している世界最大級のデータ量を保有しています。そして、14兆もの巨大リンクデータを有し、1.8兆のページURLを網羅しています。

Ahrefsを使用しているSEO会社や事業会社のSEO担当者の方も多いと思います。

本記事では「SEOコンサルタントが実際に顧客へのコンサルティングで実践しているAhrefsの使い方」を課題・目的別に、その一部をお教えします。

Ahrefsはライセンスによって使える機能に違いがあります。今回説明している機能のライセンスは確認中のため、確認完了次第追記します。

Ahrefsでわかる主な課題

順位向上・流入向上を狙うためのSEO施策には、既存コンテンツのtitleタグやmeta descriptionの調査、新規コンテンツ制作、サイトの技術的問題の改善、被リンクの獲得など、色々なものがあります。

出来ることは数多くあったとしても、それを闇雲に行っていてはリソースが無駄になってしまいます。
「どのキーワードから狙って、どういう施策を撃つのか」成果とコストバランスを見据えて、優先順をつけて取り組むべきです。

その上で、Ahrefsは「対策すべきキーワードの選定」「現状サイトに欠けているコンテンツの把握」「競合サイトとの被リンク差分の把握」といったことに役立ちます。

目的に沿った具体的なAhrefsの機能・使い方をご紹介します。

1 流入向上につながる対策キーワードを見つけたい場合

対策キーワードを考える上で知っておきたいことは、自社サイトへの流入キーワードと競合サイトの流入キーワードを把握することです。

例えば、自社サイトでは順位がついていないが、自社と同じようなコンテンツを持った競合サイトでは上位表示しているキーワードがあるとすると、そのキーワードで上位表示できれば自社サイトの流入を増やすこと期待できます。

Ahrefsの「Site Explorer(サイトエクスプローラー)」では、あらゆるサイトの自然検索流入キーワードを確認できます。

 Site Explorer(サイトエクスプローラー)

対象サイトの被リンク調査、流入キーワード調査、有料検索広告のキーワード調査などを行うことができます。

  • 使用方法

検索ボックスに対象サイトのドメインまたはURLを入力し、検索条件を選択します。

1

◆検索条件

  • URL:完全に一致した URLのみのデータ
  • 部分一致:部分的に一致する URL データ
  • ドメイン/*:サブドメインを含まないドメイン全体データ
  • *.ドメイン/*:サブドメインを含むドメイン全体データ

条件を指定して検索すると、下記のようなダッシュボードが表示されます。

サイトの流入キーワードを見るためには「オーガニックキーワード」をクリックします。(図赤枠部分のどちらをクリックしても同じページに遷移します)

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自然検索流入キーワード一覧が表示されます。

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自然検索流入キーワードと、その検索ボリューム、そのキーワードでの現状順位、ランディングページのURL、キーワード難易度(後ほど解説)、CPC(推計)、トラフィック数(推計)などがが確認できます。

自社サイトと競合サイトについてこれらのデータを比較することで、自社サイトで対策するべきキーワードを選定するヒントを得られます。

対策キーワード選定の考え方については、以下の記事を参考にしてみて下さい。

・キーワード選定方法のコツとは?利用すべき無料キーワードツールと4つのステップ https://www.seohacks.net/basic/knowledge/keyword/

2 キーワード対策の方針を決めたい

 「このキーワードで上位表示を狙いたいが、どれくらい難しいのか知りたい」

「キーワードリストを作成したが、キーワードごとの対策難易度がわからないのでどのキーワードから対策したらいいかわからない」

対策キーワードを洗い出しても、上記のような悩みがつきものです。Ahrefsではキーワードごとの対策難易度を独自の指標(キーワード難易度・KD)で示しています。

※あくまでAhrefs独自のアルゴリズムで算出された数値です。

サイトエクスプローラーでもデータは見れますが、「Keywords Explorer(キーワードエクスプローラー)」をつ開くことで、より細かく見ることが出来ます。

Keywords Explorer(キーワードエクスプローラー)

 対象キーワードの検索上位サイトの被リンクやコンテンツ量などを比較し、そのキーワードで上位表示するために、どの程度力を入れた施策が必要かを判断することができます。

  • 使用方法

検索ボックスに調べたいキーワードを入力、対象としたい検索エンジン、エリア(国名)を選択します。

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クリックすると、以下のような画面が表示されます。

キーワード難易度は左上に表示されます。

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キーワード難易度はAhrefs独自の基準で評価されています。

詳しくはこちらをご覧ください。

・Ahrefsキーワード難易度に関して https://ahrefs.com/blog/seo-metrics/#section5

ほかにも、ページ下部には上位表示されているページの被リンク数や流入数などの情報が得られます。

例えば検索ボリュームが近い「ワイヤレスイヤホン」と「イヤホン」のどちらから対策するべきかが問題になった場合などに、「より上位表示を狙いやすそうなものから対策しよう」といった判断を取ることができます。

例:コンピューター周辺機器業界の場合

「ワイヤレスイヤホン」キーワード難易度:5

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「イヤホン」キーワード難易度:13

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この場合は、難易度が低く成果が出やすいであろう「ワイヤレスイヤホン」キーワードから対策を行う、といった判断が出来ます。

もっともこのキーワード難易度はあくまでAhrefsが独自に設定した基準であり、常に正しいとか限りません。また簡単だからといって、ビジネスへの影響が小さいキーワードばかりを対策しても、売上や利益には繋がりません。

キーワード方針の立て方は以下の記事を参考にしてみて下さい。

・SEOで「勝てる」キーワードの選び方!カスタマージャーニーを活用しようhttps://www.seohacks.net/basic/knowledge/keywords_to_win/

3 被リンク獲得方法のヒントがほしい

「被リンクを獲得したいが、どういうサイトから被リンクがもらえるのだろうか?」

このような場合は「自社サイトを似た業界・サイトタイプ、かつ検索エンジンから評価されている競合サイトの被リンク獲得状況を調べること」で手がかりをつかみます。

1でご紹介したSite Explorer(サイトエクスプローラー)を使用します。

  • 使用方法

1と同じく検索ボックスに競合サイトのドメインまたはURLを入力し、検索条件を選択します。

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ダッシュボードで「被リンク」をクリックします。(以下図の赤枠部分はどちらをクリックしても同じページに遷移します)

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そのサイト・ページが外部から獲得している被リンクの一覧が表示されます。

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自サイトへのリンクが貼られているページ(参照ページ)、そのページの推計トラフィック数、リンクのアンカーテキストなどが確認できます。ドメインランクやURLランクなどはAhrefsの独自指標ですが、参照ページがどの程度価値のあるページかどうかの参考になります。

このツールを使うことで、競合サイトがどんなサイトのどのようなページから被リンクを獲得しているかがわかります。

同じようなユーザーをターゲットとしてサイトを運用している以上、競合サイトが受けているような自然リンクは、自社サイトもコンテンツの展開の仕方などの工夫で、得ることができる可能性はあります。「自社サイトでも競合サイトと同じようなサイト・ページからの被リンクを獲得できないか」という観点から、コンテンツの展開方針を検討する材料になります。

被リンク獲得方法については、以下の記事も参考にしてみて下さい。

・被リンクはどう増やす?SEO HACKS事例からみるリンク獲得方法
https://www.seohacks.net/blog/backlinks_seo/1032/

まとめ

本記事でご説明した使い方はAhrefsの機能のほんの一部ですが、

SEOの検討の中でよく問題になる「対策キーワードの選定」「優先度のつけ方」「被リンク獲得の方針」といった点だけでも、多くの重要なデータを得ることが出来ます。無料で使えるサーチコンソールなどだけでなく、Ahrefsを使い、競合サイトの情報を活用してみましょう。

Ahrefsの使い方 | ナイルSEOコンサルタントが実践する活用方法ナイル株式会社 - SEO HACKSで公開された投稿です。

「SEOに注力しよう」はお門違い

ナイルの大澤です。前職は外資系のコンサルティング会社で働きながら、趣味でアフィリエイトをしており、Webの世界が楽しそうだと思って、ナイルでSEOコンサルタントになりました。
アフィリエイターだったころには気づかなかったことですが、SEOコンサルとして働いている間、ある違和感を持つようになりました。その違和感について今日は書いていきます。

施策リストに覚える違和感

私の「違和感」が湧いてくるのはたとえば以下のような施策リストを見たときです。

▼違和感がある施策リスト

違和感のある施策リスト

以下のような施策リストなら違和感はないです。

▼違和感がない施策リスト

違和感のない施策リスト1

違和感のない施策リスト2

この違和感の正体を考えていたところ、数年前に弊社のメンバーがセミナーをした動画を偶然見かけました。そこで、こんなことを話していました。

「SEOってわざわざするものではないんですよ。SEOで成果を出している会社の多くはWebサービスを提供するプロセスの中にごく自然にSEOが組み込まれている」

▼セミナー資料から抜粋

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ようやくこの違和感の正体が分かりました。SEO施策とは順位を上げるための特別な施策ではないのです。

Webサービスを提供している側ならば売上を立てるために、ユーザーが見つけやすいように、ユーザーがサイトで迷子にならないように、ユーザーが「このサイトは役に立つなあ」とおもえるようにやっていくことなのです。それをわざわざ「SEO施策」と切り出して、ユーザーのためではなくて、検索エンジンのために施策を打つような雰囲気や考え方に、私は違和感を持っていました。

ユーザー行動を録画して観察した体験

大規模サイトにおいて、アルゴリズムを無視した施策を打って成果をあげることはできません。技術要件も正しく実装すれば結果としてランキングは上がりますし、コンテンツの重要性はGoogleもアルゴリズムに関する公式ブログの中で触れています。

参考:Google ウェブマスター向け公式ブログ [JA] : Google のコア アップデートについてウェブマスターの皆様が知っておくべきこと

しかし、世の中の多くのサイトではアルゴリズムに一喜一憂するのではなく、ユーザーの動きを信じて施策を打つことで成果を出すこともできます。SEOに向き合い続けてきた人に、何言ってんだこの人、、と思われるかもしれませんが、これにはある体験があります。

半年やっても順位が上がらない

あるデータベース型のサイト(不動産情報を扱うホームズさん、求人情報を扱うindeedさんなどのようなメディア)を担当させていただいたとき、noindexやcanonicalなどの基本的な設定に漏れがあったので、それらをご提案し、実装いただきました。ほかにもパンくずの変更など、クリティカルと思われる課題は解決しましたが、なかなか順位が上がりません。

競合他社のサイトを研究し、立てた仮説は、「表示件数によってユーザーの動きが変わり、それが検索順位に影響しているのではないか」です。

詳しく書くと検索結果で1位表示をしている競合とのコンテンツ差分を見つけていき、その差分を確実に埋めるようにしたのです。このやり方自体は珍しいことではありませんが、そこで1つ争点になったのは、掲載記事の表示件数でした。

今の検索結果を信じるべきか

競合他社は記事の表示件数を10件以下まで絞り込んでおり、お客様サイトは50件など大量に表示していました。ユーザー行動を録画して分析したところ、件数が多いとすべてを見る前に離脱してしまっていました。おそらくユーザーが飽きたり、疲れているのです。

そこで「ユーザーにとって役立つのは表示件数が少ない方ではないか。その方が選ぶストレスが減り、結果サイト内を回遊するようになり、検索エンジンから評価されているのではいか」という仮説を立てていました。

しかし、私もお客様も、表示件数が多い方がいいと思っていたのです。なぜなら10件の中に自分の希望する記事がなければ、もっと調べる行為をしなくてはなりません。自分がユーザーなら、表示件数は多くて、自分の要望に近い順に並び替えができたらいいと思っていました。

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検索結果から「どんなコンテンツがGoogleに評価されているんだろう」と分析して、「現在のアルゴリズムはこんなサイトを評価しているらしいぞ」と考えて施策を打つ人ならば、きっと表示件数を減らしたと思います。「表示件数が少ないサイトの方が評価されている」「画像枚数が多いサイトの方が評価されている」と考えるからでしょう。

ところが私たちは何度も話し合いを重ねて、表示件数は絞らない。その代わり、表示件数が多いままでも探しやすいようにデザインを変えていくことにしました。デザインを変えてもすぐに順位は上がりません。ようやく上がり始めたのは、PJTが始まってから1年経とうという時でした。

ユーザーの立場で考えて決断するから施策が意味をもつ

この順位があがったのも、デザインを変えたからあがったとか、そんな単純なことではありません。リダイレクトを変えたりcanonicalやパンくずなどを変えていった施策の積み重ねで順位が上がっていったと考えられます。これはわざわざSEOをした、アルゴリズムを研究したというよりは、どういうサイトがユーザーの役に立つんだろう、と考えて、そう決めた、の方が正しい言い方になります。

Googleの検索結果は、参考にはなります。こんな情報をユーザーは求めているから、このキーワードを狙うならこんな情報を書けばいいんだな、と。ただ、それはあくまで参考です。

アルゴリズムは変わり続けます。ユーザーの期待に応える検索結果を出すためにアルゴリズムが変わり続けているのなら、ユーザーのことをとことん考えたサイト作りをしていけば、すぐに成果はでなくても、やがてアルゴリズムが変わっていき評価されるかもしれません。アルゴリズムより先回りできるのかもしれません。

「検索結果で上位表示するため」にやる施策はない

技術要件は検索結果ランキングのためにやるのではありません。技術要件の正しい実装によって、サイトコンテンツを検索エンジンが把握する手助けをしているのです。ユーザーに役立つサイトであっても、ユーザーのニーズとサイトの内容を検索エンジンが紐付けることができなければ、検索結果画面にサイトが出にくくなります。

画像を追加しましょう、なども、検索結果ランキングのためにやるのではありません。画像はユーザーが記事を読みやすいように、また内容を理解しやすいようにするためです。または文章だけでは伝わりづらい内容をより正確に理解してもらえるように、情報を整理したり、視覚的に理解できるようにするものです。

多くのサイトではアルゴリズムを分析しなくたって、ユーザーの検索意図を考え、技術的な手助けを考えてサイトをつくっていけば成果はでるはずです。すべての施策はユーザーが求める情報を見つけやすく、「検索したら解決した」となるために打つものです。これはSEOというよりは、サイトで売り上げをたてていくのであれば当然のことだと思います。

営業ツールをいれるのは、営業の課題を解決するためです。そのツールは営業の課題を解決することに力を注いでいるはずです。

ECサイトにたどり着くのは、買いたいものがあるからです。そのサイトは買い物しやすいように工夫しているはずです。

その「ユーザーが買い物しやすいようにする工夫」の中にごく自然にSEOの施策たちが組み込まれていくわけです。それがリダイレクトをきちんとしましょう、であったり、重複コンテンツをなくしましょう、ページが表示されるスピードを改善しましょう、商品情報をオリジナルで記載しましょう、構造化データを実装しましょう、になるのです。決してSEOのためにしている施策ではないのです。

まとめ

私はSEOコンサルタントとして働きながら、たびたび施策リストに違和感を持っていました。その違和感の正体は「SEOのために施策を打つという雰囲気や考え方」でした。

「検索結果ランキングをあげるため」の施策は意味を持たないと思います。技術要件の施策も、コンテンツの制作も、すべてはユーザーがGoogleというプラットフォームで情報を見つけやすくし、求めた情報にたどり着くために行うことです。Webサイトで売上を立てるためなら、やっていて当たり前の施策であり、SEOのためにやる施策ではないのです。すべてとはいいませんが、多くのサイトではユーザーのために施策を実装する考え方の方が、結果として施策が迷走しないと思います。

以下の記事もSEO施策の考え方について述べています。ぜひ参考にしてみてください。とくにアルゴリズムとの向きあい方や施策の優先順位で悩んでいる方がいれば、おすすめです。

これからSEOを始める方に、最初に知っておいて欲しいこと

マーケターとGoogleアルゴリズムの、ほどよい関係

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