しかし今回SEO Japanがメディアの紹介権をいただいたInvespでは、それを可能にする方法を紹介していました。
CROを米国で2番目に提供開始したInvesp、そんな彼らのノウハウの一部をご紹介します。
— SEO Japan
コンバージョン率最適化は複雑で、取っ付きづらいものだろうか?
コンバージョン率最適化がそのように思われるのには、いくつか理由がある。
この記事を読む事で、コンバージョン最適化の計画と実装の見方が変わり、CROの取り組みを加速させることが出来るはずだ。CROは計画をしっかりと練ることで、恩恵を受けることが出来る。
過去の記事で紹介したようにコンバージョン率最適化は、まずはコンバージョンさせようとしている訪問者を理解することから始まり、そして顧客の反応を計測し仮説を検証することで実現する。
このCROのプロセスは、時間や、リソース、予算を必要とするものである。
画像出典元:Invesp
このチャプターを読み、コストとリターンの計算と技術要件の理解をする事で、スムーズなコンバージョン率の改善が可能になるであろう。
この記事を読むことは、あなたのビジネス、そしてコンバージョンを加速させるに違いない。
1. 正しく予測を立てる
コンバージョンは一晩では上昇しない。これは事実である。
Webサイトのコンバージョンを上昇させるには、努力、献身、そして何より忍耐が重要となる。
マーケターの中には、コンバージョン率最適化のプロセスを見くびる人もいる。CROプログラムによって収益的を劇的に上げたというケーススタディを読んで、自分たちの会社でも実際にやってみようとするのである。
ものすごい成功を夢見て始めた取り組みでは、思っていた結果が得られない事により、徐々に情熱が薄れていってしまう。
誤った期待は、失望を生み、投資を無駄にしてしまう。
一方で合理的な目標は、熱意、時間、リソースを有意義なものにする。
画像出典元:Invesp
過去十年間にわたって、我々は多くの企業や組織とのパートナーシップを通して、良い予測には二つの要素が必要であると学んだ。
- 良い計画は、最低でも年間に30%コンバージョンを上昇をさせる。
- しっかりとした計画はコンバージョン上昇以外の副産物ももたらす。学びや体験が様々なチャネルで良い結果をもたらすであろう。これにより最終的な効果は10倍にもなる。
2. 計画のリターンを試算する
既にコンバージョン率が20%を超えているようなサイトでない限り、年間で30%のコンバージョン数上昇は妥当な予測である。
コンバージョン最適化のインパクトの試算方法は2つある。
- 30%のコンバージョン上昇をドルに変換すると、収入に対していくらの効果になると推測されるか?収益はどれくらい上昇するか?その収益は投資への健全なリターンとなるか?
- CROプログラムへの投資額を決定した後に、現在の年間の収入と収益に基づいて、以下の2つの数字を計算する。
- 損益分岐のために必要な、収入の増加幅
- 同様の主旨のプログラムにおける投資対効果を上回る基準値
以下はこれらの例である。
まず、あなたの会社には500万ドルのオンラインでの収入があるとしよう。売上総利益率は35%であり、マーケティング計画においては300%の投資対効果を期待している。そして、CRO計画にかけられる総予算は15万ドルである。
- アプローチ1:まずは収入が30%上がると仮定する。これは150万ドルの収入の増加を意味する。総利益率が35%なので、150万ドル × 35% = 52.5万ドルの収益が全体で上がると試算される。
つまり15万ドルの投資が52.5万ドルのリターンを生むということになる。 - アプローチ2:15万ドルの予算を投資したとした時、最低でも収入を42.8万ドル(≒15万ドル/35%)増加させる必要がある。
- 損益分岐のために必要な、収入の増加幅:42.8万ドル/500万ドル ≒ 8.6%
- 期待された投資対効果を上回る基準値:15万ドル × 3 = 45万ドル
45万ドルを生み出すために必要な収入の増加は、約128万ドル(≒45万ドル/35%)
期待された投資対効果を上回るために必要な収入の増加幅は、128万ドル/500万ドル = 26% となる。
さて、ここまでに出てきた数字を要約しよう。
- 投資額の回収のためには、最低でも8.5%の収入の増加が必要(アプローチ2)
- 期待された投資対効果を得るためには、26%の収入増加が必要(アプローチ2)
- 30%の収入増加する見込みがあれば、マーケティング計画に期待される投資対効果を上回る。(アプローチ1)
画像出典元:Invesp
3. 総投資費用を試算する
多くの会社はCROを成功させるのに必要な詳細情報に注意を払わず、見るべき指標を含めずに投資計画を作成してしまう。
CROへの投資は、テストソフトウェアの利用料はもちろんの事、マーケティングと開発チームのための費用を含めなければならない。
漏れを無くすために、以下の項目を含めることを忘れないようにしよう。
- 開発費用
- デザイン費用
- A/Bテストツール利用料
- CROプログラムの運用費用
画像出典元:Invesp
4. 適切なリソース配分を行う
7割のCROプログラムは、プロジェクトオーナーのリソース配分によって失敗をする。我々も10年以上、世界中の様々な業種の企業と働く中で、このことが最も大きなチャレンジだと感じた。
実際、成功を望みながらも不適切なリソース配分をしているというケースは驚くほど多い。考えうるテストを全て実現できるような、無限のリソースを確保するプランは正しい答えではない。
成功のカギは、予算の調整を適切に行う事である。
CROプログラムを始める前に、1~2個のスプリットテスト※を月に行うためのリソースを確保するとよいだろう。ここから得られた結果によって他のプロジェクトの優先順位が変わるはずだ。これがコンバージョン率を改善する唯一の方法である。
5. システム要件を理解する
コンバージョン率最適化のプログラムの過程において、技術的な出来事が発生した際には対応できるようにしておかなければならない。
またバグはコンバージョンを殺すものであるというのは胸に刻んでおいた方が良い。それを排除するだけで、コンバージョン率が上昇する可能性は増加する。
こんなシナリオを考えてみてほしい。新しいCROプログラムが始まり、リソースの割り当て、テストの準備も完了している。最初のプランがチームに送られたが、それは実装することができない内容であった。
なぜこのようなことが起きたのだろうか?プラットフォームによって、技術的な限界が異なるという事を忘れてはならない。もし技術的な限界点を確認しそびれてしまうと、実装不能なプランになってしまったり、実装するのにものすごい期間を要してしまう事もある。
自社プラットフォームの限界や問題点を事前に理解しておく事で、後々の胸やけや頭痛を回避することが出来るのである。
画像出典元:Invesp
6. コンバージョン改善のロードマップを策定する
思い付きのテストを行って、コンバージョン率の改善を望むことは、間違いなく時間と労力の無駄である。
大多数とは言わないものの、ある程度の割合の企業は、ランダムにテストを行っているというのが事実だ。ある月にはホームページにテストを行い、翌月には商品ページ、3か月目にはカテゴリーページにテストを行うのである。
成功するプログラムは初期に訪問者を理解し、訪問者が離脱しているページ、改善の余地が大きいページ、そのままにしておくべきページを見抜くことに時間を使うのである。この事を大半の企業は理解していない、もしくは無視してしまっている。
改善するページに優先順位をつけ、CROのロードマップを策定することは、基礎中の基礎である。
ロードマップは6か月で、8~15のテストを実施するようなものにした方が良い。
7. 勝ちパターンとオリジナルで再テストを行う
我々はこれまで様々なA/Bテストや多変量テスト、そして必要であれば繰り返しテストを行ってきた。この経験から言えることは、テスト結果を利用する方法は複数あるという事だ。
A/Bテストで勝利したデザインと現在のデザインをぶつけて検証するのは、良い手法であり、効果的かつ実施する価値のあることだ。自分が見ているのは、外れ値ではないという自信を与えてくれる。
この種のテストを行う事で、テスト結果に影響をもたらすような外部要因を排除することが出来る。
画像出典元:Invesp
8. テストでの学びを分析する
コンバージョン最適化は単なるスプリットテスト以上のものである。テストの後に詳細な分析を行い、以下の質問に答えていく。
- 負けパターンはなぜコンバージョン率の向上に失敗したのか?
- 負けパターンを評価することで、見込み顧客に関してどのような学びがあるか?
- 勝ちパターンを評価することで、顧客に関してどのような学びがあるか?
- このテストの結果、訪問者に対して新しく聞かなければならない質問は出来たか?
- 別のチャネルやプラットフォームで、同様の仮説を展開するにはどのようにすれば良いか?
これらの質問に対する論理的な回答を探すのも基礎的である。これにより、単なるコンバージョンの最適化を超えるための洞察やデータを得ることが出来る。
9. 新しいテストを計画する
我々はよく「1つの特定のページでいくつのテストをすべきか?」という質問を受けることがある。コンバージョンを妨げている上位の問題を解決するためならば必要なだけテストを行う、というのが我々の回答である。正しいアプローチは以下の点を含むことを思い出してほしい。
- コンバージョンフレームワーク要素を考慮し、ページの分析を行う
- そのページでの最大の問題を特定する
- 問題の優先順位付けを行う
- 各問題を解決する方法の仮説を作成する
- A/Bテスト、多変量テストを実施し仮説を検証する
このアプローチに従えば、A/BテストもWebぺージのコンバージョン改善のための1歩になるのである。
コンバージョン率最適化はプロセスである。電気のスイッチのようにON/OFFで切り替えるものではない。
画像出典元:Invesp
まとめ
コンバージョン最適化はプロセスである。長期的な取り組みであり、努力、献身、そして細かい分析が必要になる。
限られた期間でコンバージョン最適化を行い、大きな改善を最初から期待してしまう人には失敗が待ち構えている。
計画をしっかりとたて、プロセスに対してコミットすれば、その先には素晴らしい報酬が待っている。
この記事は、Invesp Blogに掲載された「9 Best Practices For Conversion Rate Optimization」を翻訳した内容です。
A/Bテストの成功率は高くても25%、低いと10%とも言われています。A/Bテストの事例として話されるような大きな成功は、この中のさらに一部です。
CROで大きな成果を出すためには、しっかりと計画を行い、技術面の限界を理解した上で、テストの実施と分析を通して次のテストへとつなげることが重要です。
Web解析、コンバージョン改善の取り組み方でお悩みの方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。
— SEO Japan