2015年 B2Cコンテンツマーケティングのトレンド: リサーチ & チャート
現在、常にネットにつながり、情報に溢れた時代を迎えており、コンテンツなしでは、B2Bのマーケティングは成立しない。
Content Marketing InstituteとMarketingProfが共同で行った2015 B2C Content Marketing Trends調査によると、B2Cマーケッターの77%はコンテンツマーケティング戦略を用いて、明確に狙いを絞ったオーディエンスに価値をもたらす情報を作り、配信しているようだ。
コンテンツマーケティングを活用しているB2Cマーケッターがこれほど多いことを知ると、B2Cのマーケッターは何の問題も抱えることなくコンテンツマーケティングを実施している、と思うかもしれない。
しかし、2015 B2C Content Marketing Trends調査では、正反対の結果が出ている。コンテンツマーケティングの利用が効果的だと感じているマーケッターは37%に過ぎないのだ。
2015年のB2Cコンテンツマーケティング計画に盛り込むべき3つの不可欠な要素
コンテンツマーケティングを採用するだけでは十分とは言い難い。セールスと利益を増やすために、次の3つの不可欠な要素をコンテンツマーケティングの計画に取り入れる必要がある。
1. コンテンツマーケティング戦略の文書化
コンテンツマーケティングを成功に導く上で、コンテンツマーケティングを文書化する取り組みは欠かせない。ただし、この戦略を利用しているB2Cマーケッターは27%のみである。
コンテンツマーケティングを文書化する戦略は有効である。戦略を文書化したB2Cマーケッターの43%はコンテンツマーケティングからセールスを得ている。
コンテンツマーケティング戦略に対する、次の3つの要素を重役に納得してもらう点に関して、大勢のマーケッターが尻込みしているようだ。
- コンテンツマーケティングの目標が企業の目標と一致している。 目標では、顧客の獲得と維持(リード生成とセールス)に的を絞ってもらいたい。
- 顧客、顧客のインフルエンサー等、オーディエンスを絞る。そのために、現在の顧客を理解し、また、マーケティングペルソナを作る必要がある。このリサーチに基づき、B2Cのマーケッターは、通常、4タイプのペルソナを用いて、ターゲットのマーケットを網羅する。
- プログラムの成功を判断するコンテンツマーケティングの計測基準。出来れば、セールスを主要な業績の視標の一つに含めてもらいたい。
反対にマーケッターの50%は文書化していない(あるいは口頭で済ませている)。 文書にまとめるか否かは、パフォーマンス & コンテンツマーケティングの成功に大きな影響を与える。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- オーディエンスをターゲットにしたコンテンツマーケティング戦略を策定する。コンテンツマーケティングの計画の一環として、コンテンツの作成および配信に加え、コンテンツマーケティングの評価、そして、コンテンツのキュレーションを行おう。
- コンテンツマーケティングの計画をチーム一丸となって遂行する。品質の高いコンテンツを作る上で必要なツールを従業員に与えよう。写真と動画の利用も忘れずに行うべきだ。公の場で恥をかく恐怖心を拭い去ることが鍵を握る。
2. コンテンツマーケティングのリソース: スタッフと予算
マーケッターは平均で予算の25%をコンテンツマーケティングに費やしている(人材は除く)。
予算が多ければ多いほど結果は良くなる。
- 良好な成果を上げているB2Cのマーケッターは平均でコンテンツに予算の29%を投じている。
- 良好な成果を上げていないB2Cマーケッターは平均でコンテンツに予算の17%をに投じている。
平均的なB2Cマーケッターの45%はコンテンツマーケティング専用のスタッフを抱えている。
- B2Cマーケッターの17%は個別のユニットとして動くコンテンツマーケティングの人材を抱えている。
- B2Cマーケッターの28%は社内で横並びに組み込まれたコンテンツマーケティングの人材を抱えている。
成功するためにはリソースは欠かせない。良好な成果を上げているマーケッターの63%はコンテンツマーケティング専用のスタッフを抱えている。
マーケティング部門の一部がコンテンツマーケティングを担当する会社は、B2Cの会社の約1/3を占める。小さな規模の会社では、経営者がコンテンツマーケティング(およびコンテンツの作成)を担当する。
基本: 専用のリソース、スタッフ、予算を用意することで、コンテンツマーケティングの成果は良くなる。
興味深いことに、成功や規模に関わらず、マーケッターの60%は今後12ヶ月間でコンテンツマーケティングの予算を増額する計画を立てている。
3. コンテンツマーケティングの計測基準(コンテンツマーケティングのROIを含む)
ビジネスの面で、セールスと利益は成功への鍵となる。
- B2Cマーケッターの54%はセールスを計測している。2014年度の調査から比べると10%アップしている。
- B2Cマーケッターの39%はコンバージョン率の増加を計測している。コンバージョン率が良くなると、各コンテンツに対して成立するセールスが増えるため、この計測基準は収益に関連すると言える。
- B2Cマーケッターの39%はSEOのランキングを計測している。コンテンツマーケティングはSEO戦略を支えるため、検索マーケティングの経費の削減につながる。
信じられないことに、B2Cマーケッターの5名に1名はコンテンツマーケティングのROIを計測していない。
Hubspotが実施した「2014 Inbound Research」により、ROIを計測するだけで収益が改善されることが判明している。コンテンツ戦略の文書化と同じように、従業員はセールスと利益について検討せざるを得なくなるためだ。
ROIに関連しているため、Hubspotの「State of Inbound 2014」調査の結果を精査したいなら、このコンテンツマーケティングのROIの分析に関する記事に目を通しておこう(注記: インバウンドマーケティングはコンテンツマーケティングとは異なる。前者はSEO、ソーシャルメディア、そして、コンテンツマーケティングを網羅している)。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- コールトゥアクションを加える。顧客に次に取ってもらいたい行動を本人に突き止めさせるのではなく、購入プロセスの次のステップを踏んでもらえるように要請する必要がある。
- 適切な追跡ツールを実装する。コールトゥアクションをクリックした人数を計測することが出来る環境が求められる。
- コンテンツの特徴をランディングページにも反映させる。同じブランディングおよびコンテンツの同じ要素を維持し、読者がコンテンツマーケティングのルートから脱線していないことを把握してもらう必要がある。
コンテンツマーケティングの計測基準を詳しく知りたい方は、53点のコンテンツマーケティングの計測基準を確認しておこう。
コンテンツマーケティングで成功するB2Cマーケッターが少ない理由
コンテンツマーケティングを通じて順調にセールスを得ているB2Cマーケッターは25%を下回った。 B2Cマーケッターがコンテンツマーケティングに力を入れているにも関わらず、なぜ成功しているマーケッターは少ないのだろうか?
その答えは知るには、マーケッターの力の及ばないコンテンツマーケティングにおける難問を理解する必要がある。
- 成功の判断はコンテンツマーケティングの難点として最も多く挙げられていた。マーケティングの取り組みがうまくいっている点を証明しなければ、リソースを確保するのは難しくなるため、辻褄は合う。
- (予算および人材の面で)リソースの欠如を挙げるマーケッターは2番目に多かった。魅力的なコンテンツの製作の難航、一貫したコンテンツの製作の難航、そして、各種のコンテンツの製作の難航は、コンテンツマーケティングが予算と人材の面で足りていない兆候である。
- B2Cマーケッターの約1/3が重役の支援の欠如に直面している。この状況では、コンテンツマーケティングの全ての取り組みが難航してしまう。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- 重役がコンテンツマーケティングを支持することに難色を示す原因を探り、その問題に対処する。さもなければ、コンテンツマーケティングを成功に導く上で必要なリソースを永遠に得ることは出来ない。
しかし、マーケッターが絶対に持つべきではない領域が1つある。それは、マーケティング部門の取り組みにおいてである。
- コンテンツマーケッターの1/3はマーケティング部門全体の結束が欠ける問題を抱えている。マーケティング部門全体が同じ方向を向いている必要があるため、この問題は目立つ。また、コンテンツマーケティング戦略をマーケティングの計画のその他の要素に統合して、コスト効率よく結果を改善することはそれほど難しくないはずである。
2015年のB2Cコンテンツマーケティングを成功に導きたいだろうか?
それなら、コンテンツマーケティング戦略を策定 & 文書化し、(人材および予算の面で)リソースを与え、そして、コンテンツマーケティングのROIを計測しなければならない。
2015年のB2Cコンテンツマーケティングにおけるトレンドにおいて、何が鍵を握ると思うだろうか?
この記事は、Heidi Cohenに掲載された「Does Your 2015 B2C Content Marketing Plan Include These 3 Elements?」を翻訳した内容です。