ライブ配信老舗の「ツイキャス」が6.5億円を資金調達

日本発、2010年2月スタートの「ツイキャス(TwitCasting)」はライブ配信サービスとしては老舗と言えるプラットフォームだ。そのツイキャスを運営するモイは4月10日、総額6億5000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

第三者割当増資の引受先はグローバル・ブレイン6号ファンド、KDDI Open Innovation Fund 3号ファンド、SBI AI&Blockchainファンドの各ファンド。今回の増資で、モイの累計資金調達額は13.4億円となる。

スマートフォンでライブ配信ができる、というと最近ではYouTubeやInstagram、Facebookなどの大御所プラットフォームにもその機能が備わっているし、アイドルやタレントの配信が多い「SHOWROOM」や、画面をそのまま配信できるゲーム実況向きの「Mirrativ(ミラティブ)」など、それぞれに特徴ある配信サービスも注目されている。

そんな中で、ツイキャスは登録ユーザー数が2500万人を超え、1日あたりの配信者数/累計配信回数では国内最大級のライブ配信サービスとして成長を続けているとのこと。今回の調達資金はツイキャス事業および新規サービスの開発・マーケティングと、それに伴う人員強化に充てるという。

ライブ配信サービス「ツイキャス」の累計配信回数が3億回突破、最大同時配信者数は1万人に

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モイが提供するライブ配信サービス「TwitCasting(ツイキャス)」。2010年2月にスタートしたこのサービスの累計配信回数が3億回を突破した。

ツイキャスのユーザー数は現在1600万人超。最近一般ユーザーにプラットフォーム開放を行った「LINE LIVE」のほか、ディー・エヌ・エー(DeNA)グループの「SHOWROOM」、ドワンゴの「ニコニコ生放送」、Twitterの「Periscope」などなどの競合がいる中、ユーザー数を拡大。1日の最大同時配信者数も増加しており、この8月には過去最高となる1万人を突破する日も複数回あったという。「配信者数が増えたことが配信数増加に繋がっている。ツイキャスは文化ができているので、(競合が出てきても)あまり大きな影響がない」(モイ)

同社が7月に実施したユーザーアンケートによると、ユーザー登録の理由は「好きなキャス主(ツイキャスの配信者を指す)と交流したい」と「知り合い・友だちを作りたい」という回答が過半数を占めたという。「イケボ(イケメンボイスの略)」なんて言われる人気のキャス主も数多く生まれているそう(7月にはキャス主をまとめたムックも出ている。すでに季刊化が決定した)。またアンケートでは視聴頻度も「ほぼ毎日」という回答がもっとも多かったという。「きっかけはキャス主や知り合いが配信しているというところからだが、LINEやTwitterのようにコミュニケーションのツールとして使うようなことも多い」(ツイキャス)

ところで同社は以前から海外進出についても検討しており、米国にも拠点を構えていたと聞いているが、今回の発表ではそのあたりのアップデートは聞くことができなかった。現在はアジア圏への進出を進めているそうで、韓国、インドネシア、シンガポールなどでマーケティングを進めているという。売上についても具体的な数字は公開していないが、ギフトアイテムやチケット販売機能などで黒字化しているという。