Electric Sheepが、既製の芝刈り機をロボット化するシステムを発売

iRobot(アイロボット)がTerra(テラ)を発表したのは、3年前のちょうど今頃だった。2020年に発売を延期するという厳しい社内決定が下された後、このロボット芝刈り機は未だMIA(作戦行動中行方不明)だ。草がたくさん生えていて時間があまりない人のために、他にもロボット芝刈り機は業務用と消費者用の両方で、いくつか販売されている。

しかし、Electric Sheep Robotics(エレクトリック・シープ・ロボティクス)という、Philip K. Dick(フィリップ・K・ディック)の小説を思い出させる会社のこの分野に対するアプローチは、John Deer(ジョン・ディア)傘下のBear Flag Robotics(ベア・フラッグ・ロボティクス)がトラクターに対して行っているのと同様に、少々斬新だ。米国時間1月25日より一般販売が開始された「Dexter(デクスター)」は、既存の業務用芝刈り機に、自律走行機能を搭載することができる。

芝刈り機にこの機械を取り付けた後、ユーザーはシステムを訓練するために、通常の草刈りのルートを一度通る。その後はシステムがLiDARやカメラ、GPSなど、搭載されたさまざまなセンサーを使って、衝突を避けながらナビゲーションを行う。Dexterは現在、RaaS(サービスとしてのロボット)モデルとして造園業者に提供されている。つまり、これはシステムを購入するのではなく、実質的にレンタルするという形だ。

画像クレジット:Electric Sheep Robotics

CEOのNaganand Murty(ナガナンド・マーティー)氏は、この機会に「米国にはたくさんの芝生がある」ということを強調した。

芝生のために使われている土地と水は、小麦とトウモロコシの合計よりも多く、米国では4000万エーカー(約16万2000平方キロメートル)を超える土地に何らかの形で芝生が敷かれていて、芝生の刈り込みだけで年間200億ドル(約2兆3000億円)が費やされています。Electric Sheep社のDexterロボットのようなソリューションは、お客様の需要を満たし、すでに不足している労働力をより効率よく配分するのに役立ちます。

今回の一般販売開始に合わせて、同社は2150万ドル(約24億6000万円)という大規模なシリーズA資金調達を実施し、現在までに調達した資金の総額は2570万ドル(約29億4000万円)となったことを発表した。このラウンドは、Tiger Global(タイガー・グローバル)が主導し(他に誰がいるだろうか?)、このベイエリアに拠点を置く会社が400万ドル(約4億6000万円)を調達したシードラウンドを主導したFoundation Capital(ファウンデーション・キャピタル)も参加した。

画像クレジット:Electric Sheep Robotics

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

自律型芝刈り機を提供する造園ロボットスタートアップScythe、芝を刈った面積に応じて料金が決まる

米国時間6月15日、2018年に創業しこれまでステルスだったScythe Roboticsが1380万ドル(約15億2000万円)のシリーズAを発表した。このラウンドを主導したのはInspired Capitalで、True Ventures、Zigg Capital、Lemnosが参加した。Scytheはコロラド州ボールダーを拠点とする造園ロボティクス企業で、True Ventureが主導した400万ドル(約4億4000万円)のシードラウンドなどと合わせて、これまでの調達金額は1860万ドル(約20億5000万円)となった。

Scytheの最初の製品は自律型芝刈り機で、RaaS(ロボット・アズ・ア・サービス)として提供されている。この方法は企業や産業界で、基本的には定期的なアップデートやメンテナンスも含めてレンタルでロボットを提供する場合に人気が高まりつつある。Scytheが芝を刈った面積に応じて顧客に課金している点は興味深い。

芝を刈る際に8台のHDRカメラとさまざまなセンサーを利用して人や動物、各種の障害物を避けるように設計されている。当然、ロボットの効率を上げるためにデータもたくさん収集する。造園はロボットにとっては比較的難易度が低い。広い面積を刈る人にとって自動化の意義は間違いなく大きい。ゴルフ場整備車輌のToroは最近Left Hand Roboticsを買収し、iRobotは芝刈りロボットを発表した(遅れているが)。

関連記事
ゴルフ場整備車輌のToroが芝刈り機や雪かき機を自動運転化したLeft Hand Roboticsを買収
iRobotが芝刈りロボット「Terra」の発売を無期延期

Scytheの共同創業者でCEOのJack Morrison(ジャック・モリソン)氏は発表の中で「これまで造園業者には需要に応えゼロエミッションで操業するためのテクノロジーパートナーがいませんでした。我々がそのパートナーです。当社の自律型芝刈り機はエコに貢献しつつ造園業者の成長につながります。最先端の自律機能と堅牢なオール電化設計を組み合わせてこれまでの芝刈り機よりも大幅に信頼性、生産性、安全性を高めるためにゼロから開発しています」と述べた。

今回調達した資金はコロラド、テキサス、フロリダにあるオフィスの増員、製品の研究開発、芝刈り機の新規顧客獲得に使われる予定だ。

カテゴリー:ロボティクス
タグ:Scythe Robotics造園芝刈り / 芝刈り機資金調達自動運転

画像クレジット:Scythe Robotics

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Kaori Koyama)