以前の記事でも紹介しているように、Gartnerはフィットネス系ウェアラブルの将来は明るいとみなしているようだ。ウェアのスマート化というのもその流れのひとつだということができる。スペインのスタートアップであるFirstV1sionが提供するのもそうしたウェア(ラブル)のひとつだが、このウェアがヨーロッパのプロバスケットボールの試合で実際に使われることになったそうだ。プレイヤーが身につけることにより、一人称視点のカメラアングルから試合を見ることができるようになるわけだ。
FirstV1sionのウェアラブルはこれまでにも、レアル・マドリードとバルセロナの試合にて、レフェリーが使用したことがある。しかし今回は、始めてプロフェッショナルゲームにおけるプレイヤー自身が身につけることとなった。身に付けるのはリトアニアのŽalgiris Kaunasで、相手はやはりレアル・マドリードとなっている。この試合の様子は世界中で12のチャネルにより放映されることになっていて、スペインでもCanal+が扱うことになっている。
FirstV1sionにウェアラブルにはHDカメラやマイクが搭載されていて、胸部に装着される形となっている。さらに心拍計や加速度計などのセンサー類も装備されており、一人称視点で楽しむのみならず、装着したプレイヤーの動作速度を数値で確認したり、生体データなどを確認することもできるようになっている。一人称視点カメラは、スポーツ界にいろいろと登場してきてはいる。FirstV1sionは、ここにセンサーを結びつけることで、さらに新しい世界を開こうとしているわけだ。
また、FirstV1sionは心拍計などでリアルタイムの情報を入手することで、プレイヤーの安全面にも役立つと主張している。もちろんそうはいっても主な目的はエンターテインメント面にあるのは間違いない。プレイヤーの生体データを収集してそれを放送画面に映し出すことにより、スポーツ観戦の面白さを広げようとしているわけだ。プレイヤーのさまざまなデータを閲覧することで、楽しみがいっそう増えると言うファンも多いことだろう(ただし、金曜日に放送されるEuroLeagueの試合ではカメラ画像のみが放送される予定だ。音声や生体データについては、今回は扱わない予定であるそうだ)。
FirstV1sionは、バルセロナのWayraの実施するアクセラレータープログラムから登場してきたスタートアップだ。母体であるスペインの通信会社のTelefónicaは、FirstV1sionに€60,000/$65,000を出資して7%の株式を取得している。他にはFCバルセロナでプレイするサッカー選手であるアンドレス・イニエスタやNBAのオクラホマシティ・サンダーでプレイするサージ・イバーカなども出資している。
さらにFirstV1sionはBank To The Futureを使った出資キャンペーンも実施中だ。より多くの資金を集めて、さらに多くのスポーツファンが一人称視点でスポーツを楽しめるようにしたいという狙いだ。5000名ほどの投資家から250万ユーロほどそ資金を調達することを目標としている。
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(翻訳:Maeda, H)