フレッシュネスバーガー発売の「THE GOOD BURGER」が発芽大豆由来の植物肉を採用

フレッシュネスバーガー発売の「THE GOOD BURGER」が発芽大豆由来の植物肉を採用

発芽大豆由来の植物肉を開発・製造するスタートアップ「DAIZ」は8月31日、同社植物肉「ミラクルミート」が、フレッシュネスの「THE GOOD BURGER」のパティ原料として採用されたと発表した。THE GOOD BURGERは、全国のフレッシュネスバーガーにおいて、9月1日(全店アプリ会員限定先行発売)および10月1日(全店発売)から購入できる。価格は税込480円。

フレッシュネスが新メニューとして販売を開始する「THE GOOD BURGER」は、DAIZの植物肉を用いた大豆パティをテリヤキソースにからめ、低糖質バンズと野菜で挟んだハンバーガー。

動物性原料を使わず、環境にやさしい大豆パティと糖質約45%オフの低糖質バンズ(フレッシュネス、ゴマバンズ比較)を使用。日本ならではの醤油麹をベースにしたテリヤキソースで味付けしている。

8月12日より実施していた、首都圏の一部店舗における検証発売において想定を上回る売れ行きとなり、全国のフレッシュネスバーガーにて発売開始となったという。

(ミラクルミート)

これまでの植物肉に使用されてきた主原料は大豆搾油後の残渣物(脱脂加工大豆)であったため、味と食感に残る違和感、大豆特有の青臭さや油臭さ、肉に見劣りする機能性(栄養価)といった課題が残っており、本格的な普及の妨げとなっていた。

DAIZの植物肉は、原料に丸大豆を採用。オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みを無くし、異風味を低減した。また独自の発芽技術によって、これまでの課題を解決する植物肉の開発に成功した。

また、味や機能性を自在にコントロールするコア技術「落合式ハイプレッシャー法」(特許第5722518号)で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大。発芽大豆は、水を加えながら高温下でスクリューで圧力をかけ押し出すことにより混練・加工・成形・膨化・殺菌などを行うエクストルーダー(押出成形機)にかけ、膨化成形技術により肉のような弾力と食感を再現している。これらの独自技術により、異風味を低減した植物肉(ミラクルミート)を製造しているという。

フレッシュネスバーガー発売の「THE GOOD BURGER」が発芽大豆由来の植物肉を採用

フレッシュネスバーガー発売の「THE GOOD BURGER」が発芽大豆由来の植物肉を採用

発芽タンクを用いた独自の製造プロセスにより、原価低減を実現し、牛肉・豚肉・鶏肉に対し、価格競争力があるとしている。

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大豆由来の植物肉原料(ミラクルチップ)を開発・製造するDAIZは5月18日、シリーズAラウンドで総額6.5億円の資金調達を実施したことを明らかにした。第三者割当増資による調達で、引受先は農林漁業成長産業化支援機構(A-FIVE)、三菱UFJキャピタルをはじめとする5社。同社の計調達額は12億円となる。

同社は今回調達した資金を、ミラクルチップの生産体制の拡大と研究開発の強化に使うとのこと。生産体制については、特許技術「落合式ハイプレッシャー法」を採用して、植物肉原料生産ラインを拡充する。研究開発については、本物の肉の味に近づけるためにAIプロファイング技術の開発を進める。生産体制の強化と研究開発により、ミラクルチップを生産能力を年間3000トンに引き上げることを目標とする。

DAIZは2015年設立のスタートアップ。大豆由来の植物肉原料の開発、製造、そして植物肉原料を用いた食品の開発、製造および販売を行っている。味と食感に残る違和感、大豆特有の青臭さや油臭さ、肉に見劣りする機能性といった大豆ミートの課題をを解決し、植物肉の普及を目指している。

落合式ハイプレッシャー法とは、大豆の発芽中に、酸素、二酸化炭素、温度、そして水分などの生育条件にプレッシャーを与える栽培方式。酵素が活性化し、遊離アミノ酸量が増加することで、大豆の旨味を引き出せるという。ミラクルチップの成形時においても独自独自の膨化成形技術によって、他の原料や添加物を何も足さずに、肉のような食感を再現できるとしている。同社は、九州大学や京都大学と共同で大豆ミートの研究開発を進めているほか、2020年1月には、冷凍食品大手のニチレイフーズと資本業務提携している。

日本発の代替肉スタートアップDAIZ、ニチレイフーズと資本業務提携を締結

DAIZの独自製法により発芽させた大豆を使用したハンバーガー

海外ではビヨンド・ミート(Beyond Meat)やインポッシブル・フーズ(Impossible Foods)などの代替肉を開発し提供するスタートアップが話題だ。マクドナルドはビヨンド・ミート社製の代替肉を使用したハンバーガーをカナダでトライアルとして提供しており、1月開催のConsumer Electronics Show(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー:CES)では、インポッシブル・フーズは特に注目された企業の1つだったとも言える。

ここ日本でも、日本ハムが「NatuMeat(ナチュミート)」のブランド名で3月にも代替肉市場に参入することや、イトーヨーカドー横浜別所店で、2019年10月に「大豆ミート」の専用売り場を設けたことが報じられている

そんな中、日本発の代替肉スタートアップDAIZは1月29日、冷凍食品大手のニチレイフーズと資本業務提携を締結したことを発表した。出資金額は5000万円。DAIZの植物肉原料と、ニチレイフーズの商品開発力、販売力を掛け合わせ、日本の植物肉市場の拡大を目指す。

DAIZは2015年設立のスタートアップで、大豆由来の植物肉原料の開発、製造、そして植物肉原料を用いた食品の開発、製造および販売を行なっている。

国連が2019年7月に発表した「世界人口推計2019年版」は、地球上の人口は2050年までに約100億人に達すると予測。人口増加と新興国の経済成長により、2030年にはタンパク質の需要に供給が追い付かなくなる「タンパク質危機」の時代が到来とも言われており、代替タンパク質としての植物肉の世界市場は9兆円を超えるとの予測もある。

だが、DAIZいわく、味と食感に残る違和感、大豆特有の青臭さや油臭さ、肉に見劣りする機能性といった課題が残っていることが、本格的な普及の妨げとなっていた。同社ではそのような課題を解決し、植物肉の普及を目指す。

DAIZは、独自の栽培法「落合式ハイプレッシャー法」と独自の膨化成形技術で、肉らしい味と食感の再現、大豆特有の異風味の低減、そして機能性の向上を実現した大豆由来の植物肉原料の開発に成功した、と説明。落合式ハイプレッシャー法では、大豆の発芽中に、酸素、二酸化炭素、温度、そして水分などの生育条件にプレッシャーを与える。それにより、酵素が活性化し、遊離アミノ酸量が増加することで、大豆の旨味を引き出しているという。また、独自の膨化成形技術により、他の原料や添加物を何も足さずに、肉の様な食感を再現しているそうだ。同社は九州大学、ならびに京都大学と共同研究している。

DAIZいわく、今回の資本業務提携では、「植物肉の商品ラインナップの拡大、ひいては『第4の肉として植物肉を食す』という食文化の浸透」を目指す。そして、「植物肉の供給量を増大させるため、生産体制確立として設備投資を実行する」予定だ。

ニチレイフーズは「DAIZが研究、保有する『発芽大豆』は、素材が持つおいしさと優れた栄養成分を兼ね備える一方で、既存の植物性たんぱく質の課題である『独特な風味』、『食味、食感の物足りなさ』を解決できる素材だ」と評している。

DAIZは東京証券取引所マザーズ市場への早期の株式公開を目指している。