G Suite向けGmailがChat、Meet、Roomを統合

Google(グーグル)は米国時間7月15日、生産性向上ツールG Suiteのメジャーアップデートをリリース(Googleプレスリリース)した。これにより、ウェブならびにモバイル上で、Chat(チャット)、Meet(ミート)、Rooms(ルームス)とGmailの深い統合が提供されるようになる。

Calendar(カレンダー)、Docs(ドキュメント)、Sheets(スプレッドシート)、Slides(スライド)などのほかのツールの統合も同様だ。この統合は、G Suiteの早期導入プログラムでまず利用可能になる予定で、より広い範囲への展開は順次となる。

G Suiteチームは約1年間このプロジェクトに取り組んできたが、もともと今回のリリースの一部になる予定だったGmailとMeetの統合は、新型コロナウイルスのパンデミックへの対応も一部理由となって、先行して行われていた。

今回のアップデートの中心にあるのは、電子メール、チャット、音声、ビデオなど、さまざまな通信モードを私たちは常に切り替えて使っているという考えだ。そこで、今回のアップデートでは、Googleは多くのユーザーが既に多くの時間を費やしていることは間違いないGmailを、差し当たりの中心としたものとしてまとめあげようとしている。

Googleはこの動きを「better home for work」(仕事のためのより良いホーム)としてブランド化しようとしている、これが意味しているのは、単にGmailの中でカレンダーを書き込んだりファイルを操作したりして製品同士がより緊密な統合が行えるというだけではなく、1つのウィンドウでリアルタイムに文書を共同編集しながら、もう1つのウィンドウでビデオチャットを行えるようにもなるといったことである。

画像クレジット: Google

G SuiteのVP兼GMを務めるJavier Soltero(ハビエル・ソルテロ)氏によれば、ここでの全体としてのアイデアは、これらのすべてのツール同士を近付けて、ユーザーが行わなければならないタスクの切り替えを減らすことだけではない。

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発表に先立ちソルテロ氏は「我々は、ここしばらく取り組んできたことについて発表します。これは私自身が昨年Googleに入社する少し前から始まっていたことでした。発表したいのはすべてのコミュニケーションとコラボレーションのコアコンポーネントを1つの場所に持ち寄るためにデザインされた、新しい統合ワークスペースです。個別の要素を単に同じ場所に集めただけではなく、部品の合計よりも大きなものも提供できるものです」と語った。「コミュニケーションのさまざまなモード、特にメール、チャット、ビデオ通話、音声ビデオ通話の様々なレベルでの統合を、コラボレーションにおける私たちの既存の強みの上で提供できます」。

ウェブと同様に同社は、 5月にモバイル用Gmailの最新のメジャーアップデート(未訳記事)を最初に発表したときに、計画の一部を明らかにしていた。GmailとMeetを切り替えるために画面の最下部に新しいバーを設置し、Meetとの統合を行ったのだ。そして今回はさらに、ChatとRoomsのサポートも含まれるように拡張されている。ソルテロ氏は、Gmail、Meet、Chat、Roomsの4つの製品を「統合ワークスペースの4つの柱」と見なしていると述べている。これらすべてを1つのアプリに統合することで、それらのすべての通知動作を1カ所で扱えるようになる。しばしば面倒な操作となるモバイル上でのタスク切換えなどが不要になるのだ。

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現時点では、これらのアップデートはG Suiteに限定されているが、Meetを一般消費者に提供するというGoogleの取り組みと同様に、同社はこのワークスペースエクスペリエンスを一般消費者にも提供することを計画している。だがそれが正確にはどのようなものになるのかはまだ不明だ。「現在、我々は本当に集中しています。これを緊急に必要としているのは、生産性向上シナリオに関係している方々です。『the new home for work』(仕事のための新しいホーム)というアイデアは、特にプロフェッショナルの現場、高生産性が求められる仕事の現場のための、コラボレーションに関わるものなのです」とソルテロ氏はいう。

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さらに続くアップデートは

今回GoogleはG Suiteの製品ラインに、その他のいくつかの機能アップデートも発表する。Chatルームでは、ファイル共有とタスクを取り込んで、タスクを割り当てたり、社外のユーザーをルームに招待したりできるようになる。これらのルームでは、まったく別のウェブアプリに切り替えることなく、片方でチャットを開いてもう片方でドキュメントを編集することもできる。

Gmailの新機能としては、メールだけでなくチャットも検索できるほか、重要なルームをピンで固定するための新しいツールや、「do not disturb」(邪魔しないでください)や「out of office」(不在)といった新しい状態設定も追加できる。

これらの新しい統合ワークスペースのさらに気の利いた新機能の1つは、Googleが一部のパートナーたちと協力して彼らのアプリを取り込めるようにしていることだ。特にDocuSignSalesforce、Trelloについては具体的な名前が挙げられている。こうした企業は、Gmailサイドバーとの統合などGmailとの高度な統合をすでに提供しているので、こうしたリストは今後も拡大していくだろう。

Meetも今後数週間でいくつかのアップデートが予定されている。たとえば「ノッキングコントロール」という機能は、一度ミーティングから追い出した人物が再びミーティングに戻って来られなくするものだし、また誰が発言したり出席できるのかをミーティングホストが決定できる安全ロックも用意される。

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関連記事:Google Meet shows up in Gmail inboxes, a few years too late(未訳記事)
トップ画像クレジット: Alex Tai/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(翻訳:sako)

Google、G Suitesユーザー向けのHangoutsを10月に終了

Googleの消費者向けメッセージングサービスに関わる戦略は未だに不可解であり、中でもメッセージングアプリのAlloを捨てたたことは特にそうだ(Duoは生命維持状態)。本日(米国時間1/22)同社は、G Suitesの有償顧客について、HangoutsからChatとMeetへの移行スケジュールを明確にした。対象ユーザーにとってHangoutsの送別会は今年10月から始まる。

一般ユーザーにとっての状況は未だに不透明だが、Googleによると、ChatとMeetの無料バージョンが「G Suitesユーザーの移行のあと」に登場するらしい。現時点で明らかになっている日程はなく、わかっているのはHangoutsが2020年まで動き続けるらしいということだけだ。

G Suitesユーザーに対しては、4月から9月にかけてHangoutsの機能をさらにChatに追加するとGoogleは言っている。その中には、Gmailとの統合、外部ユーザーとの通話、ビデオ通話の改良、Google Voiceを利用した発信などがある。

Googleは当初、Hangoutsユーザーのビデオ会議サービスのMeetへの移行を昨年開始する予定だった。Meetは新しいサービスで新機能も備えていることから、ごくわかりやすいストーリーだった。Hangoutsにとって事態はずっと複雑であり、Hangouts Chatは現在消費者が利用できない状態だ。選択肢はほかにいくらでもあるので、この混乱でGoogleが失ったユーザーはかなり多いに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook