Harness、ソフトウェアデリバリープラットフォームにGitOpsを導入

AppDynamicsの共同創業者であるJyoti Bansal(ジョティ・バンサル)氏が率いる、MLで強化したソフトウェアデリバリープラットフォームHarnessは今、GitOpsのバスに乗り遅れまいと頑張っている。

同サービスは継続的デリバリー(CD)にフォーカスしてスタートし、その後の機能拡張で、スタートアップやエンタープライズが利用するフルスタックのDevOpsプラットフォームになった。現在の同社の主なサービスは、継続的インテグレーション(CI)、クラウドのコスト管理、機能フラグなどとなる。

バンサル氏によると、同社の全体的なミッションは変わっていない。「Harnessは高い志を持ってスタートしました。今ではあらゆる企業が実質的にソフトウェア企業になろうとしています。それに対して私たちは、彼らのソフトウェア技術者たちに、GoogleやFacebookやAmazon、Netflixなどと同レベルの高度なツールを提供できるだろうか、と考えました。挙げたような企業は、他の企業が持ってないような、非常に良くできたソフトウェアエンジニアリングのやり方とツールを備えています」という。

同社は現在、600名の社員を抱えており、今回はそのプロダクトリストにGitOpsサービスのローンチで新たな機能を加えようとしている。伝統的なエンタープライズでもKubernetesの利用がますます増えている現在では、アプリケーションをそのクラスターへと開発する方法として、GitOpsの採用が増えている。そこで世界最大のリテイラーや銀行を顧客に抱えるHarnessが、このモデルをサポートしたくなるのも当然だ。

HarnessはそのGitOpsプラットフォームをArgoCDの上に構築している。それは最初、その後2018年にIntuitに買収されたApplatixが開発し、今ではCloud Native Computing Foundationの傘下にある、Kubernetes用の宣言的GitOpsツールだ。Bansal氏によれば「それはとても強力ですが、軽量であることが好まれています。これを使ってデベロッパーのワークフローと、デプロイの仕組みの多くを自動化できます。しかしGitOpsの難点は、実際の複雑なエンタープライズ環境で運用していくことが、非っ常に難しいことです」。

しかし、そのことがまさにHarnessの出番となる要因だ。同社はSaaSのような形でGitOpsサービスを提供し、ArgoCDの上にエンタープライズの能力を載せていく。

「私たちはGitOpsを、アクセスしやすく、すべてのエンタープライズにとって実用性に富んだものにしています。いわばそれは、エンタープライズ級のGitOpsです。GitOpsは今、多くの人に好まれていますが、でもそれを実用化するには、たくさんのバンドエイドやガムテープが必要でした。しかしこれからは、本物のエンタープライズソリューションと、GitOpsの初めてのSaaSがあるのです」。

画像クレジット:Cavan Images/Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Drone買収から7カ月、Harnessが大幅なアップデートを発表

買収された会社のCEOが口をそろえていうのは、買収した会社のリソースを活用することで、自分たちだけでやるよりもはるかに多くのことができるということだ。Droneの共同創業者であるBrad Rydzewski(ブラッド・リジェフスキ)氏は、買収されてからわずか7カ月で自社がHarnessの一員であることから大きな恩恵を受けていると語り、また米国時間3月18日に同社はオープンソース・プロジェクトの大幅な見直しを発表した。

これまでDroneと呼ばれていた企業は現在はHarness CI Community Editionと呼ばれており、リジェフスキ氏によると、HarnessのCEOであり創業者であるJyoti Bansal(ジョティ・バンサル)氏はオープンソースのDrone製品の開発を100%続けるという約束を守ってくれたという。

「買収後の7カ月間、コミュニティの活動の多くはHarnessがプロジェクトとして提供してくれたリソース(デザイナーやプロのライターへのアクセスなど)を利用したもので、これらはほとんどのオープンソースプロジェクトにとって贅沢なものです」と、リジェフスキ氏はTechCrunchに語った。

リジェフスキ氏はこれらの追加リソースにアクセスすることで、Harnessに参加しなければ不可能だった高度な洗練さをプロジェクトにもたらすことができたと述べている。同時に、CIチームはプロジェクトの2人の共同創業者から15人にまで成長し、Harnessツールセットの一部になったことで、プロフェッショナルなCIツールを構築することができたと同氏は語る。

リジェフスキ氏によると、コミュニティのアップデートの中で最も重要なのは、よりプロフェッショナルな雰囲気を持つ新しい洗練されたインターフェースだという。さらに開発者は、リアルタイムのデバッグツールや新しいガバナンスおよびセキュリティ機能の恩恵を受けながら、プロジェクトがパイプラインにそってどのように進むかを視覚化ツールで見ることができる。

Harnessに買収される前はわずかな予算で仕事をすることに慣れていたリジェフスキ氏にとって、困惑するほどの大金だ。「Droneはオープンソースのプロジェクトとして非常にささやかなスタートを切ったが、今では市場に出ているどんな製品、たとえ何億ドル(何百億円)も調達したプロダクトにも負けないと思う」とリジェフスキ氏は述べた。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:DroneHarness

画像クレジット:Cecilie_Arcurs / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:塚本直樹 / Twitter