米国時間7月24日にクラウドファンディングによって資金が調達された宇宙船「LightSail 2」は、宇宙空間において効率的な飛行を可能にするために表面で光子を受け止める大きなシート状の反射素材である、マイラー(ポリエステルの一種)製のソーラーセイルを展開することに成功した。これまでは宇宙船から送られたデータによる観測だったが、LightSail 2が地上局の通信範囲に入った時に送信した新しい画像のおかげで、それが視覚的に証明された。
これらの画像と、魚眼カメラから撮影された一連の画像から生成されたアニメーションGIFは、ボクシングリング大のマイラー製セイルが展開される様子を示しており、GIF画像は実際にセイルが完全に展開された時間の100倍速となっている。これは重要なマイルストーンであり、先代のLightSaildでは達成できなかった偉業だ。今回のミッションではLightSail 2がCubeSatをソーラーセイルにより自力で推進するデモが予定されており、これは宇宙での研究におけるアクセシビリティと運用コストの両面で大きなメリットがある。
この宇宙船はジョージア工科大学の学生チームによって組み立てられ、6月のFalcon Heavyのミッションで打ち上げられた。宇宙船では展開前のテストが実施されており、惑星協会によれば戻ってきたデータは「クリップほどの重さ」と同等の太陽光の推進力により、セイルが押されていることを観測している。このわずかな力が蓄積されることで最終的には、計画通りにことが進めばLightSail 2の軌道を上昇させ、小型人工衛星に向いた推進方法の可能性を実証するだろう。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)