学習ツールを提供するDuolingo、新しいTinycardsで言語学習以外にも対応開始

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モバイル向けの教育アプリケーションでもっとも有名なものといえばDuolingoということになるだろうか。ただし、「教育アプリケーション」とはいっても、これまでは言語の学習に特化したものとなっていた。しかしこの度Tinycards(iOS版)というアプリケーションをリリースし、「記憶力」を使うものであれば多くの学習シーンで利用できるようになった。これまで同様に単語などを学習するのにも使えるし、その他にも公式や歴史年表、あるいはポケモンの名前やステータスを学習するのにも使えるのだ(ポケモン学習用のカードもTinycards内に用意されている)。

Tinycardsを簡単に言ってしまえば「フラッシュカード」式の学習ツールだ。Duolingoと同様に間隔反復(Spaced repetition)を用いる。進度管理方法についてもDuolingoで用いていたのと同じアルゴリズムを用いている。

lessons「Duolingoは、楽しく、かつ効率的に学ぶことのできる言語学習ツールとして世の中に受け入れられることとなりました」と、DuolingoのCEO兼共同ファウンダーであるLuis von Ahnは言っている。「Duolingoで培ったノウハウを、新しくフラッシュカードを用いた学習ツールに移植することで、覚え学習に苦労している子供たちの手伝いができると考えています。もちろん子供だけでなく、大人が教養を広げるために、新しいことを勉強する際にも役に立てると考えています」。

今回のTinycardsでも、学習の中に遊びの要素を持ち込んでいる。学習をすすめることにより新しいレベルにチャレンジできるようになるし、また学習しているカードを友だちとシェアすることなどもできる。言語(単語)学習以外にも可能性を広げたのはDuolingoにとって大きな進歩だといえるだろう。

Tinycardsを起動すると、まずはフォローするフラッシュカードクリエイターを決める画面となる。今のところ、カードの多くはDuolingo自身により制作されたものだ。Duolingoと同様に使うためのDuolingoカードもあれば、歴史を学ぶためのTinyHistoryというカードもある。他にはTinyScience、TinyGeoなどがある。Tinycards上で中国語が学べるように提携して導入したChineasyもある。

こちらで試してみた際には「ひらがな」コースを選んでもみた。Duolingo自身による日本語コースはまだないようだが、「ひらがな」カードを勉強することで、日本で用いられている文字のいくつかが読めるようになるかもしれない。

使い勝手はDuolingoと同じような感じだ。最初にカードの表と裏(単語学習時なら、学習している単語が表、裏にはその意味が書いてある)を見て学習し、そして閲覧したカードに関する質問に答えていくのだ。こちらで使ってみた「ひらがな」コースでは、記された読みをするひらがなを選んだり、読みをタイプしたりして学習する。もちろんこれだけで日本語の勉強ができるわけではない。ただ、日本語学習中に、文字や単語を勉強する際には良い副教材となることだろう。なお、日本語の基本フレーズを学んだり、あるいは動物の名前を日本語で言えるようにするためのカードも用意されている。

他にフィーチャーされているカードを見てみると、たとえばロシア語のアルファベットを学習するためのものや、あるいはヨーロッパの国名を学習するためのものなどが掲示されている。「ベオウルフ」(Beowulf)を学んだ人には懐かしい古英語を学習するためのカードもある(Beowulfのみを扱ったカードもある)。言語を学んでいるときに便利な機能だが、音声を認識して正誤を判断する機能もある。

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Duolingoによれば、すでに数百ものカードが登場しているのだとのこと。自前のカードを作りたければ、そうすることもできる。アプリケーションを使っている人の誰もがあなたをフォローする可能性があり、あなたをフォローした人には、アップデート情報が配信されるようになっている。なにか得意分野があるのなら、Tinycards経由で他の人の学習を支援するようなこともできるわけだ。

今のところ、Android版をリリースするのかどうかについての情報はない。しかしこれまでのAndroid対応を考えるなら、おそらくは開発中なのではなかろうかと思われる。

ちなみにDuolingoはこれまでに8330万ドルを調達している。Tinycardsを収益源に育てようという計画は、とりあえず今のところはないようだ。

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(翻訳:Maeda, H