まるで12型MacBookの発展系、13型ノート「HUAWEI MateBook X 2020」

ファーウェイ・ジャパンはMateBookシリーズの最新フラッグシップ「HUAWEI MateBook X 2020」を11月17日に発表、11月20日に販売開始した。市場想定価格は税抜15万4800円。MateBook X 2020はフラッグシップに位置づけられているものの、搭載CPUは「Core i5-10210U」と最上位ではない。つまり、それ以外のスペックが最上位にふさわしいということになるわけだ。

ファーウェイ・ジャパンの13型ノート「HUAWEI MateBook X 2020」。市場想定価格は税抜15万4800円。液晶ディスプレーの解像度は3000×2000ドット。サイズW284×D207×H13.6mm。重量は約1.0kg

ファーウェイ・ジャパンの13型ノート「HUAWEI MateBook X 2020」。市場想定価格は税抜15万4800円。液晶ディスプレーの解像度は3000×2000ドット。サイズW284×D207×H13.6mm。重量は約1.0kg

パッと見の印象は、かつての12型MacBookをオマージュしたかのよう

率直にいって、MateBook Xを手にしたときの第一印象は、かつての12型MacBookを彷彿とさせる。実際、サイズ・重量を比較してみると、「MacBook(Retina, 12-inch, 2017)」がサイズW280.5×D196.5×H3.5~13.1mm、重量0.92kg。MateBook XはW284×D207×H13.6mm、1.0kgとかなりサイズが近い。ファーウェイは12型MacBookを意識してMateBook Xを開発したのかもしれない。

  • MateBook X 2020:W284×D207×H13.6mm、重量1.0kg
  • MacBook(Retina, 12-inch, 2017):W280.5×D196.5×H3.5~13.1mm、重量0.92kg
  • MacBook Air(M1, 2020):W304.1×D212.4×H0.41~16.1mm、重量1.29kg
本体の実測重量は1014g

本体の実測重量は1014g

ACアダプターとUSB Type-Cケーブルの合計重量は実測191.4g

ACアダプターとUSB Type-Cケーブルの合計重量は実測191.4g

ただし、MateBook Xはウェブカメラをディスプレイ上部からキーボード奥に移動することにより、ディスプレイを狭額縁化して、13型LTPS液晶を搭載している。いわばパッケージングとしてはMateBook Xは12型MacBookの発展系といえよう。

ディスプレイには13型LTPS液晶(3000×2000ドット、278ppi、輝度400cd/平方m、色域sRGB100%、コントラスト比1500:1、タッチ対応)を採用

ディスプレイには13型LTPS液晶(3000×2000ドット、278ppi、輝度400cd/平方m、色域sRGB100%、コントラスト比1500:1、タッチ対応)を採用

色域を計測したところ、sRGBカバー率は97.6%、sRGB比は99.6%と表示された

色域を計測したところ、sRGBカバー率は97.6%、sRGB比は99.6%と表示された

キーボード奥にポップアップ式ウェブカメラ(720p)が内蔵されている

キーボード奥にポップアップ式ウェブカメラ(720p)が内蔵されている

一般的な用途に処理性能は十分だが、最新ゲーム用には厳しい

CPUは前述のとおり、第10世代(Comet Lake)の「Core i5-10210U」(4コア8スレッド、1.60~4.20GHz)を採用。メモリー(RAM)は16GB、ストレージは512GB(PCIe接続SSD)を搭載している。

ベンチマークを実施したところ、CPUベンチマーク「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は2869 pts、3Dゲームベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは2248(普通)だった。一般的な用途には十分な処理性能だが、最新3Dゲームをプレイするのはちょっと厳しそうだ。

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は2869 pts、CPU(Single Core)は717 pts

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は2869 pts、CPU(Single Core)は717 pts

「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは2248(普通)

「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは2248(普通)

「CrystalDiskMark 8.0.0」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は3425.04MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は2979.82MB/s

「CrystalDiskMark 8.0.0」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は3425.04MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は2979.82MB/s

左右にUSB Type-Cインターフェースが分かれているのが◎

12型MacBookと非常に似たデザインのMateBook Xだが、大きく異なっているのがインターフェース。USB 3.2 Gen1 Type-C×2、3.5mmヘッドセット端子と数は決して多くはないが、USB Type-Cを左右にひとつずつ搭載。通信機能はWi-Fi 6(11ax)とBluetooth 5.0をサポートしている。

Apple M1搭載MacBook Pro、MacBook Airのように端子が片側にしか用意されていないと、一方からしか充電できず不便だ。両側面にインターフェースを用意している点は、使い勝手を重視した設計と高く評価できる。

また、HDMI 2.0×1、VGA端子×1を増設するためのアダプター「HUAWEI MateDock 2」が同梱されている点もポイント。別途USBハブを用意する必要がないユーザーフレンドリーな施策といえる。

本体カラーはシルバーフロスト

本体カラーはシルバーフロスト

吸気口などがないスマートな底面

吸気口などがないスマートな底面

キーボードはもちろん日本語仕様。「-」、「^」、「」以外のキーが等幅に揃えられている、打ちやすいキーボードだ

キーボードはもちろん日本語仕様。「-」、「^」、「」以外のキーが等幅に揃えられている、打ちやすいキーボードだ

本体前面にデュアルマイクが内蔵されている

本体前面にデュアルマイクが内蔵されている

右側面にUSB 3.2 Gen1 Type-C×1、左側面にUSB 3.2 Gen1 Type-C×1、3.5mmヘッドセット端子×1が配置

右側面にUSB 3.2 Gen1 Type-C×1、左側面にUSB 3.2 Gen1 Type-C×1、3.5mmヘッドセット端子が配置

本体以外に、ACアダプター、USB Type-Cケーブル、HUAWEI MateDock 2、クイックスタートガイド、PCリサイクルマークシール、WPS Officeライセンスカードが同梱

本体以外に、ACアダプター、USB Type-Cケーブル、HUAWEI MateDock 2、クイックスタートガイド、PCリサイクルマークシール、WPS Officeライセンスカードが同梱

モバイルのためのトータルバランスを重視した薄型軽量ノートPC

MateBook Xのバッテリー駆動時間は約11.3時間とうたわれている。そこで、ディスプレイ輝度100%、バッテリー残量2%までという条件でバッテリーベンチ「BBench」を実施したところ、6時間30分6秒動作した。モバイルノートPCとして十分なバッテリー駆動時間を備えている。

MateBook Xには最新、最上位のCPUは搭載されていない。しかし、13型の高解像度ディスプレイを12型MacBookと同等の薄型ボディーに搭載しつつ、インターフェースの使い勝手もいい。絶対的なパワーではなく、トータルバランスに優れた薄型軽量モバイルノートPCを求めている方にもってこいの1台だ。

まるで12型MacBookの発展系、13型ノート「HUAWEI MateBook X 2020」

関連記事
4K有機EL&Thunderbolt 4採用、13.3型2in1「ZenBook Flip S UX371EA」
Ryzen Pro 4000採用で32GBメモリー搭載可能、13.3型「ThinkPad X13 Gen 1(AMD)」
3万7000円という高コスパが信じられない充実装備の13型ノートPC「GemiBook」
4G LTE対応で約8万円、性能バランスが絶妙な日本HPの2in1ノート「HP Pavilion x360 14」
Ryzen 7 4800H+Radeon RX 5500M搭載、オールAMDのゲーミングノート「Bravo 15」レビュー
Surface Book 3はiPad ProとMacBook Proがライバルの2 in 1 PC
13インチと16インチのMacBook Pro、どちらを買うべきか?
携帯性と操作性を両立したSurface Go 2はモバイル特化型PCだ
完成しているからこそあえて変えない新ThinkPad X1 Carbon、第10世代搭載の順当進化だが発熱は高め

カテゴリー:ハードウェア
タグ:ガジェット(用語)レビュー(用語)Huawei / ファーウェイ(企業)

ファーウェイがMacBookそっくりの「MateBook X」を7月7日に国内発売――価格は14万6800円から

eng-logo-2015

ファーウェイは、12インチMacBookそっくりのWindows 10 PC「HUAWEI MateBook X」を7月7日に国内発売します。

主な特徴は、13インチ 2160 x 1440解像度(アスペクト比3:2)の液晶ディスプレイ。Core i7搭載なのにファンレスな静音性、薄さ12.5mm・重さ1.05kgのコンパクトな筐体など。

実機を前にして、まず目を惹くのはディスプレイの鮮やかさです。サイズは13インチで、解像度は2160 x 1440。12インチMacBook(第3世代)と見比べても鮮やかさは一目瞭然です。タッチ操作には非対応です。

左からMateBook X、12インチMacBook(2017)

左から12インチMacBook(2017)、MateBook X

スマートフォンやタブレットも開発するファーウェイらしく、ディスプレイの表面は凹凸のないフラットな仕上がり。また、ブルーライトカットモードにより、目への負担を軽減する機能も備えます。

プロセッサにはIntelのKabyLake Uシリーズを採用。Core i7 7200U搭載でファンレスを実現します。これは、航空宇宙の領域で使われる冷却素材の採用で実現したとのこと。ファンレスの意義について担当者は「ベンチマークを回すと当然熱くなります」とする一方、「重い作業をする際、ファン付きだとキーンという音がしてうるさいが、ファンレスなら無音なので集中できます」と説明します。

サウンドにも力を入れたといいます。ファーウェイいわく、ドルビーアトモスサウンドシステムをPCとして初搭載。「スピーカーの音響設定もドルビーと共同で行い、アトモスサウンドとして聞こえるようにチューニングした」と担当者は語ります。

実際にサウンドを聞いてみたところ、12.5mmの薄型ノートPCとは思えないほどの迫力。YouTubeのようなドルビーアトモス向けに特別にチューニングされていない音源でも高クオリティでした。

本体はフルアルミボディ。液晶回りのダイヤモンドカット。そして金属筐体の表面のサンドブラスト加工など、ファーウェイのスマートフォンやタブレットと一貫したデザインコンセプトです。カラーはプレステージゴールド、ローズゴールド、スペースグレーの3色展開。本体サイズは286 x 211mm x 12.5mm、重さは1.05kgです。

キーボードの右上には、電源ボタンと一体化した指紋センサーを搭載。ファーウェイのP9シリーズと同じく、リング状のデザインです。電源オフの状態からボタンを押した時点で指紋認証がスタート。ワンアクションで直接Windowsアカウントにログインしてくれます。

指紋は最大10個まで登録可能。例えば家族で使用すれば、お父さんが押せばお父さんのアカウント、子どもが押せば子どものアカウントと行った具合に、自動的にアカウントを切り替えてくれる利便性もあります。

本体の左右にUSB-Cを1つづつ搭載。USB-PD対応ですが、本体の充電は片側のポートしか使えません。USB-A端子やHDMI、SDカードスロットなどは非搭載。別売りですが、ファーウェイ純正のUSB-Cハブを用意します。なおヘッドホンジャックは搭載します。

バッテリーは、標準的な利用状況で10時間の持続をアピールします。

本体価格はOffice付きとOffice無しバージョンを用意。Core i5 / 256GBのOffice無しが税別14万4800円。Core i7 / 512GBのOffice付きは20万1800円となります。

Engadget 日本版からの転載。