スマホでアクセサリーを製作・販売できる「monomy」運営元が1.2億円を調達

スマホ上で手軽にアクセサリーの製作から販売までできる、ものづくりマーケット「monomy」。運営元のFUN UPは8月31日、ベクトルと2名の個人投資家を引受先とした第三者割当増資により、総額1.2億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

FUN UPは過去にコロプラ元取締副社長の千葉功太郎氏、ソウゾウ代表取締役の松本龍祐氏、楽天元代表取締役副社長執行役員の島田亨氏など複数のエンジェル投資家から合計数千万円を調達している。また同社は今回資金調達と合わせて、島田氏がFUN UPの社外取締役に就任したことも明かした。

登録後3カ月で4000件投稿するユーザーも

FUN UPは2011年にヤフー出身の山口絵里氏が立ち上げたスタートアップで、2016年8月にmonomyを正式にローンチした。monomyの特徴は面倒な手間や投資をすることなくスマホ上で気軽にオリジナルアクセサリーを作り、そのデザインを公開し、販売できることだ。

販売できるといっても、ユーザーはアクセサリーのデザイン案をアプリで作成し、投稿するだけ。素材集めやアクセサリー製作、決済、発送といった手間のかかる作業はmonomy側で担当。アクセサリーが売れた場合には、販売代金の10%をインセンティブとして受け取れる。高度な知識や技術は必要なく、在庫を抱えるリスクもない。気軽にアクセサリー作りに挑戦できることもあり、小学生のユーザーもいるのだという。

自分で作った商品を売るサービスは「minne」「Creema」といったハンドメイドマーケットや「メルカリ」をはじめとするCtoCのフリマサイトなどが存在する。それに比べて商品を作ることに焦点をあてたアプリを目にする機会はあまりなかった。

「ユーザー数や販売数よりも、ユーザーあたりの投稿数といった既存ユーザーのアクティブ率や満足度を重視してきた。新規ユーザーの登録後1週間の平均投稿数が30〜40件ほどに伸び、3カ月で4000件ものデザインを投稿するユーザーもいる。累計で100件以上投稿しているユーザーも600人を超えるなど、アクティブ率はかなり上がってきた」(山口氏)

monomyユーザーの多くはまず純粋にアクセサリー作りを楽しんだ上で、自分の作品を購入したり他ユーザーの作品を購入する。作品の投稿経験はなく購入経験だけがあるユーザーは、わずか3.6%だけだ。また「想定していたより他者の作品を購入している」と山口氏が話すように、自分で作品を投稿・購入している作り手の44.7%が、他ユーザーの作品も購入しているという。

今回山口氏の話を聞いていて興味深かったのが、作品が売れてインセンティブを取得したユーザーの換金率はわずか0.5%だということ。インセンティブを元手に自分や他ユーザーが作った作品を購入する人がほとんどで、monomyで手にしたお金をmonomyで使うという1つの経済圏のようなものができあがってきている。

正式リリースから約1年が経ち、現在monomyに投稿された作品は50万点を越えた。今後は引き続きアクティブ率を重視しながら、ユーザー数の増加も目指していくという。

今後は海外展開や横展開に加え、他ECとの連携も検討

monomyでは今回の資金調達も受けて、新たに海外展開と横展開を進める。

海外展開についてはすでにアメリカやアジアなど海外からmonomyへの流入が一定数あり、日本人のユーザーと同様積極的に作品を投稿しているという。商品を購入したいという問い合わせもあり、海外版のリリースを考えている。

あわせて靴やメガネなど、以前から構想としてかかげていた別領域への横展開も今後進めていく。これまで構築してきたmonomyのモデルを生かし、工場や職人とも連携しながらさまざまな領域における「ものづくりマーケット」を目指していく。

ものを「作る」部分で事業を広げていきながら、「売る」部分については他のコマースサービスとの協業も検討する。

「デザイン性が高いものを作れることがmonomyの特徴であり目指しているところ。作ったものを売れるサービスは他にもあり、ユーザーにとってはより売れる場所に出品できたほうが良い。たとえばAPI連携でmonomy上から他サイトに出品できるような機能を追加するなど、他社との協業も考えている」(山口氏)

直近では指定された予約数を達成すると割引価格で商品を購入できる「GOOD BUY」という共同購入機能をmonomy内でリリース。商品をより買いやすい・売りやすい仕組みも導入してはいるが、monomyが重視するのはあくまで作りやすいという部分。「販売をものすごく頑張るということは考えていない」(山口氏)という。