リファラル採用SaaSのMyRefer、タレント・アクイジションSaaS「MyTalent」のベータ版をリリース

リファラル採用プラットフォームを提供するMyReferは、欠員補充などの短期的な採用ニーズを充足させる短期的な「リクルーティング」ではなく、中長期を見据えて会社を成長させるために転職潜在層から優秀なタレントを持続可能に獲得する「タレント・アクイジション」を実現するHRX(Human Resource Transformation)構想を発表した。

第1弾として、採用候補者との「つながり」を管理することで、掛け捨て型の採用から積立型の採用活動に変えるタレント・アクイジションSaaS「MyTalent(マイタレント)」のβ版を本日、2022年2月7日より提供開始する。

MyTalentでは、採用候補者のタレントプール構築、アプローチ、持続可能な仕組み化までを一元管理。過去の採用候補者で当時見送りとなった人材、社員の紹介での候補者、退職社員、ホームページの問い合わせなどから登録があった人材など、あらゆる応募チャネルから形成されるタレントデータを蓄積する。また、採用サイトへの来訪やメール反応から興味スコアを自動計測したり、過去の辞退・不合格理由からメールテンプレートを設計、ファン度をもとに最適なスカウトメールを送信、採用率向上を目指すという。

人材情報を蓄積していくタレント・アクイジションの時代へ

海外のHR市場では、欠員補充などの短期的な採用ニーズを充足させるために人材紹介や求人広告から母集団を形成して選考する短期的なリクルーティングではなく、中長期を見据えて会社を成長させるために転職潜在層へ採用マーケティングを行い、優秀なタレントを持続可能に獲得するタレント・アクイジションの概念が一般化してきているという。

代表の鈴木貴史氏は「日本企業がより競争力を高めるには、人をベースに事業を作り、優秀なタレント人材を獲得することが最重要課題です。その上で企業成長を促進させるために、候補者を資産化して戦略的にタレントを獲得、育成する『タレント・アクイジション』へと変革していく必要性を感じ、本件のリリースに至りました」と語った。同社は、リファラル採用SaaS「MyRefer」、タレント・アクイジションSaaS「MyTalent」を皮切りに、戦略的採用マーケティングを支援するプラットフォーム構想を進めていくという。

リファラル転職プラットフォームのMyReferがシリーズBで5億円調達、目指すは令和を代表するビジョナリーカンパニー

MyRefer(本社:東京都中央区、代表取締役社⻑・CEO:鈴⽊貴史)が、グローバルブレイン、博報堂DYベンチャーズ、STRIVEを引受先とした第三者割当増資により、シリーズBラウンドにて総額5億円の資⾦調達を発表した。今回の資⾦調達により、MyReferはリファラル採⽤を軸とした「HRTechプラットフォーム構想」の実現に向けて、自社社員に人材を紹介してもらうリファラル採⽤サービス「MyRefer」の事業成⻑を加速するための⼈材採⽤の強化、プロダクト開発、マーケティング投資を行なっていくという。累計調達額は8億6000万円となる。

ユーザ画面も管理画面もシンプルかつイマドキでとても使いやすい

元々パーソルグループの社員であった代表の鈴木氏は、コーポレートベンチャーとして同社を立ち上げている。従来の履歴書のみでの採用制度において、本当はマッチしているかもしれない人が落とされることに疑問を感じていた鈴木氏は、社内ベンチャー制度を使ってリファラル事業をピッチし、調達。2018年にMBO(マネジメント・バイアウト)し独立に至っている。

現在、従業員は45名。さらに倍近くの人員を採用予定で、一気に拡大を目指す。当初は現在のようなB2B SaaSではなく、LinkedInのような、エンドユーザにアプローチする事業を検討していた。しかし当時まだリファラル採用という文化が浸透しておらず、拡大の難しさを感じ、現在の形に行き着いたという。「当時はまだ、リファラルと縁故の違いからして理解が不足していました。加えて、人事部の人間が社員を巻き込んで採用していく文化がなく、データ化もされていなかった。それが導入のハードルとなってきたのです」と鈴木氏は語る。

MyReferは、それを地道に可視化していった。「各部署がどういう募集を出しているのか」「どんな社員が活発にリファラルに参加しているのか」「彼らはどの学校の卒業生なのか」「中途採用であればどの会社出身なのか」ということをMyReferはわかりやすく表現している。まるで社内版Wantedlyだ。

リファラル制度の浸透を牽引し、ともに成長してきたことがわかる

現在、同サービスを700社超の企業、約40万名の従業員が利用している。2017年から利用実績がある富士通では、制度設計から一緒に携わりコストカットを実施。リファラル採用を積極的に導入している。

採用活動が永続的に発生するエンタープライズ層がコアカスタマーだ。今後は業界ごとのプランも検討している。また、さまざまな層に使ってもらおうと、スタートアッププランもリリースされた。

ソーシャルギフト制度という形で気軽に採用促進キャンペーンを打つこともでき、募集に興味を持ったら自身が応募することも可能だ。「このサービスをよく活用する人は自社のファン層でもあります。会社としてもエンゲージメントの高い人が可視化できるのです」と鈴木氏は語る。MyReferは、社員自らがファンもコミュニティも醸成していく仕組みにもなっている。

和歌山県出身の鈴木氏は、地方活性化にも貢献すべく、UIターン人材獲得におけるリファラル採用促進も進め、将来的には多言語対応も見据える。リファラルという採用制度からの切り口だが、ユーザのアクティビティデータベースでもあるMyReferは、同社の構想が示すとおり、まさにビジネスにおける人間関係のデータプラットフォームにもなっている。

「私たちは早期に事業に着手し、リファラル採用を長く科学してきました。日本には独特な採用文化がありますが、この国の転職市場に新たなインフラを生み出したい。この国の転職市場に新たなインフラを生み出したい。そして令和を代表する会社として、インフラを作り続けるビジョナリーカンパニーとなっていきたいと思っています」。MyReferの快進撃は採用制度だけに止まらない。

関連記事:サイバー以来のインテリジェンス発スピンアウトベンチャーMyRefer、3.6億円の調達

カテゴリー:HRテック
タグ:MyRefer資金調達リファラル採用