NBA TVがネット視聴者向けに試合のライブやオリジナルコンテンツを配信

コードカッター(ケーブルテレビの契約をやめてネットで動画を視聴する人のこと)のバスケットボールファン向けに、バスケを余すところなく楽しめる新たな選択肢が登場した。NBA TVは11月5日、公式に消費者と直接購読契約を結ぶサービスを開始した。こうした動きはスポーツリーグネットワークとしては初めてだ。ウェブのNBA.comとNBAアプリの両方で利用できるこのサービスは、視聴が制限されている100以上の試合やオリジナルプログラム、オンデマンドビデオを月6.99ドル(約760円)で閲覧できる。年払いの59.99ドル(約6500円)だと少し安くなる。

このサービス開始による有料テレビ視聴者への影響はなく、これまで通りTVプロバイダーの認証によりNBA TVを視聴できる。

NBAとTurner Sportsが共同で管理するNBA Digitalはこのほど、Center Courtという名称の新たなフランチャイズを発表した。新たなカメラのアングルや、セレブのインフルエンサーを含むライブのオンスクリーンチャット、徹底分析、統計グラフィックスなどを含めた、視聴体験を向上させるための実験を行う。

ゲーム(リストはここにある)はウェブとモバイルのほか、メーンのCenter Courtブロードキャストを通じてNBA TVでも特集される。そこでは改善された「フロントコート」と「バックコート」のストリームが用意されている。フロントコートのストリームは、順番で担当が代わるNBAインフルエンサーのグループによるオーディオ代替のオプションとなる。一方で、バックコートストリームは統計の重ね合わせなどSecond Spectrumテクノロジーを活用する。

Center Courtのカバレッジは2019〜2020年にかけてのシーズン期間中に利用できる。

視聴体験の向上に加え、NBA TVは放映権許諾地域でのみ放映される100以上の試合と、WNBA、NBA Gリーグ、LNBA サマーリーグのライブを約束している。そしてスタジオ番組やレポート、「Beyond the Point」のような雑誌スタイルの番組、「Shaqtin’ a Fool」のようなタレントショー、試合前の番組、「The Warm Up」、そして「NBA Crunchtime」「NBA Game Time」といった毎晩の番組などオリジナルのプログラムも用意されている。

新しい番組は、「The List」「#Handles」「Say What」「High Tops」「Basketball Stories」などソーシャルなやりとりやレジェンド、現役のプレイヤーにフォーカスしている。そして、昔の試合や2000〜2019年のNBAファイナル、その他のアーカイブコンテンツに24時間いつでもアクセスできる。

NBA TV購読者はまた、NBA TVを購入したり加えたりするのと同じNBAアプリとウェブサイトからすべてのNBAの試合にアクセスできるようになるプレミアムな購読サービスNBA League Passを購入することもできる。購読すれば、ウェブやモバイル、ネットに接続しているTVデバイスやゲームコンソールでNBA TVを視聴できる。

「イノベーションは常に、NBA Digitalパートナーシップと直接消費者に向けたプロダクトの立ち上げの中心にあった。新たなコンテンツイニシアチブでもって、NBA TVとブランドの蓄積されたポートフォリオを利用する機会をNBAファンに提供する」と Turner Sportsの上級副社長兼ゼネラルマネジャーのTina Shah(ティナ・シャー)氏は発表文で述べた。「スポーツ消費は発展しつつあり、ファンがプレミアムなNBAコンテンツにアクセスして楽しめるよう新たな機会の模索を続ける」

ライブスポーツへのアクセスは、ファンが従来の有料TVの契約を続ける要素の1つだった。しかしこのところ、ケーブルからネットへの移行を簡単にするさまざまなリソースが登場している。ここには、MLBのMLB.TVのような特定のスポーツ専門のものや、Amazon Prime VideoでのNFLの試合のような、ソーシャルメディアなどを介しての試合のライブストリーミングも含まれる。また、より包括的なライブのスポーツに対するスポーツファンの需要から生まれたfuboTVのようなフルサービスもある。

しかし新たな鑑賞方法があっても、ブラックアウト規制はファンを有料テレビにつなぎとめ(ログインするのにおそらく友人のアカウントを使用する)、またはVPNへと向かわせる。NBA TVではこうしたものを解決できないだろうが、ファンに試合やNBAのコンテンツをもっと視聴してもらうことはできる。

画像クレジット:Moses Kinnah / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)