企業の標準作業手順の自動化を支援するシンガポールのNimblyが5.1億円調達

店舗やレストランを中心とした多くの職場は、業務を円滑に進めるためにスプレッドシートを使った手作業に頼っている。シンガポールに拠点を置くNimbly(ニンブリー)は、そのプロセスをより自動化するためのソフトウェアを開発している。提供する機能には、デジタルチェックリスト、在庫管理、現場監査などがあり、モバイルアプリからアクセスすることができる。今回、同スタートアップは、Insignia Ventures Partnersが主導し、Sovereign’s CapitalとSaison Capitalが参加したプレシリーズAで、460万ドル(約5億1000万円)を調達したことを発表した。

2018年に、Daniel Hazman(ダニエル・ハズマン)氏とJonathan Keith(ジョナサン・キース)氏によって創業されたNimblyは、現在、インドネシア、シンガポール、マレーシア、米国など7カ国100以上の組織で使用されている。Nimblyのユーザーの大部分は、小売業や飲食業で、たとえばKFC(ケンタッキーフライドチキン)、Kopi Kenangan(コピ・ケナンガン)、7-Eleven(セブン-イレブン)、Under Armour(アンダーアーマー)などが含まれている。また、Cargill(カーギル)やWilmar(ウィルマー)のように、日用消費財や農業分野の顧客もいる。

今回の資金調達により、調達額は570万ドル(約6億3000万円)となる。新しい資金は、レストラン運営会社であるExpress Food Group(エクスプレス・フード・グループ)との新たな提携を含む、Nimblyの東南アジアでの事業拡大や、さらなる分析、覆面調査、従業員トレーニングなどの製品の追加のために投入される。

Nimblyは、スプレッドシート、電子メール、メッセージングアプリの機能を1つのアプリにまとめることで、それらを置き換えるようにデザインされている。ここには、チェックリスト、監査、ライブビデオなどが含まれ、確実にすべての拠点で標準作業手順が守られるようにする。例えばレストランでは、食品の安全性や衛生基準が守られているかどうかをNimblyで確認することができる。日用消費財(FMCG)企業であれば、店舗での在庫状況の把握や、競合他社との比較などの情報共有に使うことができ、農業分野であれば、生産者が農場でサステナブルな対策をとっているかどうかを確認することに使うことができる。

Insignia Venture Partnersの創業マネジメントパートーナーであるYinglan Tan(インラン・タン)氏は次のように語った「SaaS企業は、東南アジアでは新たな分野として注目されています。あらゆる規模や業種の企業がソフトウェアツールへの移行、さらにはアップグレードを考えています。なので、ダニエルとジョナサンたちやNimblyのチームとパートナーシップを組むことができて、非常にうれしく思っています。彼らはこの分野の企業プロセス支援ソフトウェアの開発で、アジアで先行していますし、やがて世界展開も視野に入れていますから」。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Nimblyシンガポール資金調達業務効率化

画像クレジット:Nimbly

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(文:Catherine Shu、翻訳:sako)