実験的な一般消費者向けソーシャルアプリを開発しているFacebookの社内グループのNPEチームが、このチームとしては3つ目のアプリを公開した。ミーム(写真や動画、メッセージ)作成アプリのWhaleだ。現時点では、このアプリでミームを作るために写真をテキストやステッカーで装飾し、ソーシャルメディアで共有したり友達に送信したりすることができる。
新しいコンセプトのアプリではない。同じような機能を持つ画像編集アプリはApp Storeにあふれている。しかしアプリ内購入もサブスクリプションも必要なく、無料で使えるのが利点だ。
Whaleではミームを作るために、まず写真を撮るか、カメラロールから探すか、アプリのストックライブラリから選ぶ。空白、2グリッド、3グリッド、4グリッドのレイアウトが用意されている。絵文字、テキスト、エフェクト、そしてレーザーや渦巻き、膨張といったフィルタを追加して、画像をカスタマイズする。
共有するためのミームだけでなく、切り抜きツールを使ってオリジナルのステッカーを作ることもできる。さらに絵心のあるユーザーのために自由にドローイングできるツールもある。
これまでに公開されてきたNPEチームのアプリのAuxとBumpは米国ではダウンロードできないが、Whaleも同様だ。当面はカナダでのみ利用できる。ただしBumpはフィリピンでも公開されている。カナダは消費者の人口統計とユーザーの行動の観点から米国の代わりに選ばれているのかもしれない。しかしアプリが軌道に乗り短期間でスケールするという点では、ユーザーは少ない。
Facebookは7月にNPEチームの計画を発表し、このチームの目的は新しいアイデアを迅速に実験し牽引力のないプロジェクトを終息させることだと説明していた。Facebookのこれまでのアプリが、新たに登場した他社のアプリ、特にSnapchatやTikTokなどとの厳しい競争に直面する状況の中、Facebookは新しいモバイルソーシャル体験を作るために投資している。現在のソーシャルネットワーキングアプリの市場では、YoloやLMKといったSnapchatプラットフォームのアプリがランキングの上位を占め、HousepartyやMarco Poloなどの新しいビデオチャットアプリも人気だ。
App Storeを調査しているApptopiaがWhaleの公開をいち早く見つけ、The Informationで報じた。App AnnieによればWhaleは2019年11月15日に公開されたが、現時点ではApp Storeのどのカテゴリーでもランクインしていない。
FacebookはNPEチームの個別のアプリについてはコメントしないとしているが、アプリの提供状況については個々のアプリによると以前に述べていた。
[原文へ]
(翻訳:Kaori Koyama)