水関連インフラ資産の取得・管理に特化した投資・取引会社であるWaterfund(ウォーターファンド)は米国時間3月22日、イスラエルを拠点とするクラウドファンディングプラットフォーム「OurCrowd(アワークラウド)」との契約を発表。Waterfundのチームは、水や農業の技術に注力する15社に投資するため、5000万ドル(約54億4000万円)を拠出する予定だ。その第1弾は、多くの資金を集めている垂直農法のスタートアップ企業であるPlenty(プレンティ)に投資される。
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このような直接的な投資に加え、両社は「Aquantos(アクァントス)」という水に特化した新しいプラットフォームを共同で立ち上げ、Blue Bonds(ブルーボンド)と呼ばれる水事業関連の金融商品の発行を目指す。Blue Bondsは、10年以上前から存在する環境改善に特化した事業を対象としたGreen Bonds(グリーンボンド)に匹敵する新しいアイデアで、海に貢献できる事業を対象とするものだ。
「私たちは、国家や地方自治体の債務者から気候変動対策債として認証され、支援されるブルーボンドの発行に取り組んでいます」と、WaterfundのScott Rickards(スコット・リカード)CEOは述べている。「この新しい金融ツールなどにより、中東の水事業は、水不足に対処するための先進的な技術を、根本的に新しい方法で獲得できるようになるでしょう」。
リカード氏は、民間資本の不足が水分野のイノベーションを妨げており、今回の新しいパートナーシップと、それによってもたらされるエクイティおよびデットファイナンスの機会が、この状況を変える助けになるだろうと主張している。
一方、OurCrowdは、現在約15億ドル(約1631億円)の資金をコミットしており、25のファンドで約250社に投資を行っている。同プラットフォームが投資した企業の中には、Lemonade(レモネード)、Jump Bikes(ジャンプ・バイクス)、Beyond Meat(ビヨンド・ミート)などがある。OurCrowdのポートフォリオには、既存の農業テクノロジー関連のスタートアップ企業も多数含まれており、2020年11月には、(ポートフォリオの1つである)Sprout Agritech(スプラウト・アグリテック)と提携し、ニュージーランドで新たな農業関連のアクセラレーターを運営している。
「アブラハム合意は、中東全体における水不足の課題に、新しい水・農業テクノロジーをもたらす大きな機会を呈出します」と、OurCrowdの創業者でCEOのJon Medved(ジョン・メドベジ)氏は語る。「Waterfundとともに、画期的な技術を持つ企業に投資し、その設立を支援することが我々の使命です。Waterfundと協力して、水に関する重要な課題に取り組む民間資本を増やすための働きができることをうれしく思います」。
カテゴリー:EnviroTech
タグ:Waterfund、OurCrowd、農業、水、中東
画像クレジット:TechCrunch
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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)