発話障がいのある人は、AIを活用した音声認識テクノロジーを利用できない。Googleはこの課題に挑んでいる。
5月に開催されたGoogle I/Oで、GoogleはProject Euphoniaを公開した。これは発話障がいのある人などさまざまなタイプの話し言葉をAIによって認識できるようにしようというプロジェクトだ。
GoogleのCEO、Sundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏はGoogle I/Oで次のように語った。「発話障がいのある人や脳卒中の後遺症で発話に影響を受けている人、ALSの人たちをサポートしたいと考えている。Google ARの研究者たちが、一人ひとりに応じたコミュニケーションのモデルに関するアイデアを探っているところだ。そうしたモデルによりさまざまなタイプの話し言葉をもっと認識できるようになるし、AIは話し言葉でコミュニケーションをとることのできない人の助けにもなるだろう」。
Pichai氏は「現在は、発話障がいがあると音声認識のテクノロジーを利用できない。十分な量のデータセットを集めている人がいないからだ」と説明する。Project Euphoniaはこの領域に踏み込んでいく。
Googleは、非営利団体のALS Therapy Development InstituteやALS Residence Initiativeの協力を得て、ALSの神経変性疾患を発症している人の話し言葉を集めている。
「将来、こうした音声認識モデルをGoogle Assistantに取り入れられるよう、我々は懸命に取り組んでいる 」とPichai氏は語る。
しかしそれを実現するには、もっとたくさんのトレーニングデータが必要だ。Pichai氏は、発話が困難な人はここから音声のサンプルを提供してほしいと呼びかけている。
画像:Screenshot
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(翻訳:Kaori Koyama)