これまでの世界最速のスーパーコンピューターTianhe-2が、Sunway TaihuLightにその座を譲った。この中国のスーパーコンピューターは、無錫の国立スーパーコンピューターセンターに置かれている。
スーパーコンピューターのベンチマークには、Linpackベンチマークが使われることが多い。Sunway TaihuLightは93ペタフロップスを記録した。アメリカの最速機は17ペタフロップスで世界第三位だ。〔参考記事&リンク〕
93ペタフロップスは、浮動小数点演算(FLOP)を毎秒ほぼ93千兆回行うこと(93千兆FLOPS)に等しい。ちなみにiPad 2はの演算能力は、約16億FLOPSだ。ということは、Sunway TaihuLightの演算速度はiPad 2の約5800万倍である。
このスーパーコンピューターの構築には政府資金2億7000万ドルが投じられた、とJack DongarraのReport on the Sunway TaihuLight Systemが言っている。この記事によると、開発にあたってはエネルギー効率のアップにとくに注力された。15基のClimaveneta社製水冷式冷却装置を磁気浮揚させることにより、電力消費をそうしない場合の45%下げることに成功した。
Sunway TaihuLightのようなスーパーコンピューターは、複雑な非線形力学系の問題を解くために使われることが多い。天気予報は、そういう問題の典型であり、ほかに、金融や神経活動のモデリングなどもある。一般的に、データの量がきわめて多く、しかも変数(変項)の数が非常に多い問題は、特別に強力なコンピューティングパワーを必要とする。