マイクロソフトのWindows Virtual Desktopsがさらに使いやすく

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間4月30日、Microsoft 365エコシステムのさまざまな部分に対する多数のアップデートを発表した。大部分に関しては特筆すべきものでもないが(Microsoft Endpoint Managerのような製品にどの程度興味があるかは人それぞれではあるが)、このアップデートの全体的な目的は、企業のWindowsおよびMacの設定、管理を担うIT管理担当者の負担の軽減であり、新たに必要となった在宅勤務環境により早く適応できるよう努めている企業数を考えると、これは現時点において非常に重要である。

一連の発表におけるハイライトは、同社にとっては間違いなくWindows Virtual Desktopのアップデートだろう。Windows Virtual Desktopは、従業員がAzure上の仮想デスクトップ環境にアクセスできるようにするためのマイクロソフトのサービスであり、IT部門は同じハードウェアで複数のWindows 10セッションをホストできるようになるというものだ。同社はこのサービスに管理担当者がこれまでと比べて非常に簡単に取り掛かれるようにする、まったく新しい管理エクスペリエンスをローンチする。

今回の発表に先立って、同社のMicrosoft 365の企業担当事業部長であるBrad Anderson(ブラッド・アンダーソン)氏は、このサービスを開始するにはAzureに関する深い専門知識が必要であったと私に語ってくれた。それがこのアップデートにより、Azureについての多少の理解は必要なものの、開始プロセス全体は驚くほど簡単になった。アンダーソン氏が言うとおり、現在の状況下においてこれはかつてないほど重要なポイントだと言える。

「一部の組織はオンプレミスの仮想デスクトップインフラ(VDI)を使用していると言います。この場合容量を解放するための作業を行わなければなりませんでした。あるケースでは、容量を確保するために一部のサービスの災害復旧機能を廃止することもあるようです」とアンダーソン氏。「場合によっては、必要なVDIセッションを起動するための追加容量を取得するために、5月中旬または下旬までかかると聞いています。現在の世の中においてそれは受け入れ難いレベルです。クラウドの可能性を考えると、デマンドに応じてスピンアップやスピンダウンができるべきなのです。したがって、それが可能なWindows Virtual Desktopは従来のVDIと比較してユニークと言えるでしょう」。

Windos Virtual Desktop

アンダーソン氏は、いつの日か何らかのかたちで状況が正常に戻った際にも、リモートワークはより一般的になり定着すると考えている。「クラウド内のデータセンターで仮想化してアプリを実行する、というような仮想化の使用法が増えると思います。これによりクラウドベースのVDIの長期的なブームと伸びがもたらされることでしょう」。

管理が簡単になるだけでなく、ユーザーがローカルオーディオやビデオハードウェア、仮想マシンを低レイテンシーで接続できる「A/V redirection」と呼ばれる機能を使用して、これらの仮想デスクトップ環境でのビデオ会議にMicrosoft Teamsが使用できるようになる。ただし、同機能の公開までにはあと1か月ほどかかるようだ。

また、コンプライアンスや規制上の理由から、Windows Virtual Desktopの使用に関するサービスメタデータを特定のAzureリージョン内に保持する機能も新しく追加された。

Microsoft Endpoint Managerに関心のあるユーザーにとっての一大ニュースは、macOSベースマシンにおけるサポートの向上だ。macOS用の新しいIntune MDMエージェントを使用すると、管理担当者は同じツールを使用してWindows 10およびmacOSで反復的なタスクを管理できるようになる。

企業管理者のみが好む製品である、Productivity Scoreもアップデートされている。たとえばOneDriveやSharePointのコンテンツを組織内のユーザーが読んだり、オーサリングしたり、共同作業したりする様子を確認でき、十分にされていない場合はメモを書いてさらなる協働を促すことができる。

ここには従業員がデバイス間でどのように作業しているか、またどのようにコミュニケーションをとっているかを確認するための新たなダッシュボードもある。ただしこれは集計データであり、企業が個々の従業員が何をしているかを確認する手段ではない。

ネットワークの接続に問題がある場所をITが把握するのに役立つ、新しいNetwork Connectivityのカテゴリーは、特に現在の状況を考えると実際に有用な機能だろう。

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(翻訳:Dragonfly)