クラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」を手がけるCAMPFIREが6月7日、ジャフコおよびSBIホールディングス傘下のSBIインベストメントがそれぞれ運営する投資ファンドを引受先とした、総額6億円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。CAMPFIREはこれまで累計10億円の資金を調達している。
CAMPFIREでは今回調達した資金をもとに、既存のクラウドファンディング事業に加え、仮想通貨(3月にローンチした「FIREX」)、個人間決済(6月ローンチ予定の「polca」)、インベストメント(2016年末に公言していたソーシャルレンディング事業)の事業領域拡大、人材確保を進めるという。
国内クラウドファンディングサービスの先駆者であるCAMPFIRE、2016年2月に体制変更や手数料の大幅値下げ(20%から5%に。現在ではさらに8%に変更)を実施したが、2016年末までの流通総額は約24億円程度となっていた。そして2017年は流通総額35億円を目指しており、現状、目標を超えるペースで流通総額を拡大しているという(2016年1〜3月期と2017年同期で比較すると、流通総額が12倍になっているという)。体制変更時に3人だったスタッフも68人にまで拡大した。
「手数料の変更で使いやすくなったが、それだけではダメだ、となって考えてきた。例えば一昨年まではなかったオールイン(目標未達でもリターンを受けられるプラン)やファンクラブなどの機能も追加したし、音楽やファッション、ローカルといった領域ごとに切り出して、企画などもやっていった結果ではないか」——CAMPFIRE代表取締役社長の家入一真氏は語る。
家入氏は「CAMPFIREはあくまでプラットフォーマーである」というスタンスは崩さないが、一方で著名アーティストや地方自治体などと組んだ企画を、自社からある程度仕掛けていったのだという。その結果生まれた事例のひとつ、「湯〜園地計画」では、別府市が温泉をテーマにしたテーマパークのプロジェクトを立ち上げ、見事に3300万円以上を集めることに成功した。この成功事例が契機となって、地方自治体からの問い合わせも急増した。
今後は進捗の遅れているというインベストメント事業にも注力していく。5月には子会社で第二種金融商品取引業の登録が完了しており、今後は金融庁とも話し合いながら、スキームを整えていくという。「これまでは『クラウドファンディングのCAMPFIRE 』だった。だがこれからは、『クラウドファンディングもやっている、あらゆる資金ニーズに答えられるCAMPFIRE』を目指す。誰もがネット上で声を上げられる世界を目指していく」(家入氏)