ここ数年、TechCrunch Japanでは毎年秋に1000人規模のイベントを実施している。去年の2013年11月のTechCrunch Tokyo 2013では、ハッカソンやCTO Night、Mashup Award 9といったイベント内イベントを開催することでエンジニア層の参加も増え、2日間で約1500人の方にご来場いただく大きなイベントとなった。
起業家や投資家という直接的にスタートアップに関わる人が参加する「スタートアップの祭典」として大きく成長するだけでなく、大企業で新規事業を担当されている方や、新しいアイデアやプロダクトを持ったチームとの提携を模索するマーケターといった方々、テック系トレンドを追うエンジニア、財務や法務関連のサービスを提供するプロなど、幅広い層の方々にご参加いただけるようになっている。日本では才能・モノ・資金などのリソースが大企業に豊富にあるので特にそうだが、スタートアップコミュニティというのは起業家や投資家だけではなく、より広い範囲のビジネスパーソンやクリエーターが参加するエコシステムであるべき――、TechCrunch Japanではそう考えていて、オンラインでもオフラインでもビジネスのキッカケや出会い、交流の場を提供するような「場」になれればと願っている。
不定期で50〜100人規模のイベントを開催
こうした考えもあって、TechCrunch Tokyoという大型の年次イベントとは別に、今後50〜100人規模のイベントも不定期で開催していくこととした。学びや出会いの場という意味を込めて「TechCrunch School」と名付けて、主に平日の夕方から夜にかけて集まってカジュアルな交流ができる場としていきたい。
成功した起業家や経営者の方々、あるいは注目のスタートアップの創業者をお招きしてお話し頂くことを考えている。公開の場でTechCrunchスタッフがインタビューするような形式や来場者から質問を募りつつ、「講演+パネル&QA+交流会」という構成で食事やビールも用意するイベントだ。イベントの様子は記事化や動画掲載による紹介を検討している。
ちなみに、TechCrunch Shoolと「School」という語を入れたのには、Y Combinatorが行っているStartup Schoolの名にあやかったというのもあるし、TechCrunch Japanが入居しているのが秋葉原の外れにある廃校となった中学校を改築した建物で、ここのイベントスペースでの開催するからという理由もある。会場となる場所には黒板や教壇もあったりするし、実はTechCrunch Japanでは打ち合わせを学校の椅子に座って行うこともあったりする。
さて、そのTechCrunch Schoolの第1弾として、スタートアップ業界の著名な2人の投資家をお招きした。
クロノスファンド、East Venturesパートナーとして知られている日本を代表するテック系ベンチャー投資家の1人である松山太河氏と、まだ20代でありながら独立系ベンチャーファンド ANRI を立ち上げて多数のスタートアップ企業に投資している佐俣アンリ氏の両名だ。
イベント概要は以下のとおり。
TechCrunch School #1
就活生も知っておきたい!
ベンチャー投資家 松山太河氏に学ぶスタートアップ概論
【開催日時】 1月31日(金) 17時半開場、18時開始
【会場】 東京・末広町 3331 Arts Chiyoda (地図)
【定員】 70名程度
【参加費】 無料
【参加資格】 大学生もしくは大学院生
【ハッシュタグ】#tcschool
【主催】 AOLオンラインジャパン
【協賛】 リクルートホールディングス
【内容】
18:00~18:05 TechCrunch Japan挨拶
18:05~18:45 講演セッション 「スタートアップ概論」(East Ventures パートナー 松山太河氏)
18:50~19:30 パネルセッション 「2014年の日本のスタートアップ業界の展望」
参加者:松山太河氏(East Ventures)、佐俣アンリ氏(ANRI)、西村賢(TechCrunch Japan)
19:40~21:00 懇親会(アルコール、軽食も出ます)
【申し込み】イベントページから事前登録必須
【事務局連絡先】tips@techcrunch.jp
今回は概論なので、起業に興味がある、あるいはこれから社会に出て行く学生さんたちに集まってほしいと考えている。もちろんすでに起業していて松山氏、佐俣氏に会いたいという人も大歓迎だ。学生起業家でTechCrunchに売り込みたいという人も歓迎したい。
松山氏には、そもそも起業するとはどういうことかを俯瞰できるような概論をお願いしている。資金調達や資本政策の話に始まり、事業と組織の成長を遂げてIPOやM&Aというエグジットに至るスタートアップのライフサイクルや、スタートアップを取り巻く環境には、どういう役割の人がいるのかというエコシステムの話を、テック系スタートアップの本場とも言えるシリコンバレーと、2014年の日本という両軸でお話し頂けるようお願いしている。
起業とかスタートアップというのがどういうものかをイメージとして理解しておくのは、今後企業への就職を考えている若い人たちにとっても重要なことだと思う。起業という選択肢があるということを知るという意味でも、今後企業内で新規事業を始めるような場合であっても、そうだ。
パネルセッションでは投資家の佐俣アンリ氏に加わっていただき、もう少し具体的な話を掘り下げつつ会場からの質問にも答える形で進められればと思う。佐俣氏は学生に年齢も近く、投資先スタートアップのメンバーとも日常的に接しているので、来場頂く学生のみんなとも感覚が近いものと思う。
グローバルな視点で見た場合、いまの日本はスタートアップブームといえる状態なのか? ライブドア事件以後やリーマンショック以降に起業環境は変わったのか? 起業のトレンドはどう変わっているのか? 昨今、大企業とスタートアップが提携するという動きも増えているが、今後起業を取り巻く環境はどう変わっていくのか? そもそも起業という選択肢が昔に比べて特殊でなくなっているのだとしたら、それは働き方が変わりつつあるということなのだろうか? ぶっちゃけ、起業のリスクって、どんなもの? アイデアやプロダクトはあるけど、どうやれば投資を受けられるの? 投資のプロは事業計画書の何をみるの? などなど、質問を寄せてもらえればと思う。
今後のTechCrunch Schoolのイベントがそうというわけじゃないけれど、今回は参加者を大学生と大学院生に限らせて頂いている。当日会場では参加者に大きな名札を付けてもらって、交流を促せればと思う。志を同じくする他大生と出会う場となるかもしれない。
イベントは1月31日金曜日の18時から。参加申し込みは前日まで受け付けているが、定員になり次第、先着順で締め切らせて頂くので、早めに以下からお申し込み頂ければと思う。
「TechCrunch School #1 ベンチャー投資家 松山太河氏に学ぶスタートアップ概論」参加のお申し込みはこちらから→