すべての3Dプリンタのユーザビリティを「共通」にするOS(共通インタフェイスソフト)が登場

3Dプリンタを使ったことのある方は気づいておられると思うが、これまでの製品には共通の規格というものがなく、各社バラバラだ。オープンソースのひどいソフトを使っているところもあれば、自家製の、出来栄えに差がありすぎるアプリケーションを使っているところも多い。そこで、あるエンジニアたちのグループが、すべての3Dプリンタに対して使える標準OSを作ろう、と志した。どのプリンタでも、ボタンをクリックして3Dモデルをプリントしようと思ったら、まったく同じ画面と機能リスト(メニュー)が表示される、というものだ。

その名も3DPrinterOSと名づけたこのプロジェクトは、いくつかの上位人気のプリンタに対して使えるスタンドアロンのソフトウェアシステムだ。それはMacとWindowsとLinuxとRaspberry Piで動き、コンピュータおよびそのユーザ側から見ると、接続されている3Dプリンタのブランドや機種はどうでもよいもの、ネットワークの向こうにある単なる“ブラックボックス”になる。ユーザはモデルのファイルをプリンタに送ってプリントさせるだけだ。今対応しているメーカーはMakerbotとUltimaker、それにRepRapの一部機種で、人気上位の機種はだいたいカバーしている。コントロールとプリントジョブの送付はインターネットからでもできる。

CEOのJohn Dogruはこう言う: “3Dプリントが急速に普及していることはすばらしいが、でもそれらのプリンタ間、ソフトウェアやアプリケーション間でコミュニケーションができなければ、3Dプリントにできることを誰もが完全にエンジョイし、今のような小さな檻から解き放つことはできない。うちの目標は、なるべく多くのデザインツールや3Dプリンタと互換性のあるプラットホームを作ることだ。そして、手持ちの機種が異なる複数のアーチストやデザイナーやメーカー入門者たちが、これからは普遍的な言語でコラボレーションし、コミュニケーションし、クリエイトできるようにしたい”。

それは、3Dプリンタを2Dプリンタのように簡単に使えるようにしたい、という考え方だ。プリントジョブのキューを作り、ジョブの進捗を監視し、それにしっかりとした互換性があれば、3000ドルのMakerbotを150ドルのHPのプリンタと同じ気軽さで扱える。すばらしいことだ。

DogruとAnton Vedeshinが始めたこのプロジェクトは、彼らのこれまでのクラウドコンピューティングとITのセキュリティの仕事が背景にある。つまり彼らのねらいは、面倒な仕事をすべてサーバにやらせることによって、3Dプリントをもっと多くの人が気軽に利用できるものにしたいのだ。

“今の各機が持っているソフトウェアでは、一つのデザインをプリントするまでに20回以上もあちこちをクリックしなければならない。3Dプリントは確かにすばらしいけど、現状では、自分が撮った写真や書いたテキストなど、あるいはソフトで作ったポスターやはがきなどを、自分ですぐにプリントできる今の2Dプリンタのユーザビリティレベルに達していない。ふつうの主婦などが、今思いついたものをすぐ形にできるものに、ならないとだめだ。3Dプリントがもたらす興奮と驚きと楽しさを、世界中と共有したい”、…これがファウンダたちのビジョンだ。

このアプリケーションはベータを終えたばかりで、今では誰もが入手できる。いよいよ3Dプリントも、2Dプリンタでおなじみの共通のエラーメッセージを、PCの画面で見られる時代になるのかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))