ここ数年のSamsung(サムスン)のCESプレスカンファレンスではいつも、未来的な家庭用ロボットのパレードが繰り広げられた。彼らはスマートで、器用で、印象的だ(そして、まあまあかわいらしい)。しかし、家庭用ロボットは難しい。本当に、本当に、本当に難しい。ルンバが登場してから20年近く経った今でも、ロボット掃除機が家庭用ロボットの中で唯一現実的な存在であり続けているのには理由がある。
それと同じ理由で、イベントに出展されたSamsungの家庭用ロボットの中で実用可能なものが1つあるとすれば、ロボット掃除機の「JetBot 90 AI+ Vacuum」だと思われる。同社はまた、2020年のショーで紹介したBot Handyのアップデートも披露した。これは新しいBot Careと合わせて、昔のSFでは今後数年で手に入ると信じられていたような人型ロボットのデザインに、さらに沿ったものとなっている。
そして、ここでもまだSFが有効な描写になっているようだ。2020年のショーでは、ロボットたちはChuck E. Cheese風のプレゼンテーション(訳注:子供が好むChuck E. Cheeseレストランでは、昔の遊園地のようなロボットバンドがステージで演奏する)を行い、ステージ上で限られた人間との対話の中で、振りつけられたタスクをこなしていた。この種のことには多くの要素が関わっているが、今のところ、この技術は何よりもコンセプトの証明のように感じる。
同社はこの技術について「あまり遠くない未来」と言及しているが、画面の隅にある小さな印刷には「このロボットは研究開発中であり、まだ販売には至っていません」と書かれている。それは控え目な表現に思える。この車輪つきBot Careは、オーナーにミーティングのリマインドをし、リモート会議のための画面をポップアップさせるものだ。
現在のパンデミックの間で、誰もこの技術を実際に目にするとは思っていないと思うが、これが同社が準備している「ニューノーマル」であるという議論もあるだろう。シンクから食器洗い機まで食器を移動させるBot Handyは、おおよそ現実的なもののようだ。
間違っていたらうれしいが、我々のうち誰も近いうちにこれらの技術の実用可能なバージョンが発売されるとは思っていない。しかし、ロボット掃除機のJetBot 90 AI+ Vacuumは評価できる。それに関しては、2021年前半に米国で発売されるという大まかな日程があるからだ。
このロボット掃除機は、自動運転車と同様のLiDARセンサーを備えており、オブジェクト検出アルゴリズムと相まって、ユーザーの家をナビゲートするのに理想的なパスを構築するのに役立つという。興味深いことに、カメラの映像はユーザーによってリモートで表示することができるため、セキュリティカム(ただし、Samsungはその単語を使用することを避けているようだ)やペットモニターのように使用することも可能だ。
カテゴリー:ロボティクス
タグ:Samsung、CES 2021
画像クレジット:Samsung
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(翻訳:Nakazato)