スウェーデンのフィンテックであるZaver(ゼイバー)は、売り手が決済方法のオプションとしてカードレス支払いや後払い(BNPL)に対応できるようにするスタートアップだ。このほど新たなラウンドで500万ドル(約5億4000万円)の資金を獲得した。
マーケットプレイス取引のP2P決済に特化してスタートした同社は、オンラインおよびオフラインコマースの耐久消費財(自動車、健康・美容、工芸品など)分野にプロダクトマーケットフィットを見出して以来、この市場に賭けている。
Zaverの最新ラウンドをリードしたのは、Inbox Capital(Revolut、Klarnanaなどに出資している)とInventureのVCで、他にEvolution GamingのファウンダーであるFredrik Österberg氏(フレデリック・エスターバーグ)、エンジェル投資家のMagnus Rausing氏(マグナス・ラウシング)、AtomicoのパートナーJoen Bonnier氏(ジョエン・ボニエ)、ErnstromのオーナーであるFabian Hielte(ファビアン・ヒエルテ)氏とMax Hobohm(マックス・ホボーム)氏およびJohannes Hobohm(ヨハネス・ホボーム)らが参加した。
2016年中頃、Amir Marandi(アミール・マランディ)氏とLinus Malmén(リーナス・マルメン)氏がストックホルムのスウェーデン王立工科大学の学生だった頃に創業したZaverは、プラスチックカードからモバイル決済への変革を加速したいと考えた。ターゲットにした市場は「耐久消費財」で、スウェーデン国内でスタートした。提供する決済機能には、オープン・バンキングを利用したオンライン / オフラインのカードレス決済、即時支払、BNPL、信用度スコアなどがある。
「私たちのいう『耐久消費財』とは、頻繁に買う必要がなく長期間続けて使うもののことで、自動車、歯科診療、キッチンのリフォームなどがあります」とマランディ氏はいう。「一般にこれらの商品は『日常的』な商品やサービスよりも高い金額で取引されます」。
2年前に「Zaver for Business」を提供開始して以来、同社の取引高はゼロから「数億ドル(数百億円)」へと急増したとMarandi氏はいう。「当社がプロダクトマーケットフィットを実現していることは、今やユーザーは古い習慣を捨て、高額な商品やサービスの支払にもスマホを使うようになったことを証明しています」と同氏は言った。
カード利用を回避することで、Zaverは価格、ユーザー体験、およびプロダクト開発を社内でカスタマイズできるようになり、これは以前は困難だった、とマランディ氏は指摘する。そして「狙いは、この分野の中小企業のために、伝統的ソリューションを総合的なバンキング・決済プラットフォームで置き換えることにあり、そこではBNPLが顧客の行動変革に置ける重要な役割を果たします」と付け加えた。
ちなみに、Zaverの主たるライバルはクレジットカードや債権買取会社などの伝統的商品だ。「私たちの特徴は、低利益率で平均取引高の高い分野におけるモバイル決済への移行に特化していることです」とマランディ氏はいう。「新たな顧客行動(BNPL、自動引落、購入時の分割払いなど)とリアルタイム決済に集中することで、金額の大きさに関わらず同じ摩擦のない支払い体験をオンラインでもオフラインでも提供できます」。
カテゴリー:フィンテック
タグ:Zaver、資金調達、スウェーデン
画像クレジット:Zaver
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(文:Steve O’Hear、翻訳:Nob Takahashi / facebook )