スタートアップに朗報だ。設立から2年未満で上場企業の子会社でない企業は、一定のミッションをクリアすれば、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を無料で利用できる。創業間もないスタートアップにとって、プレスリリースをどこに送ればいいかわからないっていうのはありがちなこと。PR TIMESを使えば、メディアとして会員登録している2000人にプレスリリースを配信できる。
無料でプレスリリースを配信するには2つの条件がある。1つ目は、PR TIMESでリリースを配信してから24時間以内に、「企業のフォロワー数」を最低50人獲得すること。企業のフォロワーというのは、PR TIMES上での自社ページを読者にフォローしてもらい、最新情報を配信するための仕組みだ。2つ目の条件は、配信したプレスリリースを500人以上に見てもらう必要がある。2つの条件をクリアできなかった場合は、PR TIMESで1回プレスリリースを配信する料金の3万円がかかる。
ところで、スタートアップがプレスリリース配信サービスを使う意味は何なのだろうか? こと、ウェブメディアに関しては、公開されているリリース送付先アドレスを探して送ればよさそうにも思える。この点についてPR TIMES代表取締役の山口拓己氏に聞くと、メディアの送付リストが充実していることに加えて、一般の読者にプレスリリースが読まれていることも強みだと語る。
PR TIMESのサイト自体のページビュー数は前年同月比1.5倍の320万PV。ちょっとしたウェブの専門メディア並みの数字だ。最近ではPR TIMESのプレスリリース自体がバズる機会もあるのだとか。例えば、フリークアウトとPFI のジョイントベンチャー設立を紹介するプレスリリースでは社長のヘアスタイルが話題になり、ソーシャル上で拡散した。山口氏は「人通りが多いところにプレスリリースを出すことで、知ってもらう機会を作るのは重要」とアピールする。
2014年までにPR TIMESを利用した企業は累計8000社。2012年は2000社、2013年は4000社と、毎年倍増ペースで右肩上がりを続けている。スタートアップに焦点を当てることで、2015年も利用企業数の拡大を図る考えだ。